先週のことになりますが、JBBY(日本国際児童図書評議会)主催、外国の子どもの本内覧会へ伺いました。
ところで
忘れないうちに書いておこうと思いますが、現在東京オリンピック・パラリンピックに向けて、
都内全公立校では「世界ともだちプロジェクト」という取り組みが(東京都教育委員会によって)進められています。
*参照:http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/2016/pr160114b/jisshi.pdf
各校で重点的に学習する国・地域については、「米国、チェコ、赤道ギニア、インド、パラオ」など、都教委が各校に対し、5大陸各1国をセットにした“メニュー(5カ国セット)表”が用意されています。
そこで
各学校の管理栄養士さんは、“担当国”で食べられている料理をメニューに取り入れたり、
各学校図書館では“担当国”の関連図書を展示したり、壁面展開したり、
ということを求められているわけです。
ところが、ですね...
「アゼルバイジャンについて書かれた資料、アゼルバイジャンの物語がみつかりませんっ!」
「ガンビアについて、小学生にわかりやすい資料はない??」
「○○国で書かれた物語、まだ日本語で翻訳されたものが一つもないよ~」
...等々、
私の周りでは「世界おともだちプロジェクト」にあたって、各国の資料の少なさを嘆く声がぼちぼち上がってきています。
そんな状況の中、伺った「外国の子どもの本内覧会」(JBBY)。
あります、あります・・・
(もちろん世界の児童書の一部にすぎないとはいえ。)
(ようやく物語として語ることができるようになったのかもしれない)
民族間の虐殺・裏切りなどをテーマに書かれた、ルワンダの児童書、
ネットの世界に閉じこもる子どもが(盲目の)叔母によって、広い世界へ出るようになる...ボリビアの絵本、
素朴な表紙絵に惹かれる...アゼルバイジャンの民話物語、
“音”が重なり奏でる様を絵で描く、ポーランドの絵本、
ピンクが可愛いフィンランドの絵本、
リトアニアのしかけ絵本、
チェコ共和国の児童書、
全部のページの仕掛けが、めずらしいタイプの絵本、
美しい色彩のコラージュ絵本、
etc...
添えられた紹介カード(日本語解説)を読んで、
「子どもたちに手渡したい」と思う作品がたくさんありました。
世界を、多様性を知る入口が、ここにありました。
国内翻訳版が出来上がるのを待たずとも、
「この国では、こんな本が子どもたちに読まれている」...と、
世界のともだちのリアルを、(JBBYさんにご協力いただくなりして)目の前にいる子どもたちに感じてもらえる展示はできないものかしら?
・・・そんなことを考えていました。
(またレポします)
絵本コーディネーター東條知美