一般的に「絵本」は、絵と文章とで、その内容が示されるメディアです。

 

ですからお話が素晴らしくても、(絵がイマイチ)とか、

 

その逆で(絵はとても素晴らしいのに、文章がやけに長々しい)といった声の聞こえてくることがよくあります。

 

もちろんこれについては、読み手の嗜好にゆだねられるところが大きいでしょう。

でも、よいものは、やっぱりよいのです。

 

 

お店の絵本コーナーには古今東西たくさんの本が溢れています。

 

その中で

(絵も文章もすごくいい!)と心を動かされる絵本は、

「手元に置きたい」し、「あの人に贈りたい」となりますよね。

 

 

すごい絵本、すごいクリエイターをみつけました。

 

 

☆『おたんじょうびケーキ』(アン マサコ/作 2017年5月 ブロンズ新社)




きょうはあいちゃんの5さいのおたんじょうび。「おともだちがくるまでたべちゃだめよ」とママにちゅういされたけど、がまんできずに食べちゃった!気づくとそこはケーキのおしろ。5さいになるためのろうそくを探して、おかしの世界で大冒険がはじまった!

(出版社ホームページより転載)


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最近私がひとめぼれした絵本、それが『おたんじょうびケーキ』です

 

 

作者のアンマサコさんってどんな人?

いてもたっても居られず、開催2日目の『おたんじょうびケーキ』絵本原画展へおじゃましました。

 

 

 

 

 

作者のアンマサコさん

可愛くて力強い作品『おたんじょうびケーキ』(ブロンズ新社)の創作秘話を、原画の前でお聞かせくださいました。

 

 


(少女がろうそくとお話をする絵が、当初の表紙案だったとのことですが?)


 

「最終的に表紙になったこちらの絵は、装丁家からの提案で描き下ろしたもの。」



「“私を見て!”、“私をつれて帰って!”・・・とうったえかける表情を意識しました。

とくに目は、何度も何度もギリギリまで描き直しました」

 

 


 

 「激しいシーンではボレロ、ケーキのシーンではくるみわり人形のようなバレエ音楽、せつないシーンでは別れの曲...など、それぞれのシーンを描くときは、同じ曲が何度も何度もループで流れているんです。」

 

 



「1枚を1日で描き上げます。凄絶。ものすごい集中状態で、時計も3回くらいしかみません。だから創作にあたる期間はいつもフラフラです(笑)」


「わたしにとって、「絵本」に大人向けも子ども向けもありません。描けるところまで全力で描きこむ。細部までこだわる。細かいところ、登場人物にも物語を読み取ってもらいたいです。」

 

 

 

 

 


(『おたんじょうびケーキ』を作った動機は?)


「生きていることのすばらしさ、年を重ねることの素晴らしさを描きたかったんです。」


(今作品で画材はガッシュ、ペン、一部リキテックスを使用とのことですが...)


「本当は、いつか油絵で絵本を描いてみたいです。」


(会場には人形アニメーションのDVDも流れていますね。)


「物語をつくるのが好き。

アニメーションも立体も、これまでの創作はすべて表現したい“物語”です。」

 

2014.11.『タップ君」 ストップアニメーション上映 東京都写真美術館
(監督/人形制作/美術デザイン/アン マサコ)

 


「せっかく生まれてきたのだから、人生をやりきりたいと思います。」

(アンマサコさん)
 

 

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アン マサコさん、情熱的でエネルギッシュな女性。

なによりも創作を愛する素敵なアーティストでした!

 

 

貴重なお話をありがとうございました。

次の作品も、次の次も、心よりたのしみにしております!

 


                      絵本コーディネーター東條知美
 

 

 

『おたんじょうびケーキ』絵本原画展

   会場:原宿・青銅RoomJ

   期間:2017年6月23日(金)~7月2日(日)*6月26日(月)休廊

   時間:13~18時

 *著者在廊日:6月24日(土)、7月2日(日)

 

 

◆また、さいたま新都心駅からすぐの「るるるるおかしさん」で、『おたんじょうびケーキ』のおいしくて、わくわくする世界が展開中とのこと。


可愛いくて美味しい・・・ここでもまた元気がもらえそうですね♪

 

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