◆漫画家デビュー、そして・・・



東條:てんてんさんは、デビューが少女漫画、そしてその後コミックエッセイで大ヒットを飛ばしました。
この転機はいつどんな風に訪れたのですか?




てんてんさん:始まりは少女漫画雑誌『ぶ~け』でした。少女漫画で受賞し華々しくデビューさせていただいたのですが、読者投票で最下位!全然だめだったんです。それで、いろいろなことを試したりして・・・でもうまくいかないくて。
思い切って漫画家のいしかわじゅん先生を訪ねたんです。34歳の頃だったと思います。




東條:おお、それはずいぶんと勇気が要る行動ですね。たとえば20歳の若者というわけでもなく34歳、というのも。




てんてんさん:はい、すごく緊張しました。いろいろなパターンの絵をたくさん持参し、いしかわ先生に見てもらいました。
するといしかわ先生が「君はこれでいきなさい」と。それが「ツレうつ」から今に至るスタイルの絵なんです。この時にいただいたアドバイスのお陰で、私は今も描き続けていられるんだと思います。
勇気を出して訪ねてよかった~!と思います。


(「本当に人との出会いは大切なんだね・・・」と確かめ合う参加者一同。)





◆映画やドラマになった『ツレがうつになりまして。』



東條:『ツレがうつになりまして。』(幻冬舎)の大ヒット。ご自身とご家族の壮絶な体験を描いた「コミックエッセイ」。ドラマではてんてんさんの役を藤原紀香さんが、映画では宮崎あおいさんが演じられています。
ご自分の役を女優さんが演じられるというのはどんなお気持ちでしたか?




てんてんさん:・・・いや、初めて出来上がった映像を見る機会となった試写会では、ツレも私も本当にそれどころじゃなかったんです。
あまりにも辛い過去がわ~っと思い出されちゃって。もう「耐えられないかも!」というくらいに。






◆絵本をつくろうと思ったわけ



てんてんさん:ツレのうつ体験は、本当に辛くて苦しいものでした。それを乗り越えてわかった一番のことは、「生きているだけでいいんだ」ということ。このことを、作品を通して多くの人に伝えていこうと思いました。
子どもが生まれてからは絵本が身近なものになったこともあり、「絵本を読むと楽しいよ~」「楽しいことはいろいろあるんだね~」ということを、絵本を通して伝えていけたらいいなと思うようになりました。

その作品ごとに、伝えたいことをうまく伝えられるような絵本を、これからもぜひ作っていきたいです。




 (※以上、インタビューより一部を抜粋しました)



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〈後記〉

細川貂々(ほそかわ てんてん)さんへのインタビューは、今回「月夜の絵本会」参加の皆さんの発言、旬の話題も交え、テーマを行きつ戻りつしながら「絵本について」「作品を手渡すことについて」様々な意見が活発に飛び交うこれまでにないエキサイティングな現場となりました。

これもひとえに、どこにいても自然体で「そのままを見て受け止める」作家・細川てんてんさんが中心にいらしてくださったからではないかと思います。


多様な立場にある人々が、対話の中で知ること・学ぶことの大切さをあらためて思った夜でした。

てんてんさん、本当にありがとうございました。
これからの作品も楽しみにしております!


~絵本『からくりむしゃ はぐるまのすけ』の入手方法について~


☆ギャラリーリールさんでは今まで通り通販されていますし、お店で購入も可能だそうです。

また、
☆10月31日、1日に
行われる「高円寺 フェス」の明石スタジオさんという所でギャラリーリールさんが豆本のワーク ショップを行います。
こちらで『からくりむしゃ はぐるまのすけ』を販売予定です。


また、

☆11/1~ 千葉県浦安市「猫実珈琲店」で開催の「絵封筒展」に出展予定のてんてんさん。こちらでも、絵本『からくりむしゃ はぐるまのすけ』を買うことができます!

 

ところで
雨の中ギター担いでオフ食事会を盛り上げに来てくれたサボテンサトシ(@sabotensatoshi)さん、ありがとうございます。
12月28日の単独ライブ、成功しますように!

 

美味しいお料理と安心の場作りでいつも力をかしてくれるロケットカフェのオーナー岸山さん、ありがとうございます。
所属もバラバラな人々がああしてのびのびと語り合うことができるも、このお店だからこそ。


最後に「月夜の絵本会」に集まってくださったみなさま、ありがとうございます。

またお会いしましょう!

 


絵本コーディネーター 東條知美