~ゲスト プロフィール~
江頭路子(えがしらみちこ)さん |
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イラストレーター/絵本作家 1978年 福岡生まれ。静岡県三島市在住。 MJイラストレーションズ(峰岸塾)8期卒業 イラストレーターズ通信会員。
水彩を使用し光を意識した作風で、ストーリー性があるイラストレーションを得意とする。 児童書や絵本、装画などを手がける。
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主な作品:絵本『あめふりさんぽ』(えがしらみちこ作/2014講談社)、『はこちゃん』(かんのゆうこ文/えがしらみちこ絵/2013講談社)、児童書『さくら 原発被災地に残された犬たち』(馬場国敏作/江頭路子絵/2011金の星社)、『春の海スナメリの浜』(中山聖子作/江頭路子絵/2013佼成出版社)等
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去る7月18日、絵本作家でイラストレーターの江頭路子さんをゲストにお招きし、〈月夜の絵本会vol.3〉が催されました。
会場はいつもお世話になっているROCKET CAFÉさん(http://池袋カフェ.com/)。
絵本作家志望の方々、イラストレーターさん、デザイナーさん、図書館司書さん、製本会社の方など現在絵本に関わっていらっしゃる、あるいは関心のある皆さまよりお集まりいただき、江頭路子さんへ公開インタビューを行わせていただきました。
インタビューの間、江頭さんの膝には可愛らしいお嬢さん(2歳)が座っていらっしゃいました。会場には4歳の女の子もいらっしゃって、アットホームな雰囲気となりました。
公開インタビューです。どうぞご覧ください♪
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【江頭路子さんインタビュー】
東條:福岡県ご出身で現在は静岡県三島市に住んでいらっしゃる江頭さん。これまでに数々の児童書や文芸書などの装画、絵本のお仕事を手掛けていらっしゃいます。
この5月には自作絵本『あめふりさんぽ』を講談社から出されました。
いま江頭さんの膝の上におとなしく座ってくれている可愛らしい娘さんは2歳、ということで、今日はたいへんお忙しいところをおいでいただきありがとうございます。
会場には絵本作家を志す方も複数お見えになっています。
江頭さんが今日のために「制作ノート」や下書き前の「ラフ画」をまとめてくださったものをご持参下さいましたので、こちらを会場でまわして皆さんに見ていただきながら、お話をすすめてまいりたいと思います。
江頭さん:インタビューをお受けするのは初めてのことです。私の話なんかでいいのかなあとちょっと心配ですが、どうぞよろしくお願いします。
東條:さっそくではございますが会場の皆さまに、江頭さんの創作世界に触れていただきたいと思います。(事前にお願いしてみたところ)、江頭さんに快諾いただいております・・・作者ご自身による絵本『あめふりさんぽ』の朗読です。よろしくお願いいたします。
☆『あめふりさんぽ』内容紹介(※講談社HPより)
「お気に入りのかさもって、ながぐつはいて、カッパ着て、じゅんびできたよ、いってきまーす。
かえるやあじさい、おたまじゃくしと女の子のかわいらしい出会いが、楽しげな雨音とともに繰り広げられます。」
(会場 拍手)
東條:ありがとうございました!色彩も明るくて、晴れやかな気持ちになれる素敵な作品です。
雨の日の子ども。でもこんなに解放的で楽しい描かれ方があるのですね。
さて、そもそも江頭さんはなぜ絵を描くようになったのでしょうか?公式プロフィールによりますと大学は教育学部のご出身だそうですが。
江頭さん:もともと子どものころから絵を描くのは好きでした。でも九州に居た頃はノートの隅っこにいたずら描きする程度です。
教育学部で学びましたが、自分には教師という仕事はむずかしいかもしれないなと感じました。
東京へ出てきた当時は、webデザイナーになりたいと思っていました。デザイン事務所で働き始めたのですが、その時にはまだ絵の仕事について真剣には考えていませんでした。事務所に出入りするイラストレーターさんたちを見て「楽しそうだな」とは思っていましたね。
2005年、絵画教室の講師の先生のお手伝いをした際に、教室のオーナーさんから薦められ、初めて絵の展示をさせてもらいました。その時にいろんな人から声をかけてもらったり褒めてもらったりした経験から「できれば絵の仕事をしていきたい」と初めて考えるようになりました。とても嬉しい経験でした。
それからイラストレーションのスクールに通い始めました。
東條:子どもの頃、親御さんからよく絵本を読んでもらったという経験はおありですか?私(40代)の世代ではまだそんなに多数派ではないような気がするのですが、江頭さんの世代(30代前半)になると、割合そういった家庭が全国的にも増えてくる世代ですよね。
江頭さん:どうだったかしら・・・そんなにたくさん絵本や本を読む子どもではなかったのですが、母にはよく図書館へ連れて行ってもらっていました。
東條:江頭さんに事前に伺ったところ、〝ぱっと思い浮かぶ「好きな絵本」“はこの5冊とのことでした。
◆絵本『どんどこももんちゃん』(とよた かずひこ/作)
◆絵本『きょうは なんのひ?』(瀬田貞二/作 林明子/絵)
◆絵本『めっきらもっきらどおんどん』(長谷川摂子/文 降矢なな/絵)
◆絵本『あさになったので まどをあけますよ』(荒井良二/作)
◆児童書『ちいさいモモちゃん』(松谷みよ子/作)
よく作家さんに同じ質問をさせていただいたり、雑誌などでも同様の質問をみかけるのですが、ここにすべて日本人作家の作品をあげているところが、江頭さんのお人柄をちょっと表わしているのではと感じました。
『きょうはなんのひ?』や、有名な絵本『はじめてのおつかい』で知られる林明子さんの絵は、実際の子どもをスケッチすること無しでは生まれなかったと聞いたことがあります。
江頭さんの作品に登場する「子ども」も、誰かをモデルにして描かれたものなのでしょうか?
『あめふりさんぽ』の主人公の女の子は特に、こちらのお嬢さんにそっくりですね。
江頭さん:林明子さんの絵は大好きです。モデルがいらしたんですねえ。
私もやっぱり自分の子どもや、身近にいる誰かをモデルにしたり参考にして描くことが多いです。
(②へ続く)