図書館資料の絵本を活用した〝発展的“授業への取り組み


国語の授業をきっかけに「落語」に親しむ子供たち (現場レポート/東條)



201465日(木)

・会場:荒川区立第一日暮里小学校(平成242526年度 日本学校図書館学会研究推進校)

・研究授業:〈難波真由美教諭 国語科「落語 じゅげむ」/4年生クラス〉

・ゲスト:押上武文氏(日本学校図書館学会顧問)、小川哲男氏(昭和女子大学教授)、松本忠史氏(日本学校図書館学会事務局長)、『この本読んで!』編集部の皆さま、東條知美(絵本コーディネーター)

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公私ともに学校図書館という現場に深く関わりながら、「子どもと本」「子どもと図書館」「図書館と教育」について考え続けておりましたところ、この度ありがたいご縁をいただき、上記授業研究会に参加させていただける運びとなりました。

 

荒川区立第一日暮里小学校小学校については、読書活動や図書館活用がたいへんさかんに行われており全国からの視察も多い学校であるとのうわさは以前から聞いておりました。

そんな中、偶然にも絵本コーディネーターの活動中に出会った方から、こちらの校長先生・図書館司書の相澤さん・ブックボランティアグループの方々にお会いする機会をいただけることとなりました。

 
実際に子どもたちがどのような環境下で本に親しみ、「読む力」から「書く力」へと成長を遂げているのかじっくりとお話を伺い、校舎中をご案内いただく機会に恵まれたのが先月のこと。


この時の驚きと興奮はあまりに大きく、(よってなかなかレポートをまとめきれないまま)学校図書館司書の仲間や勤務先の講師の方々などに、この日感じたことを熱っぽく語るという日々を過ごしておりました。


こちらの荒川区立第一日暮里小学校は、10年近くに渡る読書・調べ学習の取り組みが高く評価され、平成242526年度 日本学校図書館学会研究推進校に指定されています。


今回は〈学校図書館の資料(絵本)をつかった 国語の研究授業〉が行われます。

この「図書館資料を活用すると、授業はどう変わるか?」をテーマとした研究授業について「外部の人からもぜひ感想をもらいたい」とのご要望をいただいたことから、
(僭越ながら)東條も初めて公立小学校の「研究授業」に参加させていただけることとなりました。

 
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見せていただいたのは4年生の国語の授業。

単元名は〈落語に親しもうー「落語 じゅげむ」-〉(三省堂)※教科書に「じゅげむ」が掲載されています。

先週から取り組みが始まったというこちらの単元。

いただきました指導案(担当:難波教諭)のレジュメから、授業の流れを簡単にご紹介します。(割愛有り。ご了承ください。)

尚、学校図書館の本を活用した場面には(☆図書館資料)と付け加えさせていただきました。

 

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【研究授業当日までの取り組み】


教科書に掲載の「じゅげむ」〈落語〉について、

 ①読み聞かせ、視聴覚教材(☆図書館資料)をつかっての落語鑑賞

 ②児童自身による音読練習

 ③「おもしろかったところ」を紹介する文を書く

 ④互いの紹介文を読み合う

上記(①~④)の内容の学習を経て、今週に入ってからは「他の落語にも親しむ」学習(⑤~⑧)への取り組みが始まりました。

 

⑤当教諭と図書館司書が選定した落語を題材にした絵本(☆図書館資料)を中心に、担当教諭によるブックトーク(本の紹介)を聞く

⑥児童による落語絵本の読書

⑦ブックボランティアによる(落語絵本)ストーリーテリングを聞く

⑧これまでに読んだ本の中から自分の気に入ったものを選ぶ(☆図書館資料


以上が、このクラスで研究授業当日前までに行われた学習内容です。


(教室前の廊下には、古典芸能をテーマにした図書を集めたコーナーも。)

 

【研究授業当日(6/5)の取り組み】

6/5に私が見せていただいたのは、以下の内容。

 

◆児童自身による「じゅげむ」(教科書掲載)の音読発表


◆並行読書した本の中から選んだ「気に入った落語の本」について、おもしろさを紹介する文を書く(☆図書館資料)※「じゅげむ」で書いたものを振り返りながら。


◆紹介文について、他の児童の書き方や視点に触れる


◆自分の気に入った話を(本の場面を見せながら)紹介し合い、感想を話し合う(☆図書館資料



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