残念ながらここでお時間となりましたので、インタビューはここまで。



インタビューで取り上げた『ミシンのうた』(講談社)は、文章も絵もこみねゆらさんによるものです。



最初に読んだときに、「やさしさ」と「可憐さ」、そしてそれ以上に「哀しみ」や「儚さ」、「こわさ」の感情が押し寄せてくるような気がしました。

もしかしたら私自身が「夢見る場所」からいつの間にか遠ざかっていて、そのことに、どこかで気づいていたからかもしれません。


ラストシーンの解釈は読者各々によって違ってくるでしょう。
大人の絵本の面白さは、ここにあります。

『ミシンのうた』は、

美しいものが好きなあなたと、「はらっぱでお花を摘んだあの頃からずいぶん遠くにきてしまったな…」と感じている大人の女性にお薦めしたい一冊です。

  


こみねゆらさん、貴重なお話をありがとうございました!

 

 

 

・☆・☆こみねゆらさんの絵本☆・☆・

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こみねゆらさんのこれまでの絵本から、いくつかご紹介します。


☆『花びら姫とねこ魔女』朽木祥 文 / こみねゆら 絵
(小学館  2013 10月発行)

 

昔々、あるところにとても美しくて気まぐれなお姫さまがいました。何でも特別でなくては嫌というお姫さま。ある日城に住む妖精たちの怒りをかい、呪いをかけられてしまいました。

「自分にとって特別なこと」とは何なのかという普遍的テーマを描く物語絵本。

 




☆『トリッポンとおばけ』 萩尾望都 作 / こみねゆら 絵

(教育画劇  20073月発行)

 

おばけがトリッポンの部屋の窓を、とんとんたたいてさそいにきました。「星つりに行こうよ」〈夜の湖で星を釣る〉幻想世界がうつくしく描かれます。装丁の美しさもためいきもの!

 

 



☆『月の貝』名木田恵子 文 / こみねゆら 絵

(佼成出版 2013 2月発行)

えなは、東日本大震災の津波で大好きなお母さんを失ってしまいます。
何で助けられなかったのか、何で自分が生き残ってしまったのか、小さな胸で日々葛藤をくり返していたある日、目の前に不思議な少年が現れて……。



 



☆『ともだちできたよ』内田麟太郎 文 / こみねゆら 絵

(文研出版 20129月発行)

友だちが欲しいうさぎは、「おれと友だちにならないか」という手紙をもらいますが、名前が消えて読めません。
りすでもないし、きつねでもありません。雨が降ってきて、かっぱがかさをさしてくれました。
手紙はかっぱからでした

 





☆『あそびましょ』いしいむつみ 文 / こみねゆら 絵  

(アリス館  20118月発行)

 

登場人物「わたし」と「あやこ」の、あたたかく優しい関係。

姉妹?と思わせ実は・・・という、ちょっと不思議なショートショートのような物語。

 





☆『ふゆねこ』 かんのゆうこ 文 / こみねゆら 絵  

(講談社  201011月発行)

 

おかあさんを亡くしたちさとの元にやってきた雪のように真っ白い猫。

猫はちさとのお母さんから頼まれごとをしたと言い

 

文章家かんのゆうこさんへのインタビュー記事はコチラ


絵本『ふゆねこ』についても語っていただいております。ぜひどうぞ。

 

 

絵本コーディネーター東條知美