(もう1名、クリエイターの方からのご質問をいただきました。)



絵本作家の山田花菜さん :いま二人目の(妊娠7か月の)子どもがお腹におります。皆さん創作をされる方ということで・・子どもへのメッセージをいただけますか。()



西野:チビちゃんに?()



なかえ:(山田さんのお腹に向かって)おーい!



(会場 笑)



山田さん:このお腹の中の子が、先程からこちらのお話をずっと伺いながら面白がっているようで・・すごく動いています。(笑)



東條:では、「これからの子どもたちへ向けたメッセージ」をいただくことにしましょうか。



山田さん:はい、お願いします!



西浦:「夢を持て!」みたいなのは当然だと思うんですけど・・なんかまあ、いやらしい話ですが、「生活力を存分に教え込んだ上で選択肢をたくさん分け与える」っていうのはアリなんじゃないかなと思います。

ただ「夢を持て」だけではなんにも進まない気がしているんで。現実をきちんと見せた上で、夢をみせてあげることが大事なんじゃないかな・・と、自分を省みて思っている今日この頃でございます。はい。



なかえ:「子どもは親の背中をみて育つ」っていいますよね。だから、親がいい本を読んでいい考えを持っていれば、子どもは放っておいても良い人間になりますよね。だから、親しだい。



西野:行動して「背中で見せろ」ってことですよね。



西浦:プレッシャーですね!()



(会場 笑)



西野:僕、好きな話があるんです。ちょっと長くなりますが。

例えば・・ペンを持って仕事をしていて「ウーン」と伸びをした時に、机にペンを(置いたはずなのに)・・・あれ?ペンはどこへ行った?ってことがあるじゃないですか。引き出しの中にもどこにもない。確かにここに置いたはずなのに、どこを探してもない時ってあるじゃないですか。それで仕方ないから諦めて他のことをしようとした瞬間に・・やっぱり目の前にあったソレがみつかる、みたいなこと。

あのメカニズムってちゃんと解明されてて。「自分の探しているものが、まさかここにはないだろう」と思い込んじゃった瞬間から、自分の脳が、(ソレを)見えなくしちゃってるんですって。

どんだけ目の中に入ってても、脳みそが「こんなとこにあるはずがない」と思い込んだ瞬間に(ソレは)フッと消えるんですって。

いま僕の横になかえ先生がいらっしゃいますけど、もし今ここで「なかえ先生は居ない」と思い込めたら・・先生がフッと(視界から)消えちゃう。

想像妊娠なんかもきっとそうですよね。ちょっと思い当たるふしがあって、思い込んで・・ってなった瞬間に、いわゆる妊婦と同じような症状が出てきてしまう。

要は、思い込んで思い込んで思い込んだら、思った通りになるってことです。

「空飛べる」ってもしも本気で思い込んだら、飛べる。勘違いした奴が勝ちなんです。勘違いって、狙いに行ってもできないじゃないですか、どうしても。例えば(実際に見えてるのに)「ここにはペンが無い」なんて。「空飛べる」って勘違いはしようとしても、できない。

じゃあ、勘違いできるためにはどうしたらいいかっていうと、やっぱり努力するしかない。「俺はこんだけやって、こんだけやって汗かいたんだから、絶対にホームラン打てる!」って思い込んだらホームランを打てる。なんもせんことには「ホームラン打てる」なんて思えないですから・・

つまるところ、「汗かけよ!」っていう話ですね。チビちゃんに向けてっていうか、みなさんにもだと思うんですけど。やっぱり「汗かいてください」ってことだと思います。

汗かいて、かいて、かききったら・・多分勘違いして、コトがうまく行くんじゃないかなぁって。いや、これは僕の経験なんですけど。だから僕は、今まで勘違いできなかった時っていうのは、あまりいい結果が生まれなかったんですよ。その程度の努力しかできていなかったっていうことだと思うんです。

「汗かいてください!」ということですね。



山田さん:はい、皆さんありがとうございます!



東條:三人三様のメッセージをいただけましたね。



なかえ:(山田さんの方を指さす。)・・・まさかそれ、想像妊娠じゃないでしょうね?



(会場 笑)



西野:こんだけ熱く語った後で、「これは想像妊娠」ってのはやめてくださいよ!()



(会場 笑)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



東條:それでは、最後におひとりずつ・・「これから作りたいもの」、「これからの夢」などございましたらお聞かせ願えますか?



西野:僕は・・・これ、僕が最初に答えますね!最後にまわるのはイヤですから。()

絵本に特化して言うのであれば・・これまでの3冊は好き勝手やらせてもらったんです。(今制作中の)4冊目も。「自分がコレやりたくて仕方ない」ってものを。でもね、どっかのタイミングでね、『ねずみくんのチョッキ』みたいに・・チビちゃんから大人までみんなの知ってるものを、これは・・作りたいなあと思っています。みーんなに知ってもらえるものを、作りたいです。



(会場 拍手)



西浦:夢ですか・・そうですね、僕、明日の生活も若干不安なんですけど・・・。



(会場 笑)



西浦:もちろん「自分が好きなことをやりつつ、他人からの評価も受けたい」っていうのが本音ではあるので。あとはなんかこう・・なんでしょうね・・まあ、マイホームを小田急沿線あたりに建てる、みたいな人生を目指して・・・結婚願望はあるので、そうして子どもを育てていきたいなぁってのはありますね。全くなんの話をしてるのか訳がわからないですけど。もう、どうぞどうぞ、なかえ先生の方へ(ご質問を)。()



(会場 笑)



なかえ:「これから」っていうのは、「これから」がある人が思うわけなんですよ。



西野:先生、何を言われるんですか。()

(会場 笑)



なかえ:昔は「いつか」なんて言ってたけれど、その「いつか」が今なんですよ。最近では、同年代の人がバタバタと死んじゃって・・・



西野:先生、さんざんお話しされて最後に「おれはもうオワリだ・・」みたいなんは、やめてくださいよ!()

(会場 笑)



なかえ:だから、これからやりたいのは・・この間自費で出した『Empty』の続編を作ろうかなと思っています。



西野・西浦:ほぉーっ!



東條:これからの皆さんのご活躍がますます楽しみです。

なかえ先生、西野さん、西浦さん、本日は本当にありがとうございました!



(会場 拍手)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〈鼎談終了〉


『僕らの絵本』



『僕らの絵本』