僕俺株式会社 お笑い広報です。


人っていつだって変われる。

これは親戚のおっちゃんの話。

親戚のおっちゃんとは、おかんの兄貴のこと。

おかんのことえげつないほど大事にしてくれるええ兄貴やね。

そんなおっちゃんも昔は散髪屋でなかなかの腕の持ち主やった。

店が立ち退きせなあかんようになり、店を閉じてからも高級なハサミを持ってはわしの散髪をよくしてくれたもんや。

ただそんなええおっちゃんも家庭がうまくいっておらず、娘二人も母親の見方になってもうて、一緒に住んではいるものの顔すら合わせなければ、会話にない嫌な関係になってからもう十年以上もなるんやないかな?

おっちゃんだけはよくきてくれるけど、娘らや嫁はんにはもうわしが中学やそこらで会ったきりかもしれん。

離婚するわけでもなく、なんだかだらだらした悪循環な生活をずっと続けてる。

もちろんそんな関係で修復できるわけでもなく、おっちゃんに女ができたんや。

ま、女ゆうてもおっちゃんより何歳か下くらいのおばちゃんらしいが、楽しそうな関係みたいやね。

いつものように高級なハサミを持ってきたおっちゃんはもう別人くらいにファッションセンスがかわってきとる。

なんやら皮のジャケットに毛糸の帽子、サングラスに若い腕時計をしてる腕には、ベッカムか誰かが流行らしたような白いゴムのバンドみたいなんまでしてきてる。

なんやら新しいおばちゃんにいろいろ買ってもろたらしい。

だいたいおっちゃんはちょっと変わってるがまじめないい人で、そんな浮気なんぞするタイプでもない。

ま、実際は他に数人そんなこともあったが、ファッションセンスまで変わるとはたいしたもんや。

やっぱり人はいつだって変われると思った。

散髪屋を閉めてからとゆうもの、自動車事故に遭い、加害者に支払い命令が出たにもかかわらず、そいつに支払い能力がないとかなんとかで、働くことすらままならず、やっと職探しに行っても年齢的にはもうそれこそきつい仕事しかあらへん。

なんとか警備員の安い給料の仕事を見つけ、まじめに働いてるおっちゃんやったから、この変わりようはえげつなかった。

おっちゃんもやっぱり嬉しそうやった。

やっぱりいろいろ苦労してきたひとやから、嬉しそうに笑ってる姿を見たらわしらも嬉しいし、おかんもやっぱり喜んでた。

ニューおっちゃんの全身見慣れないファッションセンスのまま高級ハサミを取り出し、わしの散髪の用意にはいった。

散髪の最中、無言はきついと思い、さっそく新しい女の話がはじまった。

話し出したら止まらないおっちゃんを鏡越しに見ながら、おばちゃんの話を聞く。

どんな人なのか、家庭環境やどこで出会ったかなど、いろんな話をしてくれた。

もうかなり愛されてるとゆうのが嫌とゆうほど伝わってきて、そろそろ話題を変えようと思っても、またそのおばちゃんの話に戻る。

時間にして30分くらいかな?

永遠と女の話を聞かされ、確かにわしも嬉しいのは嬉しいんやが、ちょっと話がな長すぎると思った。

ハサミを置いたので髪の毛を払い、鏡を見たら頭右半分どないかなっとる。

よう見たら、長さが明らかに違うねん!


おっちゃん、女の話に夢中でわしの頭右半分パッツパツに切り落としよった。



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