甲状腺の扁平上皮癌 -11ページ目
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入院3日目-胃ろうの手術

616日(木)

今日は胃ろうの手術の日。


いつものように妹と一緒に入院生活に足りない物を買出しする。

 爪きり、耳かき、魚の目取り←家から持ってくる

 お風呂用のバッグ

 お見舞い用の折りたたみ椅子←結局自分が座る用になる

 胃ろうの器具を洗浄する為のスポンジと食器洗い用洗剤

 胃ろうの器具を消毒する為の大きめタッパーとミルトン

などなど


お風呂用のバッグはどういう用途かいまいち分からなかったのでもう一度聞いてみる。

風呂に行くときに持って行くものを全部入れたいみたい。かごに入れたりは嫌みたいなので、大き目のビニールのバッグを探そう。


昨日のよりも見やすいカレンダーをプリントしたので渡す。

前のに予定が書かれていた。今日の胃ろう手術と月曜のカテーテル。

やっぱりカレンダーが無いと何がいつあるのか分からない。


昼に来てくださいと言われたので12時に行き、売店でご飯を買って母の前では食べないように談話室で食べる。480円の焼肉弁当なのに肉が1枚しか入ってない。でも煮物など、野菜がたくさん入っていたのでそれを食べる。

母は昨日の夜食べてから食事も水分も取っていないのでお腹が空いたと何度も言っていた。

なかなか先生が来なくて呼ばれたのは14時前。

気の短い母が少しいらいらと待っているのを、のんびりのんびりと諌める。


先生の話をまとめると

 正式名は内視鏡的胃ろう増設術

 内視鏡を使って胃の中を見ながらお腹にぶすっと針を指す(見せられたビデオから)

 大きく4つの危険性(痛み、出血、感染症、針に胃以外の物が挟まる)

 痛みは3日ほどでおさまる。痛いときは痛み止めを用意する。

 稀に針を刺した時に胃に到達する前に、腸などが挟まる事がある←めったにない


うちの母の場合、食道が大分狭まっているので、内視鏡が通らないかもしれないと前から言われていた。通らない場合、胃ろう増設は出来ないので、口で食事が出来なくなったら点滴で栄養をとらなければいけなくなる。


15時過ぎに呼ばれて手術室へ。

45分程待って終了。

無事に胃ろう増設できました。


手術は麻酔で気づかないうちに終わったみたいだけど

麻酔が切れるとやはり痛いみたい。

痛み止めをもらって点滴してもらう。


明日は来なくていいよと言われながら病院を後にした。

入院2日目

6月15日(水)
15時ころ病室へ行くと母の姿が見えなかった。
お客さんかなと思い談話室をのぞいてみると、いとこ兄弟がお見舞いに来ていた。


り災証明の話など震災の影響はまだまだ残っている。
病院の中も壁はひびだらけで、ガムテープで補修してあるだけ。
7階の食堂や図書室も被害が大きくて使えないみたいで、完全復旧にはまだ時間がかかりそう。


いとこ兄弟が花を持ってきてくれていた。
母は花や植物が好きで、家の中にも至る所に鉢植えがおいてある。
病室を花だらけにすることはできないが、母が帰ってくるまで家の植物たちは守らなきゃなと思う。


リクエストされた物や家から持ってきた物を渡していく。
・ラジオ
・イヤホン
・イヤホンの延長ケーブル
・単三のエネループ
・しょうゆ
・手回し式の懐中電灯
などなど
病院の食事は味が無いらしく(薄い?)醤油が必需品みたい。
昨日も少し大きな地震があったので、懐中電灯を手元にひとつ。


談話室の窓からうちのマンションが見える。
ほんの豆粒だけど、病院から見えるということは、家からも見えるのだろう。


明日は胃ろうの手術を受ける。
抗がん剤治療で口から食事が出来なくなったときに、胃から食事を入れる為の穴。
自分で管理して、食事も自分で入れることに母は驚いていた。
入院している祖父も胃ろうをしているのだが、祖父の場合は病院の方がやってくれていたらしい。
年齢もあると思うが、皆できるようになりますよと看護師さんは言うのですぐできるようになるのだろう。


作ってきたカレンダーは日にちの表示が小さくて読みづらいのでやりなおし。
そりゃそうだ。
早く検査や手術の予定が書けるようにまた作らなきゃ。

母の入院

6月14日(火)
母が入院した。


病名は甲状腺扁平上皮癌。
とても珍しい癌で甲状腺癌のなかでも1%にもみたない。
ネットで情報を調べてみても殆ど出てこなかった。


こうやって情報を調べる人がでてきたときに少しでも参考になればと思うのと
自分のもやもやした気持ちを出来るだけ言葉にする為にこのブログを書こうと思う。


10時に病院へ行く。
少し待たされて、病室へ案内される。
病院の中は結構暑く、ちょっと動くだけでじんわり汗がでるぐらい。


先生の話をまとめる(一部もらった資料からの書き写し)


病名 甲状腺癌 扁平上皮癌
頚部リンパ節転移 無し
ステージⅣ
他の部位への転移は無い。


まずは甲状腺の場所の説明。
続いて扁平上皮癌の説明。
他の部位では扁平上皮癌はオーソドックスな癌。
もともと、甲状腺には扁平上皮はなく、何かの要因でできるもの←原因は分からない
甲状腺癌の中でも1%にみたない珍しい癌で、この病院でもここ数年で1例しかなかった。
未分化癌と同じぐらい悪質性の高い進行癌。
とびやすい←こういう表現を使っていたが、他の部分に転移しやすいとのこと。
浸潤性が高く、食堂の大部分を圧迫している。


ここで喉の写真を見せてもらう。
食堂が甲状腺によって浸潤されつぶされている。
ここ最近、食事が喉を通りにくかったのはこれが原因だと分かる。


治療は3つの方法がある

①手術 咽喉食摘+避離空腸?
②放射線
③抗がん剤


手術は10時間ぐらいの大手術になる。
のどの大部分をとってしまい、息を吸う場所と食事をする場所を別に作る。
ようするに口から食事も息を吸うこともできないみたい。
言ってはなかったが手術後のQOLの低下もあると思う。
転移性が高いので他の部位と一緒に放射線治療をするのが良いのではないかと。


抗がん剤は放射線を聞きやすくする為の治療。
この治療を行うことによって通常では8パーセント程controllできる率があがるらしい。
甲状腺扁平上皮癌では症例が少なく、どれぐらいの効果があるかは不明。


通常の抗がん剤治療は
・CDDP(シスプラチン)を使うのがgold standard←要は一般的という意味?


今回の場合は
・CDDP
・DOC(ドセタキセル)
・5-FU
の3種類の抗がん剤併用で行う


とても副作用が強く、近くの大学病院では5%の死亡率がある←副作用による死亡率

いちばん大事なことは放射線治療をしっかりやりきること。
その為のサポートを万全に抗がん剤治療に望む。


副作用としては
・粘膜炎→経口摂取不可になる
・粘膜炎→感染→敗血症(生命に関わる)
・骨髄抑制→白血球が少なくなる
・腎不全→透析になることも
・皮膚炎→局所処置を行う(軟膏を塗ったり)
・○○障害?→下痢

抗がん剤と体の相性が合わないとなる、
DOCの副作用の肺障害が一番生命に関わる副作用。
治療してみないとどうなるか分からない。


放射線治療は週5回を7週間ほど行う(35回ぐらい)。
何度も放射線治療は行えないのでこれがワンチャンス。


治療による効果は
腫瘍の縮小、消失が期待できると紙に書いてある。
直す為にやると先生は言ってくれた。


以上先生の話。


母は説明を聞きながら泣いていた。
そんな母を横目で見ながら手をかけてやることもできなかった。


とても強い副作用を怖がりながらも
治る可能性があることがひとつの希望だった。


まず2ヶ月半・8月一杯まで。
どれだけ辛くてもがんばって、癌を治そうと誓った。


病院を後にして母の実家へ。
これから長期間いろいろとお世話になるので挨拶に。
母のこと、入院している祖父のこと、お見舞いにいくならいつが良いか。
連絡先を交換する←普段母が連絡を取ってるから連絡さきすら知らなかった


家に戻り、1人の食事。
ふと窓の外を見ると月が明るく輝いている。
いろいろやらなきゃいけない事があるけど、もやもやした頭があまり物を考えられない。
明日、母の元に持っていくカレンダーを作らなきゃ。

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