今回選んだ本は、森裕喜子さんの


『スピーチプレゼンは

まず3秒黙りなさい』


最近人前で話す機会が増えてきました。

何度やっても慣れないもので、毎回、出番が近づくとドキドキと心臓の音が聞こえてきます。


この本には

「人前で堂々と話せるようになる伝え方の技術」

が書かれているそうです。


では早速…

 

 



まずは、このタイトル。

『3秒の沈黙』

この時間を待つことで、話し手は聞き手の顔を見ることができるし、聞き手は一瞬、話し手に惹きつけられます。

これから何を聞けるのか、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。期待が高まる瞬間です。


ステージに立ってすぐに話し出さず、

ちょっと待ってみる。


1、2、3…「長すぎるかな」と思う程度。


そして自身の呼吸が落ち着き、聞き手の期待やその場の雰囲気を感じられたら、ゆっくりと話し出してみましょう。

ということだそうです。


タイトルの話はこれくらいですが、

この本には人前で話すコツが色々書かれています。

皆さんにも、役に立つことあると思います


では、見ていきましょう。


第1章。

「なぜ、あなたの話は聞いてもらえないのか

『うまく話す』よりも大切なことがある」です。


「人前で話すことが苦手」という人はいますか?

いますよね!?

「何を話していいか分からない」たいていの人がこう言いますよね。


でも、これはとんでもない勘違いなんです。

 「何を話すか」てはなく、「どう話すか」です。


「人前で話すのが苦手」というのは思い込み。

誰かに「下手だ」って言われたことがありますか?


「できない」のではなく「やってこなかった」だけ。


「やってこなかったから、できない」も「思い込み」

「できないなら、やってみましょう」


「まずは、声を出すこと」

「顔を見せること」

そして

「自分の話したいこと」より

「相手の聞きたいこと」


プレゼンのお手本として、スティーブ・ジョブズが取り上げられますが、「上手に話すこと」がゴールではない。

必要なのは、「この商品は間違いなく満足と幸せをもたらしてくれる」という感動。

ジョブズのプレゼンはまさに聞き手を感動させるもの。


アリストテレスの聞き手を説得するスピーチの条件

・筋道のたった論理

・聞き手の心を揺さぶる情熱

・聞き手の信頼を勝ち得ること


上手に話すことは、多くの話し手が陥りやすい罠なのだそうです。

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第1章の最後に、『コーラスライン』というミュージカルを紹介して、筆者である森さんはこう話します。


「自分を信じていまの自分から一歩前に出る勇気、それが伝える技術を育てる」と。

〜コーラスラインを越える〜




第2章では、「ドキドキ」を「ワクワク」に変える方法が書かれています。

あのスピーチ前の「ドキドキ」😂

これが、「ワクワク」に変わる?????


「ドキドキ」は、未知に対する不安、恐怖

「ワクワク」は、未知に対する期待


話し手は、恥をかきたくないと思う。

しかし、聞き手にとって大切なのは、話し手の精神状態ではなく、話し手が提供する『ファクト』


つまり、聞き手は、話し手が上手でも下手でも、意外と気にしていないのです


そして恥をかきたくないなら練習を一生懸命に集中してやることだと。

2、3回の練習ではなく、2、30回はしなさいと。

本番で100%出したいなら、120%の準備が必要だと。

120%の準備とはノイズを取り除くことだそうです。会場のチェックや服装のチェック、内容の確認など不安要素を取り除く『場作り』が必要だと森さんは言います。


そして、準備とは、その結果よりも、

「どれだけ一生懸命にやったか」にかかっています。

準備ができているかは、必ず聞き手にわかってしまいます。

一生懸命に準備し伝える、その『誠意』が大切だと言います。


本の中では、武田鉄矢が先輩に言われた言葉が紹介されています

「お前の歌なんてはじめから下手なんだから、お客は誰も期待していない。だからうまく歌おうなんて考えるな。できることは、とにかく一生懸命に歌うこと。お客が見たいのはお前が必死に歌っているところだけなんだ。」

一生懸命に歌う誠意、それでお客さまに伝わるものがあると。


では、

実際に「ドキドキ」を「ワクワク」に変えるにはどうしたらいいのか?


『緊張を楽しむコツ』ということで7つ紹介されています。



①緊張した自分を受容する


②息をしっかりと吐く


③聞き手にあなたの顔をしっかりと見せる


④目線は、まっすぐ前に向ける


⑤すぐに話し出さない。3から5秒の沈黙


⑥話す直前に、一歩前に出る


⑦第一声をしっかり出す



そして、第1章にもある通り、

スピーチは話す内容よりも先に考えることがある

「聞き手」だと繰り返します。


属性、聞き手はどんな人たちなのか

欲求、聞き手は何を求めているのか

目的、聞き手はどんな影響(インパクト)を受けたいと思っているのか。


「孫子」の「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」ですね。


会場では、次のことを意識することも大切だそうです。そうしなければ、「話し手と聞き手のコミュニケーションが取れなくなってしまう」と。


・自分の声は会場のどのあたりまで届いているだろうか

・自分の手の動きはどのように見えているだろうか

・自分がイメージしているように体は動いているだろうか


こういった感覚を無視してしまうと、人は鈍感になっていきます。


最近、イヤホンをずっと着けている人がいますが、その行動もこういった感覚を鈍くするんだそうです。


身体的なトレーニング法も紹介されてます。


体操をしましょう!

顔は梅干し顔とユルユル顔を4秒4回

肩甲骨をほぐす、骨盤を整える


良い姿勢で立ち、深く呼吸をしましょう!

姿勢は足を肩幅、視線はまっすぐ、丹田を引き締めてゆっくりと深い呼吸、腹式呼吸、発声は大きなあくびの口ではぁーとため息


緊張して声が出ないのは呼吸が充分にできてないから。特に吸うより吐く息が少なくなっているから。吐くことができたら、深く呼吸ができるようになるそうです。


第3章では、聞き手に思いを伝える方法が書かれています。

どうすればよいのか?

『三つの輪』をうまく使うことだと言います。

『1の輪』自分だけ世界の話

「2の輪」一対一で話しかける

「3の輪」大勢に話しかける


この3つの輪を行ったり来たりしながら話すのが良いそうです。

書籍の92ページ目に例題が掲載されていますよ。


あとは、、聞き手に伝わる話は3つまでに絞るという話や、話す「型」を見につけておくという話が出てきます。

「型」の話では、最後に結論を言う「水戸黄門型」は会社の歴史などエピソードを話すのに良いし、

「古畑任三郎型」は、結論が先に出てくるので、スピーチプレゼンに良いといった話ですね。


このようにいくら準備をして、練習を積んでも本番となると誰でも予想以上に緊張するものです。

緊張するということは自分のやる気エンジンがかかっている証拠。緊張することは悪いことではない。


こういうときは、

まずはいきなりパワー全開にしないことが大切。


いきなり本題に入らず、まずは自分の気持ちや状態をゆっくりと話すことから始めるのがいいとのこと。




「みなさんこんにちは。お久しぶりです。


今日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。


こうして大勢の皆さんを前にしますと、やはり気持ちは緊張するもんですね。


さて、今日は大切なお話をしようと思い、一週間前から準備をしてきました。


どんなお話だろうと期待されているかもしれません。


では、本題に入らせていただきますね。」





共感の大切さも書かれています。3つの共感があるそうです。

ゼロの共感、共通点

マイナスの共感、失敗談

プラスの共感、あこがれ


また、スピーチ原稿の書き方テクニックも紹介してくれてます。


①話し言葉で書きましょう

②重要な言葉や固有名詞には、「 」をつけましょう。スピーチにメリハリがでます。

③大切な言葉にはマーカーで意識を集中させましょう。

④改行して見やすく

⑤『間』を作るところには、「━」をつけましょう。間は、自分が思っているより長く取りましょう。


第4章は、「伝える力」を高める11のポイントが書かれています。

気になったところを少し紹介しますね。


「目線の使い分けに意味をもたせる」

常時使う『8の字目線』と、

強調したい言葉を発したら一瞬呼吸を止め一箇所を数秒見つめる『キメ目線』

ビジョンや夢、希望を語るときにステージ中央で正面を向き、自分の目の高さより少し上を見る『神様目線』です。


「手のひらの表情を使う」

・指し示す:指先を揃えた手でその方向を指す

・数える:ポイントは3つありますと言って指を3本立てる

・強調する:拳を力強くぐっと握る

・想像させる:腕を拡げて大きさを示す、思いをふくらませる


「間」と「キレ」

大事な言葉の前後の1秒ほどの「間」と、「語尾のキレ」です。


「言葉のヒゲを剃る」

「え〜」とか、「あの〜」とかいう口癖ですね。これを意識してやめないといけないですよね。


最後の第5章では、

成功するリーダーのコミュニケーション力と題して、具体事例を用いてわかりやすく紹介してくれてます。


鬼平犯科帳の長谷川平蔵の話し方は理想の上司

・低めでゆっくりな声

・あまり抑揚をつけず、間の取り方が絶妙

・普段はあたたかいがいざというときの鋭く大きく見開かれる目線

・深い呼吸

・堂々としているが、決して威張り散らすことのない立ち居振る舞い


声は、「大きめ」「低め」「ゆっくりめ」がリーダーにふさわしい声です。


本書では小泉首相も紹介しています。

「短い」「声が大きい」「大きめのジェスチャー」

2001年の大相撲夏場所、その時、優勝杯を手渡した際の一言は印象的でしてたよね。

「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」


また、

「〜と思う」ではリーダーシップは発揮できない。

リーダーならしっかりと言い切りましょう!


森さんはこう繰り返してこの本は締めくくられます。


人前で話すということは、新しい人生の一歩を踏み出すための「覚悟」を決める瞬間でもあります。

そのために必要なのは、ほんの少しの「勇気」と「自分を信じる力」だけ。


それは生きる力のことなのです。


最後に、森さんの好きな言葉を紹介されていました。

イギリスの元首相マーガレット・サッチャーが生涯心に留めていたという言葉だそうです。




気をつけなさい。

考えが言葉となる。

言葉は、行動になる。

行動が、習慣になる。


習慣は、やがてあなたらしさになり

それが、運命を作る。

人というものは、

自分の考えるように成って行くものだ。


今回も長々と書いちゃいましたが、
実践できることがたくさんあった気がします。

是非試して、一緒に素敵なプレゼンターになりましょう!?
次回は、少し趣向を変えた本を読んでますよ😁