ゲームのキャラで「トトリ」という名の女の子がいるらしいことを知った。

わたしの「トトリ」という名は、この可愛い女の子キャラの影響ではないことをここに明言しておきたい。

（そんなおこがましい理由なわけない）

わたしの旧姓に「鳥」の字がつく。

単にそこからの連想。

鳥取さん→トトリさん

みたいなこと。

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これまでのいきさつ：

トコジラミと戦うトトリ。

トコジラミ経験者・カズキさんの話を聞き、「コーキング剤で隙間を埋めてしまえ作戦」に乗り出すことに。

隙間に潜むトコジラミを、隙間に封じ込めるのだ！

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「コーキング剤」は、内コークと外コークという種類に分かれているようだ。

壁紙を貼る前に使うか、壁紙の上に使うかの違いのようだけど……

隙間を埋める目的の場合は、どちらを使うのが適切だろう？

３秒考えたけど、「良く分からないからどっちでもいいや」という結論に至った。

おそらく見栄えや仕上がりに影響するのだろうけど、もはやそんな事はどうでも良いのだ。

とりあえず、透明の内コークと白色の外コークを買った。

帰宅して、早速作業すべくマットレスをどかせたりドタバタしていると、

「何してるの？」

と、夫が寝室に顔をのぞかせた。

コーキング剤でベッドの隙間を埋めるのだと告げると、夫が驚いた顔をした。

「隙間って……え、つなぎ目を埋める気？　大丈夫？　くっついて解体できなくならない？」

このベッドは、パーツに分かれた状態で部屋に運び入れられ、家具屋さんが部屋の中で組み立ててくれたものだ。

組み立てられているパーツ同士の隙間をコーキング剤で埋めてしまったら、くっついて解体できなくなるかもしれない。

しかし、それが何だ！

ベッドが解体できるかどうかなんてことより、隙間にトコジラミを封じ込められるかどうかの方がずっと重要な問題だ。

「大丈夫、大丈夫」

何がどう大丈夫なのか分からない言葉を繰り返し、夫を寝室から追い出すと、わたしは作業を続けたのだった。

「――というワケで、すべての隙間を完璧になくすのは無理でしたけど、だいぶ隙間を減らせたと思います」

「そっか。大変だったね、お疲れ様！」

疎遠だったカズキさんとの縁をつなぎ直してくれたルカさんに現状報告をしていたところ、ルカさんはわたしの労をねぎらってくれた。

そしてその後、こんな言葉を続けた。

「でもさー、解体できなくなっちゃったら、いつかベッドを捨てる時はどうするの？」

……あ。

やれやれ。

追い詰められると、人の判断力って鈍るねぇ。

ベッドを捨てたかったのはわたしなのに。

わたしがベッドを捨てにくくしてしまうとは。

はぁ。

いざとなったら、電動ノコギリでも買ってくるしかないかなぁ。

もー！

トコジラミめー！

トコジラミとの戦いの模様を最初から読むには↓

そそっかしいワケではなく、追い詰められていたからで。