私自身に起きた、死産の記録になります。
似たような症状だからといって、同じ結果になるとは限りません。
妊娠中の方は不安になるかもしれまん。
また、辛い内容が含まれています。
天使ママさんは辛い記憶を呼び起こしてしまうかもしれません。
ご注意願います。
「子宮内胎児死亡」を告げられ、人工誘発分娩の処置に入りました。
陣痛らしき痛みが来たので、分娩室へ移動しました。
振り返り記録、前回の記事
死産までの振り返りまとめはこちら
【7月20日(木)】
【19週3日】
7:30
通常の分娩室は、夫しか立ち会う事が出来ない。
死産となってしまった私を心配した母が、夫以外の家族も立ち会える、有料のLDRの部屋を使用することにした。
Labor=陣痛、Delivery=分娩、Recovery=回復
産後2時間まで利用できる。
LDRの部屋に入ると、それまでの個室より更に広く、大型冷蔵庫、大型のクローゼット、ソファー、ベッドに加えて電子レンジやキッチンまであった。
まるでコンドミニアムの部屋だった。
違うのは、分娩台があるということ。
母と旦那に、分娩室に移動したことを連絡した。
分娩台の上に横になり、ピヨちゃんにプレゼントする産着を抱きしめていた。
ピヨちゃん、もうすぐ会えるからね。
お母さんも頑張るからね。
お腹の痛みが急に強まってきた。
顔がゆがんで、うぅーと声が漏れるようになった。
7:40
診察に呼ばれた。
強い痛みはあったが、診察室まで歩いて行くことは出来た。
診てくれるのはO先生。
ラミナリアは一旦抜くことになった。
O「ごめんね~ちょっと痛いです。」
本当に痛くて足がびくっと反応する。
痛みで声が漏れた。
看護師さんがカーテンの向こうから手を握ってくれる。
3本入れていたので、この痛みが3回続く。
でも「痛い」「早く終わって欲しい」そう思うことすら、ピヨちゃんに対して申し訳ないような気がして、
「もっと痛くなれ!!」
そう心の中で叫んでいた。
O「抜いちゃうと、痛みが一旦引いちゃうかもしれないです。
お母さんはすぐ来れそう?」
私「さっき連絡したんで、もうすぐ来ると思います。」
O「じゃぁ誘発剤の薬を取り寄せますね。」
取り寄せる?
今無いの??
いつ来るの??
不安と疑問が押し寄せてくる。
O「赤ちゃんなんですけど、なるべくきれいな状態で出してあげたいと思いますが、場合によっては出来ないこともありますので。」
私「はい…。」
不安がまた大きくなる。
8:00
分娩室に戻り、分娩台に横になる。
痛みはまだ引かない。
3分間隔で強い痛みが続いていた。
部屋には誰もいない。
母から『今から行くね』と連絡が入る。
これから向かうのか・・・
せっかくLDRにしたのに・・・
ピヨちゃんの産着はずっと傍らに、抱きしめていた。
ピヨちゃん、今まで頑張ってくれてありがとね。
お母さんも頑張るからね。
次の痛みが来る間、お腹を撫でて耐えた。
朝食が配膳された。
痛みでご飯どころではなかったが、これから出産が始まるなら何か食べておかないと…。
ピヨちゃんをちゃんと産んであげないと…。
痛みと痛みの間に、何とか口に運んだ。
すると、今度は血がどんどん出てくるのを感じた。
昼用のナプキンしか持っていなかったので、あっという間に漏れていく。
ナースコールで看護師さんを呼び、ナプキンを交換してもらった。
でもナプキンで間に合う量じゃない。
すぐにまた血が溢れてくる。
今度は2枚重ねでつけるが、もちろんそれでも間に合わない。
8:30
母がようやく到着した。
朝食は、お米とおかずを少し食べる事が出来たので、下げてもらった。
お腹の痛みが少し和らいできたが、その代わり血がどんどん溢れ流れていく。
ナプキンでは使い物にならないので、産後につける予定だったおむつのような産褥パッドをつけた。
母「普通こんなに出血するものですか?」
看「大丈夫ですよ。おしるしみたいなものなので。」
心配する母をよそに、看護師さんはさらりと答える。
産褥パッドをつけたものの、それでも血はどんどん溢れてくる。
母「本当にこれ大丈夫なの?」
私「わかんない…。」
もう一度看護師さんを呼んだ。
看「お腹の張りもはかりましょうか。」
8:50
モニターをつけ、産褥パッドを替えてもらった所で、O先生が入ってきた。
O「痛みはどうですか?」
この頃には、お腹の痛みはだいぶ引いていた。
私「さっきより、少し引いてきました。」
O「これから陣痛誘発剤入れますね。」
誘発剤の準備はすぐに出来たようだ。
いよいよ始まるのか…。
母は一旦外に出て待機することになった。
先生が誘発剤をぐっと膣の奥へ押しこんだ。
これから本格的な陣痛が始まるのか…。
それまでの痛みも、顔がゆがんで声が漏れることはあっても、何とか耐えることができた。
本格的な陣痛は泣き叫ぶ程痛くなるのだろう、と覚悟を決めていた。
O「…んん…?」
先生が顔をしかめる。
何だろう…
上手く入らなかったのかな…
大丈夫かな…
O「いや・・・今、いれたんだけど・・・。」
先生と看護師さんがひそひそ話している。
何が起きているのか。
不安になる。
先生が私の方を向いた。
O「今、誘発剤入れたんですけどね。
赤ちゃん、もう出てきてます。」
え・・・?
O「これから分娩に入ります。」
分娩室の中が騒がしくなった。
ピヨちゃん、
ピヨちゃんのためなら
何でも出来るって思ったよ。
大切な大切な私の赤ちゃん。
命を捨ててでも、守りたかった。
㉜天使の出産へ続く。