私自身に起きた、死産の記録になります。

似たような症状だからといって、同じ結果になるとは限りません。

妊娠中の方は不安になるかもしれまん。

また、辛い内容が含まれています。

天使ママさんは辛い記憶を呼び起こしてしまうかもしれません。

 

ご注意願います。

 

クローバー

 

「子宮内胎児死亡」を告げられ、人工誘発分娩の処置に入りました。

陣痛らしき痛みが来たので、分娩室へ移動しました。

 

振り返り記録、前回の記事

右矢印㉚分娩室へ

 

死産までの振り返りまとめはこちら

右矢印◆◇死産までの振り返り◇◆

 

 

ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ

 

【7月20日(木)】

【19週3日】

 

7:30

 

通常の分娩室は、夫しか立ち会う事が出来ない。

死産となってしまった私を心配した母が、夫以外の家族も立ち会える、有料のLDRの部屋を使用することにした。

 

Labor=陣痛、Delivery=分娩、Recovery=回復

産後2時間まで利用できる。

 

 

LDRの部屋に入ると、それまでの個室より更に広く、大型冷蔵庫、大型のクローゼット、ソファー、ベッドに加えて電子レンジやキッチンまであった。

まるでコンドミニアムの部屋だった。

 

違うのは、分娩台があるということ。

 

 

母と旦那に、分娩室に移動したことを連絡した。

 

分娩台の上に横になり、ピヨちゃんにプレゼントする産着を抱きしめていた。

 

 

ピヨちゃん、もうすぐ会えるからね。

お母さんも頑張るからね。

 

 

お腹の痛みが急に強まってきた。

顔がゆがんで、うぅーと声が漏れるようになった。

 

 

 

7:40

 

診察に呼ばれた。

強い痛みはあったが、診察室まで歩いて行くことは出来た。

 

 

診てくれるのはO先生。

ラミナリアは一旦抜くことになった。

 

 

O「ごめんね~ちょっと痛いです。」

 

 

本当に痛くて足がびくっと反応する。

痛みで声が漏れた。

看護師さんがカーテンの向こうから手を握ってくれる。

 

 

3本入れていたので、この痛みが3回続く。

でも「痛い」「早く終わって欲しい」そう思うことすら、ピヨちゃんに対して申し訳ないような気がして、

 

「もっと痛くなれ!!」

 

そう心の中で叫んでいた。

 

 

O「抜いちゃうと、痛みが一旦引いちゃうかもしれないです。

 お母さんはすぐ来れそう?」

 

「さっき連絡したんで、もうすぐ来ると思います。」

 

O「じゃぁ誘発剤の薬を取り寄せますね。」

 

 

取り寄せる?

今無いの??

いつ来るの??

 

 

不安と疑問が押し寄せてくる。

 

 

O「赤ちゃんなんですけど、なるべくきれいな状態で出してあげたいと思いますが、場合によっては出来ないこともありますので。」

 

「はい…。」

 

 

不安がまた大きくなる。

 

 

 

8:00

 

分娩室に戻り、分娩台に横になる。

痛みはまだ引かない。

3分間隔で強い痛みが続いていた。

 

部屋には誰もいない。

 

母から『今から行くね』と連絡が入る。

 

 

これから向かうのか・・・

せっかくLDRにしたのに・・・

 

 

ピヨちゃんの産着はずっと傍らに、抱きしめていた。

 

 

ピヨちゃん、今まで頑張ってくれてありがとね。

お母さんも頑張るからね。

 

 

次の痛みが来る間、お腹を撫でて耐えた。

 

 

 

朝食が配膳された。

 

痛みでご飯どころではなかったが、これから出産が始まるなら何か食べておかないと…。

 

 

ピヨちゃんをちゃんと産んであげないと…。

 

 

痛みと痛みの間に、何とか口に運んだ。

 

 

すると、今度は血がどんどん出てくるのを感じた。

昼用のナプキンしか持っていなかったので、あっという間に漏れていく。

 

 

ナースコールで看護師さんを呼び、ナプキンを交換してもらった。

でもナプキンで間に合う量じゃない。

すぐにまた血が溢れてくる。

今度は2枚重ねでつけるが、もちろんそれでも間に合わない。

 

 

 

8:30

 

母がようやく到着した。

朝食は、お米とおかずを少し食べる事が出来たので、下げてもらった。

 

 

お腹の痛みが少し和らいできたが、その代わり血がどんどん溢れ流れていく。

ナプキンでは使い物にならないので、産後につける予定だったおむつのような産褥パッドをつけた。

 

 

「普通こんなに出血するものですか?」

 

「大丈夫ですよ。おしるしみたいなものなので。」

 

 

心配する母をよそに、看護師さんはさらりと答える。

 

 

産褥パッドをつけたものの、それでも血はどんどん溢れてくる。

 

 

「本当にこれ大丈夫なの?」

 

「わかんない…。」

 

 

もう一度看護師さんを呼んだ。

 

 

「お腹の張りもはかりましょうか。」

 

 

8:50

 

モニターをつけ、産褥パッドを替えてもらった所で、O先生が入ってきた。

 

 

O「痛みはどうですか?」

 

 

この頃には、お腹の痛みはだいぶ引いていた。

 

 

「さっきより、少し引いてきました。」

 

O「これから陣痛誘発剤入れますね。」

 

 

誘発剤の準備はすぐに出来たようだ。

 

 

いよいよ始まるのか…。

 

 

母は一旦外に出て待機することになった。

 

先生が誘発剤をぐっと膣の奥へ押しこんだ。

 

 

これから本格的な陣痛が始まるのか…。

 

 

それまでの痛みも、顔がゆがんで声が漏れることはあっても、何とか耐えることができた。

本格的な陣痛は泣き叫ぶ程痛くなるのだろう、と覚悟を決めていた。

 

 

O「…んん…?」

 

 

先生が顔をしかめる。

 

 

何だろう…

上手く入らなかったのかな…

大丈夫かな…

 

 

O「いや・・・今、いれたんだけど・・・。」

 

 

先生と看護師さんがひそひそ話している。

 

何が起きているのか。

不安になる。

 

 

先生が私の方を向いた。

 

 

O「今、誘発剤入れたんですけどね。

 

 

 

 

 

赤ちゃん、もう出てきてます。」

 

 

 

 

 

え・・・?

 

 

 

 

 

O「これから分娩に入ります。」

 

 

 

分娩室の中が騒がしくなった。

 

 

 

ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ

 

ピヨちゃん、

 

ピヨちゃんのためなら

 

何でも出来るって思ったよ。

 

大切な大切な私の赤ちゃん。

 

命を捨ててでも、守りたかった。

 

ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ

 

右矢印㉜天使の出産へ続く。