私自身に起きた、死産の記録になります。
似たような症状だからといって、同じ結果になるとは限りません。
妊娠中の方は不安になるかもしれまん。
また、辛い内容が含まれています。
天使ママさんは辛い記憶を呼び起こしてしまうかもしれません。
ご注意願います。
「子宮内胎児死亡」を告げられ、人工誘発分娩の処置に入りました。
外出できない私に代わって、母と姉がピヨちゃんへ贈るプレゼントを買いに行ってくれました。
振り返り記録、前回の記事
死産までの振り返りまとめはこちら
【7月19日(水)】
【19週2日】
16:00
『これはどう?』
姉から写真が送られてくる。
ひとつひとつ確認する。
プレゼントしたい物はたくさんあるけれど、そんなにたくさんは入れられない。
色んなおもちゃを入れて、スタイも買ってあげたかったけど…
結局買ってきてもらったのは…
二枚重ねの産着。
タグと紐がついたカサカサ音の鳴るタオル。
ヒヨコとクマの小さなぬいぐるみ。
そして、家から私のハンカチタオルを持ってきてもらった。
布団代わりに、ピヨちゃんにかけてあげることにした。
私と旦那が写った写真も現像してきてもらった。
妊娠が発覚した次の日に撮った写真。
私の誕生日を祝って、レストランで食事した。
気が付いたら二人でにやにやしてた。
どんな子にするか。
どんな名前にするか。
気が早いけど、家族3人の未来を夢見てた。
ピヨちゃんがお腹の中にいた時に撮った、最初で最後の3人の写真。
ピヨちゃんが、最大の誕生日プレゼントだったよ…
まだ男の子か女の子か分からなかったので、洋服は黄色で!
とリクエストを出していたが、気が付いたらプレゼントは全て黄色になっていた。
ピヨちゃんのために何か準備している間は、悲しみから解き放たれたような気持になれた。
18:00
旦那に処置に入ったことを連絡した。
“ピヨちゃん、頑張っておおきくなってくれてたよ。”
“早く出してあげなきゃいけないの。”
伝えたいことは山ほどあったけど、旦那には仕事に集中してもらいたかった。
『今日は仕事を頑張って家でゆっくり休んで下さい。』
今日は病院に来なくて良いと伝えた。
旦那は、昨日の夜病院に泊まってもらった。
今朝も早かったから寝不足のはずだ。
明日なるべく早く来れるよう、仕事を頑張ってもらいたかった。
明日、3人でゆっくり過ごせるように。
母も、昨晩遅くまで病院にいてもらった。
今日も朝から病院に来てもらっている。
疲れているはずだ。
母と姉にも帰ってもらった。
21:00
消灯時間。
看「旦那さん、来てくれなかったね。
お母さんも帰っちゃったの?」
私「今日は家でゆっくり休んでもらうことにしました。」
大丈夫。
覚悟は出来た。
私には、最後大きな仕事が残っている。
ちゃんと産んであげなきゃ。
ちゃんと送り出してあげなきゃ。
ラミナリアを挿入して数時間が経つが、大きな変化は無く、軽い生理痛のような痛みと、膣の奥に広がる不快感がある程度だった。
廊下の電気が消されていく。
個室なので、部屋の中の電気は自由だった。
ピヨちゃんに手紙を書くために、今までつけていた日記を開いた。
日付は、心拍の止まった昨日で止まっている。
続きはとても書けない。
最初から読み返す。
これまでの日々を思い返す。
妊娠していると分かって、胸がくすぐったかったこと。
どんどん大きくなっていくエコー写真が楽しみだったこと。
少しずつ膨らんでいくお腹が嬉しかったこと。
手足をばたばた動かすピヨちゃんを見て、愛おしく感じたこと。
流産死産を宣告され、不安に押しつぶされそうでたくさん泣いたこと。
ピヨちゃんの元気な心音に励まされたこと。
絶対諦めないと毎日声を送り続けたこと。
シャワーで歌をたくさん歌ってあげたこと…。
空模様のレターセットに、ピヨちゃんへの想いを綴った。
「ありがとう」と「大好き」の気持ちを託して。
23:00
旦那に、ピヨちゃんのプレゼントの準備が出来たことを伝えた。
旦那はまだ仕事中だった。
旦『何もできなくてごめんね…』
私『そんなことないよ。
一緒にピヨちゃん見送ろうね。』
旦『明日ふたりに会いに行きます。
EMiちゃん、ピヨちゃん、おやすみなさい。』
ピヨちゃん、お母さんのお腹の中で過ごす、最後の夜だね。
ふたりっきりだね。
歌を歌った。
『ゆりかごの唄』
いつも、シャワーで歌ってあげてたね。
昨日も歌ってあげたよね。
気持ちよくなって眠っちゃったのかな?
涙で上手く歌えない。
ピヨちゃん、いいこだね。
いいこに、ねんねしてるんだね。
買ってきてもらった2枚重ねの産着。
産まれたら、ピヨちゃんに着せてあげる産着。
その産着をぎゅっと抱きしめた。
私の匂いがつくように。
ピヨちゃんを包んであげられるように。
ピヨちゃんが、寂しくないように。
もうすぐ、会えるからね…。
ずっと抱きしめて寝た。
ピヨちゃん、
お母さんとお父さんのところに
きてくれてありがとう。
私をお母さんにしてくれてありがとう。
幸せな時間をありがとう。
ピヨちゃん、大好きだよ。
愛してるよ。
㉚分娩室へへ続く。