私自身に起きた、死産の記録になります。

似たような症状だからといって、同じ結果になるとは限りません。

妊娠中の方は不安になるかもしれまん。

また、辛い内容が含まれています。

天使ママさんは辛い記憶を呼び起こしてしまうかもしれません。

 

ご注意願います。

 

クローバー

 

「子宮内胎児死亡」を告げられ、人工誘発分娩の処置に入りました。

外出できない私に代わって、母と姉がピヨちゃんへ贈るプレゼントを買いに行ってくれました。

 

振り返り記録、前回の記事

右矢印㉘お別れの準備(1)

 

死産までの振り返りまとめはこちら

右矢印◆◇死産までの振り返り◇◆

 

 

ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ

 

【7月19日(水)】

【19週2日】

 

16:00

 

 

『これはどう?』

 

 

姉から写真が送られてくる。

ひとつひとつ確認する。

 

 

プレゼントしたい物はたくさんあるけれど、そんなにたくさんは入れられない。

 

色んなおもちゃを入れて、スタイも買ってあげたかったけど…

 

結局買ってきてもらったのは…

 

 

二枚重ねの産着。

タグと紐がついたカサカサ音の鳴るタオル。

ヒヨコとクマの小さなぬいぐるみ。

 

 

そして、家から私のハンカチタオルを持ってきてもらった。

布団代わりに、ピヨちゃんにかけてあげることにした。

 

 

私と旦那が写った写真も現像してきてもらった。

 

妊娠が発覚した次の日に撮った写真。

私の誕生日を祝って、レストランで食事した。

気が付いたら二人でにやにやしてた。

 

どんな子にするか。

どんな名前にするか。

 

気が早いけど、家族3人の未来を夢見てた。

 

ピヨちゃんがお腹の中にいた時に撮った、最初で最後の3人の写真。

 

 

ピヨちゃんが、最大の誕生日プレゼントだったよ…

 

 

 

まだ男の子か女の子か分からなかったので、洋服は黄色で!

とリクエストを出していたが、気が付いたらプレゼントは全て黄色になっていた。

 

 

ピヨちゃんのために何か準備している間は、悲しみから解き放たれたような気持になれた。

 

 

 

18:00

 

旦那に処置に入ったことを連絡した。

 

 

“ピヨちゃん、頑張っておおきくなってくれてたよ。”

“早く出してあげなきゃいけないの。”

 

 

伝えたいことは山ほどあったけど、旦那には仕事に集中してもらいたかった。

 

 

『今日は仕事を頑張って家でゆっくり休んで下さい。』

 

 

今日は病院に来なくて良いと伝えた。

 

旦那は、昨日の夜病院に泊まってもらった。

今朝も早かったから寝不足のはずだ。

 

明日なるべく早く来れるよう、仕事を頑張ってもらいたかった。

明日、3人でゆっくり過ごせるように。

 

 

母も、昨晩遅くまで病院にいてもらった。

今日も朝から病院に来てもらっている。

疲れているはずだ。

 

母と姉にも帰ってもらった。

 

 

 

21:00

 

消灯時間。

 

 

「旦那さん、来てくれなかったね。

 お母さんも帰っちゃったの?」

 

「今日は家でゆっくり休んでもらうことにしました。」

 

 

大丈夫。

覚悟は出来た。

 

私には、最後大きな仕事が残っている。

ちゃんと産んであげなきゃ。

ちゃんと送り出してあげなきゃ。

 

 

ラミナリアを挿入して数時間が経つが、大きな変化は無く、軽い生理痛のような痛みと、膣の奥に広がる不快感がある程度だった。

 

 

廊下の電気が消されていく。

個室なので、部屋の中の電気は自由だった。

 

 

ピヨちゃんに手紙を書くために、今までつけていた日記を開いた。

日付は、心拍の止まった昨日で止まっている。

続きはとても書けない。

 

 

最初から読み返す。

これまでの日々を思い返す。

 

 

 

妊娠していると分かって、胸がくすぐったかったこと。

 

 

どんどん大きくなっていくエコー写真が楽しみだったこと。

 

 

少しずつ膨らんでいくお腹が嬉しかったこと。

 

 

手足をばたばた動かすピヨちゃんを見て、愛おしく感じたこと。

 

 

流産死産を宣告され、不安に押しつぶされそうでたくさん泣いたこと。

 

 

ピヨちゃんの元気な心音に励まされたこと。

 

 

絶対諦めないと毎日声を送り続けたこと。

 

 

シャワーで歌をたくさん歌ってあげたこと…。

 

 

 

空模様のレターセットに、ピヨちゃんへの想いを綴った。

 

「ありがとう」と「大好き」の気持ちを託して。

 

 

 

23:00

 

旦那に、ピヨちゃんのプレゼントの準備が出来たことを伝えた。

旦那はまだ仕事中だった。

 

 

『何もできなくてごめんね…』

 

『そんなことないよ。

 一緒にピヨちゃん見送ろうね。』

 

『明日ふたりに会いに行きます。

 EMiちゃん、ピヨちゃん、おやすみなさい。』

 

 

 

ピヨちゃん、お母さんのお腹の中で過ごす、最後の夜だね。

ふたりっきりだね。

 

 

 

歌を歌った。

『ゆりかごの唄』

 

 

いつも、シャワーで歌ってあげてたね。

 

昨日も歌ってあげたよね。

気持ちよくなって眠っちゃったのかな? 

 

 

涙で上手く歌えない。

 

 

ピヨちゃん、いいこだね。

いいこに、ねんねしてるんだね。

 

 

 

買ってきてもらった2枚重ねの産着。

産まれたら、ピヨちゃんに着せてあげる産着。

 

 

その産着をぎゅっと抱きしめた。

 

私の匂いがつくように。

ピヨちゃんを包んであげられるように。

ピヨちゃんが、寂しくないように。

 

 

 

もうすぐ、会えるからね…。

 

 

 

 

ずっと抱きしめて寝た。

 

 

 

ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ 

 

ピヨちゃん、

 

お母さんとお父さんのところに

 

きてくれてありがとう。

 

私をお母さんにしてくれてありがとう。

 

幸せな時間をありがとう。

 

 

ピヨちゃん、大好きだよ。

 

愛してるよ。

 

ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ

 

右矢印㉚分娩室へへ続く。