私自身に起きた、死産までの記録になります。

似たような症状だからといって、同じ結果になるとは限りません。

妊娠中の方は不安になるかもしれまん。

また、辛い内容が含まれています。

天使ママさんは辛い記憶を呼び起こしてしまうかもしれません。

 

ご注意願います。

 

クローバー

 

流産・死産宣告を受けながらも、絶対に助かると諦めないで信じていました。

しかし、「子宮内胎児死亡」を告げられてしまいました。

かけつけた母は一旦家に帰り、旦那だけ病院に泊まりました。

 

振り返り記録、前回の記事

右矢印㉕全てが止まった夜。心拍停止(2)

 

死産までの振り返りまとめはこちら

右矢印◆◇死産までの振り返り◇◆

 

 

ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ

 

【7月19日(水)】

【19週2日】

 

カーテンの向こうから光が漏れていた。

時計を見ると5:00だった。

 

旦那はまだ寝ていた。

 

 

私は寝たのだろうか。

 

分からない…。

 

 

心拍が確認できないと言われてから、お腹のピヨちゃんにどんな言葉をかけていいのか分からなかった。

それとも何か話かけていたのだろうか。

 

分からない。

思い出せない。

 

 

お腹に手をあて横になっていた。

 

 

ピヨちゃん、おはよう、朝だよ。

起きないと…。

 

お母さんの手、ここにあるよ…?

感じないの…?

 

 

トイレに行き、今までと同じように話しかける。

 

 

ピヨちゃん、一緒におしっこしよう…

おしっこしたら、おっきくなれるからね…

 

 

 

涙は枯れたと思ったのに、再び涙は流れてくる。

 

もう泣き疲れたと思ったのに、身体は泣くことをやめない。

 

 

目を覚ました旦那に、食事をするよう促した。

特に会話を交わすこともなく、広い個室に静けさが広がる。

 

 

 

8:00

 

産婦人科部長のO先生がやってきた。

主治医のI先生と一緒に、いつも私を診察してくれていた。

 

この時I先生は夏休みで1週間不在だった。

昨夜の出来事を聞き、I先生の代わりに来てくれたのだ。

 

 

良かった…

O先生にもう一回診てもらえれば…

ピヨちゃんは、生きているかもしれない…

 

『動いてるじゃない、羊水も増えてますね。』

そう言われて、きっと笑い話になるんだ…

 

 

しかしそんな私の淡い期待は、すぐに打ち砕かれた。

 

 

O「午後、もう一度診ようとは思いますが、昨日ちゃんと診たという事なんで…

 

そういうことなんだと思います。」

 

 

望みは…もう何もないの…?

 

 

そして処置の話に入った。

先生は、2つ案を出した。

 

 

ひとつは、人工的に陣痛を誘発すること。

もうひとつは、自然に陣痛がくるのを待つこと。

 

 

O「通常は人工的に陣痛を起こしますが、何もしなくても2~3週間以内に陣痛は来ると思います。

 

思い切って退院をして、陣痛が来るまで自宅で過ごす…

 

というのも、私はありだと思います。」

 

 

ピヨちゃんがお腹からいなくなるのは寂しい。

 

もう少し一緒にいたい。

まだお別れしたくない。

 

お腹の中にいるピヨちゃんに話しかけながら、最後の思い出を作るのも、ありなのかもしれない…

 

 

O「今すぐ決めなくても良いので、よく話し合って決めてください。」

 

 

 

 

朝食が出された。

 

 

食べても、もう栄養は届けられないのに…。

ご飯を食べることに、何の意味があるんだろう…。

 

 

それでも、どこかで「もしかしたら…」という気持ちは消せなかった。

 

 

もし、ピヨちゃんが生きているなら…

食べなきゃ…

 

 

子宮収縮を抑える薬はもう飲まなくて良いと言われた。

ピヨちゃんを救うために、飲み続けてきた薬なのに…。

 

 

 

間もなく母が到着した。

それから看護師さんがやってきた。

 

『天使たちのパパママへ』と書かれた冊子を渡された。

 

 

ピヨちゃんは、天使になってしまったんだ…

 

 

天使。

 

優しく、悲しい言葉…。

 

 

母と旦那と3人で話しを聞いた。

 

 

赤ちゃんのためにしてあげられること、残せるもの、産後のスケジュール、役所関係の届け出、自助グループについて…。

 

 

ピヨちゃんは生きていると信じていたいのに、事は着々と進んで行く。

ピヨちゃんが天使になってしまったという現実をどんどん突きつけられていく。

 

涙がとめどなく流れていく。

 

 

「してあげられること」、「残せるもの」の希望をひとつひとつ訊かれた。

 

 

  • 抱っこ
  • お風呂・体拭き
  • 洋服を着せる
  • おっぱいをあげる
  • 一緒に過ごす
  • 一緒に寝る
  • 写真
  • 手形・足形
  • 髪の毛・爪
  • 赤ちゃんのネームバンド
  • 母子手帳記入
  • 超音波写真

 

 

全部したい…

全部残したい…

 

 

でもひとつだけ、迷ったことがあった。

 

 

 

写真。

 

 

 

「亡くなった子の写真を撮るというのは、倫理的にどうなんでしょうか…。」

 

「そうですね…。残す方もいれば、残さない方もいます…。」

 

「考えます…。」

 

 

残せるものや、してあげられることも、赤ちゃんの状態によっては難しい場合があると言われた。

 

 

 

旦那は11:00過ぎに仕事へ向かった。

 

母は病院に残り、一緒に午後の診察を待った。

 

 

もうダメなのだと本当は分かっていたけれど、もう一度診察を受けるまでは確定ではないと言い聞かせていた。

 

 

そうじゃないと、精神がもたなかった。

 

 

ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ

 

 

ピヨちゃん、

 

離れたくなかったよ。

 

ずっとお腹の中にいて欲しかったよ。

 

でもピヨちゃんは

 

天使になっちゃったんだよね。

 

 

天使になったピヨちゃん、

 

心はずっと繋がってるよ。

 

 

ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ 

 

右矢印㉗苦しみを感じたいに続く。