「都立野山北・六道山公園」

狭山丘陵の北西端、東京都西多摩郡瑞穂町高根

「田ノ入谷戸」と「北狭山谷」は湿地で比較的最近整備されました

かつて人々が里山として雑木林を管理し穏やかだった狭山丘陵は

公園として整備されるまで放置され原生林のように木々が生い茂っていました

東京の多摩地域でも私が育った市街地では見ることのない

タヌキ、ノウサギ、イタチ、フクロウ、ホトトギス、ホタルなどが今も息づき

狭山丘陵北麓には昔ながらの茶畑が広がる静かな農村風景が見られます


狭山丘陵を里山として管理し、谷戸谷に溜池を作り、谷戸谷と呼ばれる田を開墾し農業を営んだ

まるで映画のワンシーンのような懐かしく不思議な雰囲気の風景が見られます

ここは「都立野山北・六道山公園」管理センターに問い合わせ、教えていただいたヤブツバキ自生地の一つです

「田ノ入谷戸、北狭山谷の間にヤブツバキが見られますが、駐車場から遠く不便な場所」と丁寧な回答をいただきました

ここには都立公園駐車場はありませんが、北麓から直接入れる「田ノ入谷戸」「北狭山谷」入口

同じく狭山丘陵の北麓 埼玉県側「さいたま緑の森博物館」の方が
管轄ではないこの辺りもよくご存知で近隣の様子を教えてくださり埼玉県側から向かいました

手前には公園が作られ、ベンチでお弁当を食べる人がいました

林縁に常緑樹(照葉樹)がもりもり茂っているのがわかります

左手の「田ノ入谷戸」の湿地には杉の木が花粉を着けていました


林縁にヤブツバキが何本も自生し花を咲かせていました

右手の「北狭山谷」には古い墓地が見えます


「都立野山北・六道山公園」管理センターの方の説明通り

「田ノ入谷戸」と「北狭山谷」の真ん中にヤブツバキは自生していました


田ノ入谷戸から北狭山谷にかけての山中~林縁にヤブツバキ林が出来ています


狭山丘陵の尾根道につながる階段が作られていたので上ってみました

細い道が作られ整備されたとはいえ山林はずいぶん茂っていました


狭山丘陵は雑木林ですがこの周囲は常緑樹(照葉樹)林化しており

最高位置のヤブツバキを探しながら階段を上りました

階段を少し上った山中の高位置のヤブツバキが最初の一本で


あとは種子が下に落ち転がって育って増えて椿山になったという感じでしょうか


樹齢何百年等の巨木ヤブツバキではありません

全てが高く細くしなやかに光に向かって枝を伸ばし花を咲かせています


神社仏閣や庭園で見る刈り込まれ整えられた椿とは全く異なる姿です


江戸時代のお墓が集められていました


椿山です


手前は伐採されています

こうして山に自生するヤブツバキは自然で綺麗です


縄文低湿地遺跡からのアプローチで東村山市、さいたま市、川口市、旧鳩ヶ谷市の郷土館

都立狭山公園、都立八国山緑地、都立野山北・六道山公園、狭山丘陵いきものふれあいの里センター、さいたま緑の森博物館

多くの専門家にヤブツバキの自生について尋ねましたが

どこの方もヤブツバキを相手にもしていませんでした

ヤブツバキは縄文低湿地遺跡からの出土数が非常に少なく専門家にすら忘れ去られていました

狭山丘陵5ヵ所5人のレンジャーでヤブツバキ自生地を把握していたのはわずか2人でした

どうしてこんなことになっているのでしょう

レンジャーはガイドウォークでもヤブツバキを紹介しないそうです

これだけ様々な方向からアプローチしてようやく辿り着いた自生ヤブツバキです

貴重な植物だと思うのですが