ボクのべんきょう日記~弁護士実務と司法修習と司法試験の巻~ -52ページ目

【就活】裁判官になるには(任官志望の方へ)

裁判官になるには(任官志望の方へ)

*司法修習の目次

ボクのべんきょう日記~新司法試験と司法修習の巻~
※ こんな木槌は日本では使いません

[はじめに]

言わずとしれた、法の番人「裁判官」

一般的な不景気にとどまらず、ボクも前から取り上げている現在の修習生の就職難という現状も相まって、裁判官人気はうなぎのぼりです。

過去、「裁判官志望」がどういう位置づけだったのかはわかりませんが、少なくとも現在はかなりの「狭き門」であり、通過がかなり難しい状況といえるでしょう。
勉強に必要な時間を確保でき、かつ、じっくり実務能力を測ることができた時代ならともかく、前期修習のない1年間(実際はもっと短い。)で任官できるか否かが決まってしまう現在では、任官という目標を達成するための一定の傾向分析と対策は不可欠だと思います。
そこで、裁判官についての前提知識は他に任せるとして、ここでは「一修習生からみた」裁判官任官へのアプローチを考えてみたいと思います。

※ 急いで書いたため、必要な情報が抜けているかもしれません。コメント欄・メールで質問お願いします。

*「裁判官とは」(Wikipedia)


[裁判官になるとは]

そもそも、裁判官になる「積極的な理由」、逆に裁判官になりたくない「消極的な理由」とはどんなことでしょう。
それなりのリスクを背負って目指す以上、目標対象についての理解が不可欠だと思います。
ここは、ボクが詳しく述べれることではないので、いくつかの観点を挙げておきます。

実際に任官志望の人から聞いた内容も多く含んでいるので、内容が真実か否かはともかく「任官志望の人が選ぶ動機」も含まれています。
なお、中立的に書こうとは思いますが、ボクはもともと弁護士志望で修習を通してその気持ちは揺らがなかったので、目線が少し偏っているかもしれないことを付言しておきます。

※ 他にもあればぜひコメントください。

■ 積極的理由
① 中立的な立場から事案を検討できる。
 やはり、任官志望の人が言うもっとも多い理由がこれですね。代理人等が負け筋の事案で、当事者の立場から無理筋の主張をしなければならない場合もあります。「真実とは何か」という点について、代理人としてはかなり迷う場面もあるのかもしれません。こういう点について、訴訟上の制約はあれど、客観的に判断できる裁判官が向いていると思う方が多いようです。

② 公務員という地位
 任官志望の人であえて挙げる方は少ないですが、この点を全く考えていない人は少ないのではないでしょうか。不景気な時代もありますし、弁護士等に比べて時間が余裕があるということもあります(※個人差大)。
 最近は弁護士業界も改善されてきていると言われているとはいえ、「女性の職場として働きやすい」(産休・育休の面)というのも、多くの法曹から聞きます。
 
■ 消極的理由
① 当事者の一方によりそった主張・応対ができない。
 積極①との対比ですが、やはり片一方に寄り添いたい、当事者に頼られたい、などという思いは、弁護士等のほうが満たされると思います。
 当事者と相談したり、サービスなどについてより柔軟性のある対応ができるのも弁護士です。もともと「人と話すのが好き」「サービス業につきたい」というような動機も持っている修習生は、このような理由で裁判官を避ける場合もあるでしょう。

② 公務員という観点からの制約
 裁判官室にずっといるのが基本であって、外に出るのは稀です。「誰とどこで働くか」について、自分の選択権はほとんどないでしょうし、周囲の環境を選べないのも消極的な理由にはなりうるでしょう。

■ 人それぞれ
① 全国転勤
 基本全国転勤です。なかなか大変だと思う一方、ボクの周囲には裁判官の方(任官志望含む)には「全国にいけるなんて楽しいでしょ!?」という考えの人が多いです。

② あまり人と話さなくて良い/意外に人と話す機会が多い。
 年上の裁判官などと話すと、こういう動機も一因だったという人を複数知っています。周囲の任官志望の人からは聞いたことがないですが、弁護士と比べてあまり話すことが少ないのが一般的だと思いますので、この点を考慮している人も多いかも。
 しかし、弁論準備手続や和解などでは当事者とかなり話すので(修習前の想像以上でした。)、「もともと人と話すのが好きで弁護士志望です」という人でも裁判官を目指す場合もあります。
 
③ 金銭面
 今の時代では、どちらが多く稼げるかというのは人それぞれでしょうね。よくわかりません。幅があるのが弁護士だというのは間違いないでしょう。

④ 留学や出向
 これは裁判官でもできる。留学も増えているようです。弁護士にならなきゃならない理由にはならないでしょう。


[司法修習中のアプローチ]
裁判官になる気がなくとも、裁判官になる可能性を捨てないほうがよいと思います。
ボクも、裁判官に関しては修習で新たに知ったことがほとんどで、魅力がぐんと増しました。
友人の任官志望者も、修習後に希望を変更した人が多いです。
最初の一歩として、進路希望調査などの際には、「裁判官」の欄にも「10%」以上は書いておいたほうがいいかもしれません。

■手続
裁判官に採用されるには、

①司法修習中の9月上旬ころ願書を提出し、
※B班がこの時期かは不明。
②諮問委員会(民間有識者)からの審議・答申(書面)を経ることになります。

まず、①の願書を提出するまでに、教官から絞られることになります。
②の諮問委員会を通るためにも、一定の基準が必要とされるようです。

この際必要とされるのは、
①②について、
・実務修習の成績
・集合修習の成績
・人格
・動機・熱意
・その他の能力など(もっとも②は書面重視)

②について
・二回試験の成績
です(他にもありそうだけど)。

なお、①については、担当教官によって重視する要素は違うと思われます。

ここで注意が必要なのは、任官が内定している人はほとんど司法試験に1回目で合格した人です。
二回目以上の人もいるのかもしれませんが、これには高い壁があるように思います。
(※追記:周囲に聞いたことろ、2回目の方は実際にいるようです。)
この原因が、上記の能力の一要素で見られているためなのか、それ以上のなにかなのかは不明なのですが、二回目以上の方はこういう現状であることも理解した上で、かなり頑張らなければならないと思います。
ちなみに、検察官も同様です。

■対策
① 成績
さて、これらを前提として、任官に一歩でも近づくためには、
とにかく成績を取ることです。勉強しましょう。
もともこもありませんが、書面がメインである以上、これが最も大切です。
はっきりとは知りませんが、推薦の過程かどこかで司法試験の成績も見られているような気がします。

実務修習の成績は、積極性客観性のバランスを取って、多角的見地から裁判官などに意見するようにすると良いと思います。知識は前提として必要です。
起案は出来る限り積極的にもらったほうが良いと思います。
起案は後に残る指標となります。文章にする以上は、細部まで準備し気を使って起案しましょう。
判例や文献のリサーチなど、家でできることは家でやっても良いと思います。

導入起案や問研起案など、実務修習中の起案は最終成績には関係ないらしいです。
しかし、担当教官は、集合修習の始まる前には裁判官に推薦する者を決めているはずです。
そうだとすれば、これらの起案は重要な指標になります。
実際に、担当教官との面接では、「導入・問研起案が悪いから、任官は無理」という旨言わた方を何人も知っています。
とにかく良い成績を目指すのが第1です。

裁判官は、判決に責任を持たなければいけない以上、これらの要望はある意味当然なんでしょうね。

② 熱意、人格など
これは、実務修習先の裁判官に対する応対と、担当教官に対する面接・飲み会などにおける対応の双方が重要な気がします。

一番重要なのは、当たり前ですが、合理的な判決を書ける人かどうか、だと思います。
それを支える熱意、客観性、公平中立性、柔軟性、応用的な思考力、行動力、文章力様々な点が見られています。
和解や準備手続の裁判官の役割や、裁判官同士の合議を念頭におくと、コミュニケーション能力も重要だと思います。

これは「対策」というのを取りづらい点ですが、普段の言動には注意すべきでしょう。
様々な経験を積んでおくと良いのはどの就活でも一緒ですね。
担当教官と仲良くなることは最低限!

とりあえずこんなところで。


[その他]

なお、いくら裁判官志望といっても弁護士事務所の内定は絶対もらっておくべきです。
裁判官志望の修習生のほとんどが、事務所の内定をもらった上で、裁判官の願書を出す際に内定を断っています。

これにはいくつか理由があります。
・裁判官になれなかった場合のリスクがあること
・就活をすること自体が経験になること
・内定をもらっていることで、精神的な余裕をもって勉強に望めること
・内定をもらっていることで、優秀な推定が働くこと(←微妙)
などです。
弁護士が第1志望で途中から裁判官に変わったという人が多いので、「裁判官になるつもりがなかったから内定をもらって」という理由も多いでしょうね。

裁判官になるために、弁護士事務所の内定を断ることは当然できます
実際は気まずいことも多いでしょうが、それは仕方ないことです。


[終わりに]

同期を見ていると、本当に優秀な方ばかりが裁判官に内定していますし、人格的にも尊敬できる人が多いです。

まだ法曹三者になっていない自分に、裁判官をどうこういえる知識も経験もありませんが、判断を任せる以上、能力も高く、人間味に溢れている人であり、さらに公正・中立な人が裁判官になってほしいとは思います。

そういう方が今後現れる一助として、この記事が少しでも活用されれば幸いに思います。