「古いノートパソコンにSSDを付けたい!」
SSDの価格も下がり、アクセス速度は上がり、おかげでノートパソコン界は大きな変革を遂げました。
そんな爆速パソコンを見ては「SSDさえ付けば俺のノーパソも速くなるんじゃないか?」
と、誰しも考えるのです。
そして、10年も前のパソコンを前に「遅いけど、まだ使えるんだけどなぁ」と眺めてみたりするのです。
「もし、このパソコンにSSDを付けたら・・・」
そんな妄想を抱きながら、そこに転がるSSD。
それはデスクトップに付けていた旧型SSD。
「これが付けばなぁ~」
あっちはIDE。こっちはSATA。
「付かん...」
変換基板はノーパソに収まらん。
「DVDドライブのスペースに付けばなぁ・・・」
「そんなことできるはずがないやんけ」
ためしに『 DVDドライブ 変換 』と画像検索。
「あった! あるやないけ!」
上海問屋
薄型光学ドライブベイ用 2.5インチ SATA ハードディスクマウンタ
DN-69810
薄型光学ドライブベイ用 2.5インチ SATA ハードディスクマウンタ
DN-69810
「どうせお高いんでしょぉ」
「うわ 1,999円だとー」
「デフレ マンセー」
取り付けようとしているSSDまたはHDDの端子がIDEかSATAか間違わないように・・・厚さも12.7mmか9.5mmか、きちんと測って・・・。
即注文!!
薄型光学ドライブベイ用 2.5インチ SATA ハードディスクマウンタ シリーズ 上海問屋 DN-69810 [★] |
「はい届いた~」
「上海問屋 発送はえ~」
早速取り付けにかかる。
取り付けようとしているノーパソは11年前発売のVAIO PCG-GRV88G。
こいつはDVDベイをオプションユニットに交換できるようになっていて、レバーひとつで取り外せる。
んなもんで簡単にDN-69810と交換できた。
しかしコイツにゃベゼルが付属してないわけ。ベゼルなしじゃ貧乏くさいったらありゃしない。
仕方ないんで元々付いてたベゼルを改造して瞬間接着剤で貼り付けた。
これで見た目は元通り。
んでもって、そこに転がってるDVDドライブをどうする???
「そうや! 内蔵DVDを外付けにするケースが有ったぞ!」
風見鶏で「変換名人 USB2.0接続 スリム光学ドライブケース Slim」送料込み995円。
注文するっきゃないでしょ。
2,500円も出せば新品売ってますが...。そこは「もったいない精神で」
パソコンが古すぎてUSB起動ドライブにはならずリカバリーはできんが、丸ごとバックアップしてあるのでリカバリなんてしないので問題ない。
で、話を戻して・・・。
HDD側は意味ないかもしれないけども一応ジャンパーピンを刺してスレーブ設定に。
そして電源オーン。
BIOS設定もSSDを起動ドライブに設定。
何事も無く起動し、マイコンピュータでSSDとHDDの存在を確認。
「よっしゃー」
SSDでXPを起動するにはアライメント調整が必須って事で、「どうすりゃエエんや?」 とググる。
しかしWin7でフォーマットしろとか、くそメンドクセー話ばかり。
んなもん「今どき、ちゃちゃーっとアライメント調整できるアプリぐらい有るじゃろーがー」と探し続ける。
すると見つかった。
”EaseUs Todo Backup”
なんとこいつ、アライメント調整と同時にクローンコピーできるじゃねーか。一石二鳥に目からウロコ。
こまかい使い方は他で見て (^^)
ちゃちゃーっとクローンして、msinfo32でパーティション開始オフセットを確認。お見事4096で割り切れる値に感動するのだった。
「あぁ、もう楽勝っす~」
今度はハードディスクを外してSSDで起動!
プログレスバーが消えるのが早い。
さすがSSDやー。
しかし、そのあとが...あんまし速くねぇ。
なんかおかしい。
CrystalDiskMarkで測ってみると30メガ?
ふたたびHDDを装着し再計測すると42メガ...(^_^;)
SSDの方が おせーじゃんかよーーーーーーー。
なんでじゃー、アライメントはばっちりやぞー。
調べました。 なんでか。
デバイスマネージャーでIDE ATA/ATAPIコントローラーを確認すると「ウルトラDMAモード2」
うそじゃろー、なんでやねん。
GRV88GのBIOSにはIDEを設定する項目は存在しません。BIOSを改造することまで考えました。でも難しすぎる。
「無駄だろうな」と思いながらもレジストリを弄って、むりやりUDMA5に設定してみたりしました。無駄でした。本当に無駄でした。再起動したら勝手に元のUDMA2に戻ります。
「無駄だろうな」と思いながらもレジストリを弄って、むりやりUDMA5に設定してみたりしました。無駄でした。本当に無駄でした。再起動したら勝手に元のUDMA2に戻ります。
そして悟りました。
これが「 UDMA2病 」だと。
諸先輩方は皆さん何年も前からそれで悩んでいらっしゃったようです。
パターンを切ったり、ピンを折ったり、ハンダ付けしなおしたり、そりゃもう涙ぐましい試行錯誤の連続です。
しかし、時代は進んで、それらの作業は今や徒労だという事も判明させる事実が・・・。
全部ソフトウエアで解決するのです。
さっさと答えを書くと、読み込み速度を上げるのは「hdparm」、書き込み速度を上げるのは「WPCRSET」です。
これらを駆使すればUDMA2病を治療できるのです。
ここまでは、10分ぐらいで分かるのですが、そのあとが大変だった。
というのも「hdparm」が無いんです。みんながリンクしてる先が消えてしまっているのです。
仕方ないので片っ端から探してみれば、どいつもこいつもウイルスまみれ。
健康なのがありゃしない。
もう諦めた。 どこにも無い。
それから2日経った。
諦め切れん。
もう一度探した。探して探してまた探した。
もう、持ってる人に頼んで、いただけないものかと考えた。
それもナンダカナーと思って、また探した。
そしたらGoogleのフォーラムの中に見つかった。
健康的なインストーラーファイルが。
そのアドレスをここに晒したいのはヤマヤマですが、万が一の事があってはならないので敢えて書きません。
頑張って探してください。
そいつをインスコするとProgramFilesの中に「hdparm.exe」があります。
中心人物はコイツです。
そいつをDOS上で起動すれば良い。
そいつをインスコするとProgramFilesの中に「hdparm.exe」があります。
中心人物はコイツです。
そいつをDOS上で起動すれば良い。
で、セカンダリマスターにSSDを付けたので、そこをUDMA5に設定します。
hdparm -X69 hdbプライマリならhdaですね。UDMA6にするならX70です。
試しにDOSプロンプトの中でProgramFiles\hdparmにディレクトリを移動して、上記のままキー入力してみましょう。
んでもってベンチマークを取ってみれば結果がわかります。
このバッチファイルを作ってスタートアップに設定します。タスクスケジューラーにログイン時にバッチファイルを起動するようにしても良いでしょう。
これで Sequential Read : 31 MB/sが 86 MB/s へ。UDMA5のフルスピードに近い値かな。
ここで一安心。
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よっしゃ今度は書き込み速度だ。
「WPCRSET」
こいつはそこら辺に転がってるので入手は簡単。
ところがです。こいつも細かい設定があって、さっぱりわかんね。
設定例が載ってるブログを真似てみても何の反応もなし。
しかたないので本気出してみた。
設定例の意味するものは何なのか調べた。
設定例はインテルICH4-M向けだった。VAIO GRV88GはICH3-M。
どこかが違うのだろうと両方のデータシートを比較。
1世代しか違わないので基本的な部分は殆ど同じだった。
じゃ、なんで反応がないのか???
これ、データシートの抜粋。WPCRSETにセットする部分。
関係ないところはグレーアウト。
これ、データシートの抜粋。WPCRSETにセットする部分。
関係ないところはグレーアウト。
これが54Hのコンフィグ詳細。
IDEのコンフィグ部分をよく見てみるとプライマリ・セカンダリ、マスター・スレーブと並んでいて、ベースクロックの切り替えとケーブルの80ピン40ピン切り替えを設定するのです。
IDEのコンフィグ部分をよく見てみるとプライマリ・セカンダリ、マスター・スレーブと並んでいて、ベースクロックの切り替えとケーブルの80ピン40ピン切り替えを設定するのです。
なるほど、設定例はプライマリマスターに接続されたSSD・HDDに対するものだったのです。
なもんで54Hの8ビットを全部HIに設定しちゃいます。試行錯誤も疲れたのでプライマリマスターからセカンダリスレーブまで全部速くしちゃう設定にしたという事です。
もうちょいつっこむと
BUS 0,Device 31,Function 1 はIDEインターフェイスを示しているのでICH3も4も共通。
55Hを示すアドレスはICH3-Mには存在しませんが、あえてそのまま。
最終的にどう設定したのかというと。
BUS 0,Device 31,Function 1 55h,14
BUS 0,Device 31,Function 1 4ah,01
BUS 0,Device 31,Function 1 4bh,02
BUS 0,Device 31,Function 1 40h,4f
BUS 0,Device 31,Function 1 41h,b3
BUS 0,Device 31,Function 1 42h,4f
BUS 0,Device 31,Function 1 43h,b3
要するに54hがキーポイントだったと。
繋がってるものが全部UDMA5になるので、そのへんは自分の環境に合わせる・・・と。
んで、再起動するとこうなる。
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アダプタに組み込んだSSDのベンチマーク
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* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s]
Sequential Read : 85.928 MB/s
Sequential Write : 60.008 MB/s
Random Read 512KB : 85.682 MB/s
Random Write 512KB : 58.821 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 14.409 MB/s [ 3517.9 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 24.502 MB/s [ 5982.1 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 15.960 MB/s [ 3896.6 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 29.475 MB/s [ 7196.0 IOPS]
Test : 1000 MB [C: 51.1% (28.4/55.6 GB)] (x1)
OS : Windows XP Professional SP3 [5.1 Build 2600] (x86)
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こっちはHDD(HTS541616J9AT00 160GB)
-----------------------------------------------------------------------
* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s]
Sequential Read : 42.592 MB/s
Sequential Write : 36.480 MB/s
Random Read 512KB : 20.754 MB/s
Random Write 512KB : 18.355 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 0.334 MB/s [ 81.6 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.639 MB/s [ 156.0 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 0.463 MB/s [ 113.1 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 0.648 MB/s [ 158.2 IOPS]
Test : 1000 MB [E: 56.1% (27.4/48.8 GB)] (x1)
OS : Windows XP Professional SP3 [5.1 Build 2600] (x86)
お見事 UDMA2病を克服!
HDDの倍以上のスピードとは言え、SSD本来の有り余る性能からすればもったいない使い方。
レスポンス良くなったし4月9日まで使ってみましょう。
その後はLINUXで試してみるかな。