母に言われて、昔の私をまたひとつ思い出した。


高校生までの私は、親に依存していた。


小学生の時に統合失調症になって、そこからずっと支えてくれていたのは親だった。


自閉症で、コミュニケーションの不得意が目立っていた私にとって、まともに会話ができるのは親だけだったから、依存は増していった。


「親がいなければ生きられない」


これが当時の私がよく口にしていた不安。



それが崩れたきっかけは、両親の不仲。


頼りにならない父に代わって大黒柱の役割をつとめていた母が適応障害になり、その状況になっても相変わらず頼りにならない父の皺寄せが子供にやってきたのだ。


いわゆるヤングケアラー、アダルトチルドレン、のような状態になってしまった。



それまでは、親がいないと何もできないと思っていた。


気がつけば、親に代わって毎日家事をこなして、親の顔色をうかがって家庭の空気を穏便に保つ努力をしていた。


親から離れたい。心からそう願うようになった。



病気になった私を支えてくれた親。


その幻想からも醒める。


支えてくれたのは事実だ。


だが、病気になった一因は親にあった。


一因どころではないかもしれない。


あの時、親が私のことをしっかり見ていてくれたら。理解しようとしてくれていたら。



主治医と看護師のすすめで、21歳頃に家を出てグループホームに住居した。


あの頃抱いていた親への幻想はもうない。


逆に恨んでいるくらいだ。