勃起不全治療薬にかんしてこんなニュースがありました。

気をつけてくださいね。

勃起不全治療薬「シアリス」の偽造薬、コピー薬が問題化する中、海外製の同様の薬をめぐるトラブルが続発している。

 特に海外旅行に出かける友人に頼んで買ってきてもらったり、個人輸入代行業者によるネット通販で購入したりする「お手軽入手」が目立つ。

 一方、服用後に倒れて救急車で運ばれ入院するケースも発生している。

■糖尿病治療薬成分が多量に検出

勃起不全治療薬のシアリスはイーライリリー社が開発した勃起不全治療薬で、日本では3番目の勃起不全治療薬として認可・発売された。

 ところが翌年には早くも偽物が登場。 この時は愛知県警が個人輸入代行業者を薬事法違反容疑で摘発して発覚したもので「本物」よりも有効成分が少ないことが確認されている。

 製造元であるイーライリリー社の日本法人では、ウェブサイト上で「偽造薬やコピー薬の工場」内部の写真を掲載しており、原料らしき物がバケツの中でかき回されている様子が分かる。

 同ウェブサイトでは、

 「偽造薬、コピー薬の製造現場は、この事例のように不衛生であり、また流通経路での品質管理にも問題がある」
と、偽物による健康被害のリスクを訴えている。

 同社が直接問題視しているのは「シアリス」を名乗る「偽造薬」だが、直接はシアリスを名乗っていない、いわゆる「コピー薬」をめぐってもトラブルが多発している。

 問題が報告されているもので代表的なのは2008年だけでも3件の健康被害が報告されている。
 2008年3月に埼玉県で発生した事例では50代の男性がカプセル1粒を服用したところ、翌日から低血糖症状で起きるのがつらくなり、その翌々日には入院を余儀なくされた。
 2008年2月に広島県で起こった事例でも30代の男性が服用の翌日に低血糖症状で倒れ、病院に運ばれている。

 いずれのケースでも製品はインターネット通販などの個人輸入で入手していた。

これらコピー薬の1錠からは、勃起不全治療薬シアリスに使用される主成分が24%ほど検出された一方、糖尿病治療薬の成分が120グラムも検出されている。
 この120グラムという量は、1日最大使用量の12倍にあたる。
 糖尿病治療薬は血糖値を下げる成分で、これを大量に摂取したために急激に血糖値が下がって意識障害を起こしたものとみられている。

 糖尿病治療薬をめぐっては海外製の健康食品に含まれていたことが問題化したこともあり「健康食品が標榜している作用を増強する目的だったのはないか」と指摘された。
 今回のケースでも似たような経緯で糖尿病治療薬が大量に含まれていた可能性が高い。

■国際郵便使って、注文後3~5日後の配達が可能
 それ以外にも2008年4月には横浜、2009年2月には静岡で同様のトラブルが起こっている。
 製品名こそ前出のものとは異なるものの含まれている成分はほぼ同じで、やはり低血糖による意識障害を起こした。
 これらコピー薬を服用した男性は友人に頼んで海外で買って来てもらったのだという。

 確かにネット上を検索してみると、これらの通信販売を促す個人輸入代行業者や漢方薬通販業者のホームページを簡単に発見することができる。
 前出のコピー薬を販売している通販サイトの説明によると、国際郵便を使って注文後3~5日後に自宅への配達が可能なのだという。

 価格も1箱3粒入りで数百円と極めて「お手軽感」がある。

 しかし、厚生労働省の調べによるとED治療薬シアリスの特許成分や類似成分を含んだ健康食品や漢方薬を語った偽造薬やコピー薬は、現在までに231種類が確認されており、中には国内では医薬品として承認されていない成分や違法薬物を含むものも多い。
 
 厚生労働省ではこれらの製品について

「様々な成分が検出されており、健康被害が報告されている事例があります。 このことから、健康被害の発生するおそれが否定できない」
と注意を呼びかけている。