日野自動車がトラックの国内生産体制を再編する、という
ニュースが1月20日の日経1面記事に出ていました。
具体的には、現在ある東京都日野市の生産設備を2020年までに閉鎖し、
茨城県古河市に新工場を建設し、段階的に生産を移管していく、と
いうことだそうです。
2012年に新工場の稼働を開始し、現在ある本社工場は2020年をめどに
閉鎖する、というものです。
日野自動車と言えば、トラック・バスの販売台数で国内トップレベル
のシェアを誇っています。
2010年3月期の連結売上高は約1兆235億円、ここ2年は減収続きで
2年連続の赤字決算となっています。
所在地別のセグメント情報をみると、
日本地域での売上高は7273億円と全体の7割を占めていますが、
営業損益は82億円ほどの赤字となっており、国内の収支改善が
急務となっている、というのが社内事情としてうかがえます。
たとえば、アジア地域は売上高2048億円、営業利益が99億円と、
黒字を記録しています。その他の地域は、規模が小さいですが、
やはり営業黒字9億円程度となっており、日本国内での業績が、会社
全体の業績を厳しくしている原因ですので、ここで抜本的な構造の
変化に取り組もう、という強い意思が見てとれますよね。
なお、日野自動車の有価証券報告書を拝見しますと、
主要な設備として、日野市の生産設備につき、次のようなデータを
確認することができます。
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※主要な設備の状況より
・事業所名(所在地):日野工場(東京都日野市)
・設備の内容:トラック、エンジン生産設備
・帳簿価額合計:39,386百万円
・従業員数4,664人
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※EDINET(http://info.edinet-fsa.go.jp/
)
より、日野自動車の有価証券報告書(2010.3.31)を参考にしました。
金額にして約394億円もの製造拠点を茨城に移す、
ということです。
地方自治体の立場で考えると、
日野市としては、400億円規模の工場を失うことに
よる経済へのマイナス影響は、少なくないと拝察いたします。
いっぽうで、移転先の茨城県としては、新たな生産拠点が
できることで、雇用の創出とともに、それに付随した消費・
産業の活性化が期待される所です。
上場企業の拠点が移動する、ということは、地方経済にとって
も、大きな意味を持つのですね。
なお、同じ紙面では、自動車各社による国内工場の効率化を
目指した動きの一覧が、表になっています。
トヨタ自動車の宮城県・新工場における低コスト設備導入や、
日産自動車の福岡県にある工場の分社化検討など、
日野自動車以外にも、国内・国際問わず競争力を高めるための
コスト削減努力は、終わりなき継続事業となっている感が
ありますね。
設備投資が増えれば、それにより、次期以降の減価償却費が
増えますので、営業利益への影響が目に見えて表れて
きます。
そのあたりも頭の片隅において、企業の事業所移転記事を
読んでみると、また違った味わいがある、というものですね。