■ 日本に土地は少なくない
ドイツの家は大きい。
多くの家に地下室があり、二階建てで三階分のスペースがある。
息子の為に、世界の国を紹介するPicture Atlasという英国製の絵本を買ったらこう書いてあった。
「日本はアジアでもっとも豊かな国で、
それは車やテレビや船などの優れた工業製品の生産にささえられています。
そしてまた、日本はとても人の多い国で、
人々は狭いスペースしかない小さな家に住んでいます」
子供の絵本の説明の始まりがこれである。
日本は要約するとそういう国であるらしい。
外国の家が広いのは土地がたくさんあるからだ、
という説明を日本ではよく聞く。
日本の家が狭いのは国土の8割が山地だから、
というもっともらしい説明もよく聞く。
しかし、それは事実を正しく説明していない。
日本を空から見ると、
平地がたくさんある。
東京近郊でさえも、
何も建物が無い平らな土地が多くある。
新潟などは地平線まで緑の平地が広がっている。
実はそれはたんぼである。
人口が集中している都市近郊部にどうして一年の半分を使わないたんぼを残しておく必要があるのだろうか。
農業・食料政策の話はまた脱線になってしまうのでここでは書かないが、
少なくとも
「日本には土地が少ないから」という説明をそのまま疑問を持たずに信じる事は間違っていると言いたい。
日本は土地が少ないのでは無くて土地の効率的な利用方法を誤っているだけなのだと思う。
【続く】