10.洗礼/ 宗教観-2 | Bokensdorfのブログ

Bokensdorfのブログ

国際結婚から考えた「隠れた構造・隠れた文化」について
加えて「世の中の仕組みは実はこうなっている」について書きます

この頃、スイス人の奥さんと知り合い、
同じようなエピソードを聞いた。

彼女はカソリックで、
旦那さんは青森の農家の長男。

彼女は結婚前に旦那さんに結婚の条件をふたつ提示したそうで、

そのうちのひとつが
「子供は洗礼を受けさせます」
だったと言う。


   ※もう一つは「夫の親とは同居しない」


彼の返事がノーだったら結婚しなかったのですか、
と尋ねると、
彼女は

「もちろん」

とお答えになった。



宗教は人によってそこまで大事なものになるのだな、と感心した。


宗教の話では無いかもしれないが、以前、
花を買って帰ったら家内があまり嬉しそうじゃなくてどうしたのか問い詰めてみると
「カーネーションは葬式の花だからリビングに飾って欲しくない」
と言った。

「もっと早く言えば良いのに」
と思ったが、
受け入れようとしたんだな、と
思いなおした。


ヨーロッパ人の恋人が出来たらカーネーションを贈ってはいけない。


映画でもこういう習慣が分からないと分からない場面がある。

ある映画で、真っ赤なバラの大きな花束が届いたら、
彼女は怒ってお手伝いさんにそれを片付けとけ、
と言う場面があった。

赤いバラは親しい恋人同士でなければ贈らない。
いきなり恋人のような振る舞いをしてきた男に彼女は不機嫌になった、という描写だったのだそうだ。(家内に説明を聞いた)


ヨーロッパでは、初めて会った次の日に女性に赤いバラを贈ってはいけない。


もうひとつ宗教の関係で頭を悩ませることがあった。
それは、お墓のことである。

異教徒でも同じお墓に入れるものなのだろうか。

そういえば父に初めて家内を紹介したときの父の最初の質問が
『彼女はうちの墓に入れるのか』だった。
結構意味の深い質問だったんだな、と今にして思う。


結局、息子は品川のドイツ教会で洗礼を受けさせた。

家内の宗派では、
息子が大きくなってから再度クリスチャンであることを自分で選択できる、
と知ったことも決心の助けになった。

式には、
息子が生まれた時には来なかった(来れなかった)
ドイツの親戚がわざわざやってきた。

それほど大事なものなんだなと改めて認識した。



【この項終わり】



ドイツ ドレスデン エルベ河畔にて
$Bokensdorfのブログ



ブログパーツ