「派遣法は速やかに廃止せよ」

派遣労働を擁護する側がよく使う主張の中に、働き方の選択の幅が広がる、

というのがあるが、主婦などが短時間あるいは週の内、何日かだけ働くと

いった場合はそれでいいだろう。しかし、職業選択の自由と就労形態の選択

のあり方を混同するような議論はためにするものである。一昔前、派遣労働と

いうのは、非常に例外的であった。例えば、通訳や特殊技能を要する職種、即ち、

時間単価が一般給与所得者と比較して非常に高い職業に従事する人々に限定されていた。

ところが小泉政権下の米国模倣政策により、派遣法が殆ど無制限なまでに

拡大適用されるようになった結果、伝統的に安定していた雇用関係が崩壊し、

雇用者側、特に、大企業が調整弁的に派遣制度を利用してきた。今や、働き方や

職業選択の自由どころか、就労形態は派遣労働とうのが社会に定着し、正社員に

なれるのは、むしろ少数派となっている。こんな倒錯した雇用形態は速やかに

見直されるべきである。そのためには、派遣法を特殊技能者のみに限定するよう、

国会で法改正をすべきである。私自身、IT技術者の派遣会社に勤務しているが、

短期の案件を渡り歩く技術者の姿とピンはねの実態は好ましくないと思っている

「文科省は何故外国籍を差別するのか?」

ある民放テレビ番組で、不用な役所はどこかという質問にタレントが答える

とうものがあったが、文部科学省も不要な省庁の一つとしてされていた。

この回答が正しいことを証明する事実が報道された。外国籍の常勤講師

は主任への登用を認めないというのだ。公立小中学校で外国籍の常勤講師は

200人を超え、校長や教頭の補佐役である主任に就く人も多い。

大阪や京都、その他の自治体でも経験を積んだ外国籍講師の主任がいる。

日韓両国は91年、在日韓国人の法的地位・待遇に関する覚書を締結。

当時の文部省は教員採用試験に合格した場合、常勤講師への採用を認めたが、

同時に校務の運営に参画する教諭や学校教育法に基く講師にはなれないとの

通達を出した。生徒指導の主任になった後、校長から主任を外れるよう求められた

在日韓国人の57歳の教師は「一生懸命働いても、主任にすらなれない私たち

は一体何なのか」と憤慨。神戸市立中学で副主任だった43歳の教師は、

主任になる可能性があるとして解任された。「外国席というだけで日本人の教諭より

下に置かれている。こんな自分がどうやって人権や差別について生徒に教えればいいのか」

との嘆きは、この問題を象徴している。

「ガザでの益のない戦いを止めよ!」

2次世界大戦中にナチスドイツによるアウシュビッツ強制収容所における

ユダヤ人が受けた言語に絶する悲惨な記録「夜と霧」を読んだのは、私が高校生

の頃だった。以来ユダヤ人に対しては同情を、ヒットラーに対しては嫌悪の情を

抱き続けてきた。ところが、米国を後ろ盾としたイスラエル建国以来、過剰な

までの自己防衛意識に捕らわれた如く軍備増強を推進、第2次中東戦争を始め

とする周辺アラブ国との紛争においては、その米国に匹敵する最新兵器により、

常に一方的な軍事的勝利を収めてきた。

そして今、自治区ガザで、国連や世界の世論を顧みず、ハマス撲滅を名目に、

多数の子供や女性を含む一般市民の殺傷を繰り返している。さらに地上攻撃に入った

イスラエル軍の一部が住民約110人を一つの建物に誘導し戸外に出ないよう指示した

その24時間後、この家を砲撃し約30人を死亡させた。これは、国際人道法に抵触の

可能性ありと国連高等弁務官が訴えているが、氷山の一角であろう。

これらを見るとき、アラブ人でない私でさえも、ユダヤ人へは同情ではなく嫌悪の感情を

持たざるを得ない。ましてやイスラム世界における負の連鎖の可能性があり、

双方に益のない戦いである。

「日本は難民鎖国」

さまよえるアフガン人との見出しで、大阪市内で暮らす34歳のアフガニスタン

青年の様子が報道されていた。彼はタリバンに異教徒として迫害された少数民族

のハザラ人。兄は自宅から連行されたまま、未だに行方不明。

2000年末に短期滞在ビザで来日、翌年、法務省に難民認定を申請したが、

強制送還を命じられ、処分取り消しを求め提訴したが、20079月、大阪地裁

は、タリバン政権は崩壊し、迫害の恐れなしとして棄却、最高裁まで争った末、

今月、敗訴が決定。現在、健康保険にも入れず、大阪府外へ許可なく出ることも

できない。そもそも、法務大臣を筆頭に司法の場にある人たちの国際情勢の認識が

乏しいのではないか。今、アメリカが最も恐れているのは、イラクではなく、

崩壊させたつもりが復活してきたタリバンであることは世界衆知の事。

それとも、認識してはいるが国策的な判決を下したのかと疑いたくなる。

何故なら、国連難民高等弁務官事務所のアフガン難民受け入れ人数を見れば一目瞭然である。

ドイツは24236人、英国は23565人、オランダは17296人。一方、法務省に難民認定

されたのは23人で、認定外で在留特別許可を受けたのは87人。

「政治家に人命を踏みにじる権利はない」

平和の祭典である北京五輪開催の最中に惹起した、グルジアの自国内自治領への

武力侵攻は、如何なる理由を唱えても許されない蛮行である。

グルジアのサアカシュビリ大統領の責任は重い。南オセチア自治州では、

2000人の無辜の命が奪われた。五輪開会式に出席の、プーチン大統領の不在をついた

武力侵攻は、戦国時代もしくは元首が外遊中にクーデターを企てる民度の低い後進国

の権力争いと変るところがない。留守をしていたプーチンが戻り、

懲罰の軍事侵攻を受けるや、欧米に泣きつき停戦を呼びかけるとは言語道断である。

それなら何故最初から、戦いを仕掛けたのかと問いたい。指導者の勝手気ままで戦争を

行い、不利になるや停戦を請うのは、恥知らずで卑怯な行いそのものである。

犠牲になった尊い人命とその家族にどう償いをするのか。ロシアとグルジアの民衆同士は

決して敵対していない。北京五輪射撃の表彰台では、銀メダルのロシアの選手と銅メダル

のグルジアの選手が互いの健闘を讃え抱擁しあっている。ドイツの哲学者カントは、著書

「永遠の平和のために」の中で、「人間を手段にしてはならない。これは無条件に

守られるべき原則だ。人間は尊厳である」と述べている。

「テロ国家指定解除は不正義である」

善人は、古今、必ず強大な迫害を受ける。他の善人たちは、内心は同情を寄せるが、

なんら実力がないとして、傍観するために、善人は負けることになる。これは、戦前の

軍部独裁に抵抗、信念を貫き獄死をした、賢人の言葉である。大量破壊兵器を所持して

いなかったイラクのフセイン政権に一方的に宣戦布告し、政権を壊滅させながら、

核兵器開発を公言している北朝鮮金正日政権のテロ国家指定解除を行い、国交回復を

企てているブッシュ政権の行いは、良識ある人々の賛同を得られるものではない。

6カ国協議の参加国も善人の集まりだが、無力であり、傍観者となった。拉致被害国

の政権担当者も同じだ。他人事のようなコメントしかできない。金正日の息子、金正男が、

偽造旅券で東京へ遊びにきたときが、日本にとって絶好の勝負時だったが、当時の外相は、

正式パスポートだったことにし、早期送還でその場を繕った。国際ジャーナリスト、三好

誠氏は、「凶悪なる首領の国の現実」で次のように述べている。国交は凶悪な独裁者と

結ぶべきものではない。外交は国益と国の威信をかけて行うものである。法と正義を

横において生半可な妥協をし、人道だと誤魔化してはいけない。

「タスポさんに物申す!」

タスポさん、貴方は未成年者がタバコを買わないよう見張るのすね。

事前に保険証、免許証などで成人と認められた人にだけタバコを売るのですね。

でも一寸待ってください。確かに、貴方は真面目に仕事をするでしょう。でも、

親の目を盗んで証明書を持ってきてタバコを買おうとする未青年を見分けられますか。

タバコを吸わない大人に証明書を作らせ、タバコを吸いたい子供たちに売りつける組織

も現れる可能性もありますよ。たまたま入手した証明書を仲間で使い、全員がタバコを

購入するということは容易に想像できるでしょ。しかし、最大の問題点はタスポさんを

考え出した日本タバコ会社は、証明書を持てばタバコ買える成人のことしか考えていない

ということです。今まで

日本のいい加減な禁煙教育と劣悪な社会環境の中でタバコの味を覚えてしまった多くの

中学生、高校生、さらには小学生をも含む未青年たちのことが全く念頭にないのです。

大人が吸いたかったら、一度常習化した以上、子供でも吸いたいでしょう。彼らだけに

我慢を強いるのですか。不公平です。やはり、未青年の時代からタバコを覚えない

禁煙教育の徹底しか、本当の解決方法はないですよね。タスポさん。

「自殺者の多い経済大国とは何なのか」

交通事故は悲惨な結果を招き、多くの死傷者を出しているが最近では、

一時のように年間の死者が1万人を越えることはなくなった。

その一方、増え続けているのが自殺者の数である。警視庁は、昨年1年間の

我が国の自殺者数は、前年比2.9%増の33093人と発表した。

その内60歳以上の高齢者とともに、働き盛りの30歳代が最も多く、労働問題の

専門家は、仕事疲れによる精神的破綻が自殺の原因となっており、社会を支える

30歳代の自殺の増加は深刻な問題と指摘している。アメリカ式の競争至上主義を

模倣した小泉改革以来、派遣法の規制緩和が野放図に行われ、派遣型雇用社会

の荒波の中、藁をもつかめず若者が溺れている。救済に政治家は行動すべきだ。

ある女性は正社員を目指し15社受けたが、転職が多いとの理由で

すべて落ちた。派遣という選択は人生最大の失敗だったと嘆いている。

もう一つ社会を悪くしているのが、日本の雇用関係に独特の長時間労働だ。

一家団欒の時間を奪い、精神異常をきたすほど、会社に忠誠を誓って働いた挙句の

自殺、労災適用を受けても悲しいだけだ。自殺者の多い社会は病んだ社会である。

弱者切捨ての経済大国なんて洒落にもならない。

「北朝鮮は交渉相手たりうるのか?」

北朝鮮を巡る最大の課題は、日本にとっては拉致被害者の奪還にあり、アメリカに

とっては核兵器の抑制であり、北朝鮮の最大関心事はアメリカとの国交再開である。

その大前提がアメリカによるテロ国家の指定解除であるため、アメリカ

は北朝鮮と日本の両方に圧力を掛けてきた。拉致問題の調査再開と引き換えに、

日本政府は経済制裁の一部解除に向かうようだが、北朝鮮の実態に対する理解ゼロ

の対応である。軍幹部は太っていても、最前線の兵士はやせ細り、空軍は燃料不足

で演習もできず、陸軍の戦闘装備も貧弱な北朝鮮の唯一の命綱が核兵器である。

金正日が核兵器を失った時、彼が権力を失うわけだから、北朝鮮が核兵器を

廃絶することはありえない。もう一つの命綱は、中国である。

この二つの共和国は根底のところで瓜二つである。チベット問題は、四川大地震の

陰で見えなくなっているが、周辺の建物に被害がないにも拘らず、小学校が倒壊し

多くの児童が命を落としたことへの抗議デモが警察などの強権で抑えられ、子供を

無くした親同士が集まることも監視されている。移動の自由、意思表示の自由など

すべての人間としての自由を剥奪された監獄国家の北朝鮮を甘くみてはいけない。

「タスポは泥縄式の典型です」

61日の本欄で、香川のタバコ店経営者の方がタスポ導入で商売が窮地に陥って

いると訴えておられたが、同じ小売業でありながら、コンビニは対面販売のため、

タスポ提示の必要がない。まさに片手落ちだ。しかし最も窮地に陥っているのは、

タスポの出現で、自販機でタバコを購入できなくなった未青年だ。タバコの味を覚え、

既にニコチン中毒に陥って常習喫煙者となってしまった青少年が全国で何人いるか

厚生省は調査をしたことがあるだろうか。小学生の喫煙者がいる現状から推定して恐ろしい

数字だろう。彼らは今、何を考えているのだろう。恐らく、タスポの提示の義務付けられて

いない全国のコンビニでの購入を計画している筈である。大人と同様、一旦、喫煙習慣

がついた者が、未青年だから直ちに禁煙を実行できるだろうか。恐らく無理だろう。

大人は、身分証明を提示し、タスポを発行してもらって、公然とタバコを購入する。

今、未青年とは19歳までである。20歳は成人であり、1歳の差でタスポが入手できない。

子供の喫煙をタスポで抑制しようとするのは、泥縄式の最高の見本である。小中高校での

禁煙教育を徹底し、タバコを吸わない世代の育成こそ真の解決方法である。