え、えっと・・・皆様、お久しぶりでございます。
前回の更新も間があいたというのに、再び滞ってしまいすみません。
一応言い訳させていただくと、無謀にも企画【メロキュンプレゼンツ!!《ハッピー♡プレゼント!!》】に参加しようと名乗りを上げたことにより、そちらにずっとかかりっきりだったからなんですよ。
それも2つ思い付いたので、書ける方を書くというやり方で。
とはいってもそればかりじゃなく、文章力のないせいで時間がかかりまくってることもあるんですけどね。
ま、まあ、何はともあれようやくそのうちの1つの前編を書き上げたので本日UPです。
でも本当は企画が始まったと同時にどちらかをUPしようと考えていたんですよね・・・どうしても書き上げれなかったので諦めましたが。
おまけに後編はまだ書き始めたばかりだし、もう1つの方は上手く文章に出来ず止まっちゃってる状態だし・・・。
そんな感じではありますが全てを期間内にUPするよう頑張りますので、のんびりとお待ちいただけたら嬉しいです。



彼が欲しい贈り物 【前編】 【メロキュンプレゼンツ!!《ハッピー♡プレゼント!!》】



今年もあと1週間弱で人気・実力No.1俳優の誕生日がやってくる。
毎年悩んだ挙句人様に見せられないような物ばかり贈ってきたキョーコとしては、今度こそ目の前で喜んでもらいたいという思いから今何が欲しいか本人に問いかけてみたのだが・・・。

「欲しいモノ?そりゃまあ、あることはあるんだが・・・。」

という何とも歯切れの悪い答えを返されてしまい黙り込んだ。
もしかしてこんな風に言いづらそうなのは、自分みたいな一般庶民じゃ用意出来ない高価な物を欲しているからではないかと思って。
もっとも今や知名度も上がり蓮程ではないにしろ忙しくなった彼女は、収入面だけ見ても最早一般庶民からかけ離れているのだが本人は全くもって自覚していない。
そんな天然無自覚タレントは一端躊躇したものの、聞くだけ聞いてみようと思い直したのか続きを促す。

「あの・・・私じゃ用意出来そうにない物だとしても、一応どんな物かお教え願えませんか?
参考にさせていただきたいので・・・。」

するとそれを聞いた男は先程まで浮かべていた苦笑を消し去ると、優雅に距離を詰めてから抽象的な説明を口にした。

「そんなに知りたがるんだったら教えてあげようか。
俺が欲しいのは、贈ろうと思えば誰しも贈れるという実体のないモノなんだけどね。
でもそれは最上さん、君だけにしか貰いたくないんだ・・・とまあ、とりあえず今言えるのはこのくらいかな。
・・・いまだラブミー部員の君にはおそらく無理だろうからと諦めていたんだが、今年は少しばかり期待をして待ってるよ。」

こんなことを間近で、しかも夜の帝王全開で囁かれた彼女は思わず、期待に沿えるよう頑張るなんて返事してその場をやり過ごしたのだった。

そんなやりとりから数日が経った日の午後。
ラブミー部の部室内には、偶々居合わせたがために捕まり悩み相談されるはめになった奏江と、そんな彼女に身振り手振りで切々と訴えるキョーコの姿があった。

「で?だから結局アンタは何に悩んでるのよ?」

「ひ、酷いモー子さんっ!!今までの話を聞いてくれてなかったの?!」

まだ途中であっても粗方話し終えていたのだから、何について悩んでいるか明確なはずだ。
なのに呆れ返った表情でそう遮られたため、信じられないといった感じでキョーコは目を剥き叫んだ。
だが相手は慣れたもので、それに構うことなく言葉を続ける。

「聞いてはいたけど、でも今の話のどこにそんな風に悩む要素があるのか私にはさっぱり理解出来ないのよね。
だってもう本人に欲しいモノを聞いてるんだから、さっさとそれをあげればいいだけの話でしょ。」

「だ・か・らっ!それが何か分かってるならこんなに苦労してないもん!
どんなに考えても思い浮かばないからこそ、こうして悩んでるんじゃない・・・。」

至極当然とばかりに言われすぐさま彼女は反論したのだが、それは尻すぼみになっていく。
その様子を眺めていた奏江は、やがて1つため息をつくと徐に口を開いた。

「ねぇ・・・本当にアンタ、何も思い浮かばなかったの?ただの1つも?
・・・そんなわけないわよね。
今の話を聞いたなら、まず思い浮かぶモノがあるはずだもの・・・アンタと同じくいまだラブミー部員の私でさえそうだったんだから。」

この言葉にもキョーコは反論しようとしたものの、穏やかだが嘘は許さないと物語る瞳を前にしては何も言えなくなり、困ったように視線を彷徨わせてしまう。
それにより彼女が自分と同様のモノを思い浮かべていたと悟った奏江は満足げな笑みを浮かべると、贈り物はそれで決まりだとばかりに今度は贈り方について思い付いたことを提案し始めた。



つづく



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