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ウクライナ戦争の真相 

 

一見すると、ロシアが始めたように見えるが、実は26年前に米国で構想された冷戦後の世界戦略に基づいた計画的なNATOの東進により、ロシアが追い詰められて始まった戦争。

 

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ジェフリー・サックスが語るウクライナ和平への道   2024/05/29  

 

その証拠が、バイデンの侵攻予想が的中したこと。バイデンは、米国がロシアがウクライナに侵攻するしか選択肢が無い立場に追い遣っていたことを良く知っていたからこそ、誰も予想できなかった「ロシア軍の侵攻」を予想して的中させることができた。バイデンは、プーチンを侵攻に追い立てるドンバスへの激しい砲撃などの策を実行させながら、侵攻すると予言していた。

 

つまり、1941年12月の日本軍による真珠湾奇襲攻撃で始まった太平洋戦争と本質的には同じ戦争。1941年の日本は、欧米も植民地にしようと狙っていた中国への侵略を、地の利を生かして欧米よりも先に始めて中国を独占しようとしたために、欧米の帝国主義国により、日本革命を引き起こす可能性が高い「中国からの撤退」を選択するか、それとも、欧米列強と戦うか、のどちらかしか選択肢が無い状態に追い込まれていた。

 

26年前、米国の政治学者兼政治家のブレジンスキーは、ロシア(旧ソ連)とのNATOの「東方不拡大」の約束を破り、ロシアを軍事的に追い詰めるNATOの東進計画を提起した。その後のNATOの東進は、ほぼブレジンスキーが提起したタイムスケジュール通りに進められてきたので、ロシアはNATO加盟国が増える度に激しく抗議した。NATOの東進を許せば、やがて、ロシアも米国の属国と成るしかないことになるからだ。

 

しかし、米国は無視して拡大を続け、ルーマニアにはイランのミサイル用という名目で、モスクワに10分程度で核ミサイルが届くミサイル基地まで設置してロシアを脅したので、ロシアのプーチン派を激怒させた。もし、ロシアや中国が、ワシントンに10分程度で核ミサイルが届く場所にミサイル基地を建設したら、「キューバ危機」を起こした米国も黙ってはいないだろう。

 

更にNATOは、ロシアに隣接するウクライナとジョージアにも加盟させると約束し、ウクライナは憲法でNATO加盟を目指すと規定した。もし、ウクライナがNATOに加盟してルーマニアのように核ミサイル基地が設置されれば、5分前後でモスクワは破壊される。すると、一方的な敗北となってロシアは終わるから、ロシアは米国に逆らえなくなる。つまり、ロシアは主権を失うので最悪の場合、ロシアは戦術核兵器を使ってでも勝利を目指すだろう。

 

(2017年、米国のジョージ・ワシントン大学のアーカイブで当時の議事録が見つかり、欧米側のNATOの「東方不拡大」の約束について米国の歴史学者たちは事実と認めている。当時は米国だけでなく、英仏独などの欧米の首脳たちがゴルバチョフと会えば、必ずNATOの東方不拡大を約束したので、ゴルバチョフは東西ドイツの統合を認め、ワルシャワ条約機構の解体も認めた。しかし、米国とNATO、日本も含めた西側の政府やマスメディアと専門家や政治学者たちは否定し、自国民を騙している。また、条約ではなく、口約束だから効力は無いという人もいるが、あの「キューバ危機」も口約束で解決された。外交は政府間、首脳たちの間の信頼関係で成り立っているものなので、口約束も守らないと外交は成り立たない。今回、欧米側はロシアを2度、3度と騙し、信頼関係がゼロとなったのも遠因だ。プーチンは冷酷なナショナリストだが、極めて冷静で合理的な人物。西側の政治家よりもウソも少ない典型的なロシア人)

 

そして2014年2月、米国の命令でウクライナの極右派が傭兵を使って、マイダン広場で味方の親欧米派デモ隊員48人を射殺した偽旗作戦を行い、その罪をロシア人大統領側の治安部隊に擦り付けて「クーデター」を起こした。そして、ウクライナの人口の約2割を占める800万人以上のロシア民族を代表する政治家たちを首都キエフの政界から追放した。

 

この政変が「クーデター」だったことは、「クーデター」派により樹立されたキエフのアルセニー・ヤツェニュク暫定政権が、この政変に関わるデモ隊員を殺害した銃弾などの様々な物件(証拠)を廃棄してしまったことでも明らかだ。もし、正当な革命だったなら、歴史的重要物として博物館などで大切に保存し、後世に伝えてゆくはずだ。しかし、東大の松里公孝教授も認めているように、キエフ政権は全て廃棄してしまった。証拠物を残しておくと、同じ銃から発射された銃弾で大勢のデモ隊員や治安部隊員が射殺されたことが公となり、「クーデター」だったことを証明してしまうからだ。

 

人口の8割弱を占めるウクライナ民族側が、欧米の選挙監視団が正当な選挙と認めた2010年の大統領選挙で選ばれた正当な大統領を偽旗作戦により、力で追放する「クーデター」を起こした。更に、ロシア民族の政治的な利益代表の議員が多い地域党や共産党に、「デモ隊員殺し」という濡れ衣を着せて潰し、ウクライナの政界から追放するというようなウクライナ憲法違反をウクライナ民族側が自ら実行した以上、ウクライナ憲法は消滅し、それまで存在した「主権国家ウクライナ」も2014年に法的には消滅したと言うしかない。憲法が無い主権国家など、あり得ないからだ。

 

その後に制定された2019年の新ウクライナ憲法の制定には、ドンバスやクリミアのロシア民族は参加していないから守る義務はない。「代表なくして課税なし」が近現代の基本的な政治理念だから、クリミアの住民の90%以上が賛成し、熱狂的に歓迎したロシア軍のクリミア占領は国際法上でも合法である。大半のタタール人も含めて、クリミアの住民の90%以上がロシア軍の進駐を熱狂的に歓迎した理由は、ウクライナの独立以降、キエフの歴代政権がロシア人が多いクリミアを差別し、蔑ろにしてきたからだ。

 

更に、この「クーデター」への抗議者をテロリストと呼んで、ウクライナ軍をドンバスに派遣したので内戦が起き、ロシア民族の民間人1万人以上が虐殺された掃討作戦を実行させたので、国連がロシア国内に避難したロシア民族の戦争難民は100万人以上と公表した大規模な戦争が起きた。この時、ロシア民族地区に住む親欧米派の戦争難民は少数だったので、ウクライナ民族側は国内避難で済んでいた。日本のテレビは報道しないが、10年前の2014年に国外に避難した最初の戦争難民はロシア民族だったのだ。

 

この最初の内戦でウクライナ軍は、つい最近まで自分たちが守るべき自国民の東部のロシア民族への攻撃を命じられたので士気が非常に低く、また訓練・装備不足もあり、非常に弱かったので、キエフのクーデター政権側の主力部隊は「アゾフ」のような元傭兵や元ギャングが多い命知らずのネオナチ部隊だった。そのために、ウクライナ軍は2度大敗し、2度「ミンスク合意」をしたが、この2度目の大敗が翌年の2015年2月に起きたデバルツェボの戦いで、主力部隊の6000~8000名前後が、離反した元ウクライナ軍のロシア人部隊や市民兵部隊、国外から駆け付けた親ロシア派の義勇軍に包囲され、殲滅寸前となったので「ミンスク合意2」が締結された。

 

(ウイキペディアの記事では、ロシア軍が参戦したとされているが全くのウソ。この内戦に関するウイキペディアの記事はウクライナ側のウソ記事が多い。なぜなら、内戦を監視していた欧州の中立機関OSCEが、ウクライナが国際司法裁判所に「ロシア軍が介入した」と訴えた裁判で、ロシア軍の参戦を否定したのでウクライナ側が敗けたからだ。東大の松里公孝教授によると、この時、ロシアは介入したくとも介入することができなかった理由があったという。それは、ウクライナはソ連時代の航空宇宙産業の中心地だったことで、ロシアはウクライナ独立以来、ロシア領側に工場や技術者を移転させてきたが、これが終わっていなかった。その為に、全面戦争となれば移転が不可能となり、ロシアの航空宇宙産業が大打撃を受けるから、1万人以上のロシア民族の民間人が殺害されてもロシアは武器援助と義勇軍の派遣しかできなかった。日本のテレビや新聞で、ロシアが始めた戦争と言っている専門家は、10年前に100万人ものロシア人の戦争難民が発生した理由を説明すべきだ。また、ロシア軍がクリミアを素早く占領しなければ、90%以上が親ロシア派の住民だったクリミアは半島で逃げ場が無いために地獄と化して多数の民間人が死傷する事態が起きた可能性が高い)

 

このような経緯で、欧米が支援したクーデター派は独仏に仲介を頼み、恥を忍んで自分たちがテロリストと呼んでいた側と交渉を行い、「ミンスク合意2」が締結された。この合意で、親ロシア派は約束を守って包囲を解き、内戦は双方が大砲は使わない小銃だけの戦いへと移行して小康状態となったが、キエフのクーデター政権側が約束を守らず、ロシア民族側に自治権を与えなかったので、双方の睨み合いは続いた。しかし、その後のNATOの軍事訓練や装備の供与で精兵軍に変身した30万人前後のウクライナ軍は、2021年1月から、再びドンバス地区への砲撃を再開したので、プーチンは国境地帯に2度ロシア軍を派遣して威嚇した。

 

(実は、「ミンスク2」も、ウクライナ軍を建て直すための時間稼ぎに過ぎず、ロシアを騙す罠だったことを、この和平交渉を仲介した当時のドイツ首相メルケル自身が証言している。この「ミンスク2」は、ウクライナ側は軍事的に大成功だったが、ロシア側は大失敗だった。なぜなら、ロシア側は包囲していた主力部隊を解放して助けたが、結局は自治権を得られず、ウクライナ軍に再訓練・再装備の時間を与えて強化しただけだったからだ。それで、新生ウクライナ軍は2021年から、再びドンバスに砲撃や爆撃まで始めた。これは、次の和平がウクライナ側にとなって厳しい無条件降伏に近いものとなって跳ね返ることを示している)

 

翌年の2022年2月15日、プーチンが国境地帯に派遣したロシア軍に撤退を命じると、翌日の16日から、ウクライナ軍は砲撃を4倍以上に当たる1日1000発以上に増やしたので、ロシア民族側の多数の民間人が死傷した。これに怒ったプーチンは撤退を中止させ、24日にロシア軍を侵攻させた。つまり、プーチンは侵攻するしか選択肢が無い状態に引き込まれた。この戦争を引き起こしたのは、米国に攻撃を命じられたウクライナ側であり、ロシアではない。米国の狙いはウクライナ軍を使ってロシアを長期消耗戦に引き込むこと。この長期消耗戦で、ロシアを疲弊させてプーチン政権を倒し、親米政権を樹立して1990年代のエリツィン政権時代のようにロシアの資源を好き勝手に奪い、中国を東西と北側から包囲して封じ込めることだった。


したがって、この戦争の責任はロシアを挑発したウクライナ側にある。ただし、ウクライナも含めた東欧諸国がNATOへの加盟を望んだから、NATOも東進が可能となったので、ロシアへの恐怖心・警戒心を解消しなかったロシアにも責任がある。しかし、最も責任が重いのは、偽旗作戦で両民族の対立を煽った米国のネオコンと軍産複合体なので、即時停戦をすべきだ。人命は消えるが大地が無くなることはないからだ。

 

神ならぬ人間の言説は全て暫定的なもの。したがって、随時更新しなければならないので永遠に工事中!   (2024年7月9日)

 

工事中!!


★★J.Boy

 

 

 

自由・平等・博愛は実現していないので、フランス革命は終わっていない

 

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【日本】

 

★★自民党を買う!政治献金2000億円の闇

「デモクラシータイムス」は、チャンネル登録者数 21万人

自民党を買う!政治献金2000億円の闇【Tansa × Democracy Times 探査報道最前線】20240707
2024/07/09


じっくり深く掘る探査報道に特化したTansaの報告。裏金報道もだんだん下火になってきましたが、実は裏金よりもっと大きな規模のカネが政治をゆがめています。巨大なブラックボックスとなっている企業団体献金です。自分の利益の実現にどの程度貢献しているかを評価し、貢献する党に多額の献金をするという経団連の政治献金のシステムは、日本の政策をゆがめ、政治を堕落させているのではないか、そこにメスが入らないのはどうしてなのか。Tansaでは、3年で廃棄される政治団体の収支報告書だけでなく、過去の官報46年分を分析し、どの企業がどれだけ自民党に献金してきたのかを調査した企業献金データベースを作りました。気の遠くなる地道な作業をしたその成果をお披露目します。


日本には大きすぎて、しかも白日のもとに堂々と存在するために見えなくなっていいる深い闇が広がっています。   2024年7月7日 収録

 

 

★★【衝撃の事実】熊本県が企業の猛毒排出隠ぺいを自白

「深田萌絵TV」は、登録者数 31.5万人のチャンネル

【衝撃の事実】熊本県が企業の猛毒排出隠ぺいを自白
2024年7月8日

 

★★No55. 深田萌絵 × 森功「日本を操る黒幕列伝第一弾『●●教と極右』」

「政経プラットフォーム」は、登録者数9.51万人のチャンネル

2024年7月8日 

★★No.57 深田萌絵 × 森功「日本を操る黒幕列伝第二弾『官邸を操った男たち』」

「政経プラットフォーム」は、登録者数9.51万人のチャンネル

2024年7月9日

 

★★日本人の間違った常識

 

★シベリア出兵。日本の方がソ連よりも先に、ロシアの民間人を大量に殺害していた

 

1945年8月、ソ連軍が満州国や樺太、千島列島の日本領を襲って、逃げ遅れた日本人の民間人多数を殺害した。しかし、それよりも20年以上も前に行われた日本軍の「シベリア出兵」で、日本軍はソ連の民間人多数を殺害していた。また、この1945年8月のソ連軍の日本攻撃は、「プロジェクト・フラ」の件でも明確なように、ソ連軍と米軍との共同作戦だったので、「日ソ中立条約」破りには米国にも責任がある。


「宇宙のすべての知識 プリンシピア」は、登録者数 3.61万人のチャンネル

シベリア出兵   2021/07/01 

 

★「標本室は目の開けられないくらい・・・」731部隊の実態、元少年兵の目に焼きついた光景

「TBS NEWS DIG Powered by JNN」は、チャンネル登録者数 242万人

標本室は目の開けられないくらい・・・」731部隊の実態、元少年兵の目に焼きついた光景【報道特集】 | TBS NEWS DIG      2 か月前

 

★【BBC】 「慰安婦がいなかったというのは嘘」 元衛生兵の松本さん

「BBC News Japan」は、登録者数 46.5万人のイギリスの公共放送のチャンネル

2015/08/05


第2次世界大戦中、日本軍の衛生兵として「慰安婦」の性病検査を担当していたという93歳の松本栄好(まさよし)さんは、従軍慰安婦の存在を否定する人たちを強く批判します。「私たちは現地で経験している」のだと。そして、慰安婦の性病検査をした自分は、「してはいけないことをしたのだから、自分は戦争犯罪人だ」と。

★【読売テレビ】南京事件の真相に迫る

「日本社会の闇を穿つ」は、登録者数15人のチャンネル

1年前

 

★【松井石根の生涯】陸軍きっての親中派ながら、南京戦の指揮をとる。BC級戦犯として処刑された軍人の軌跡とは。

「祖国日本」は、登録者数27.1万人のチャンネル

 2023/07/30


シンガポール華僑粛清事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%8F%AF%E5%83%91%E7%B2%9B%E6%B8%85%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 

 

★★【五族協和】満州国の“幻の大学” 歴史を動かす学生たち【戦後77年】

「ABCテレビニュース」は、チャンネル登録者数 55.3万人

2022/08/15

かつて、満州国に日本や中国、ロシア、朝鮮、モンゴルから若きエリートが集まった大学がありました。しかし、日本の敗戦にともない、わずか7年で閉学。歴史から消えた大学で学んだ青年たちの
「戦後」を取材しました。  (2022年8月15日放送)

 

 

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備忘録(2024年7月9日)

 

★★26年前のブレジンスキー戦略に従って米国が仕掛けたウクライナ戦争、アフガンに続き再度米国の敗北?
 

★終戦か停戦か?ウクライナ戦争の未来とその後の影響について解説していきます


17分45秒~
「BOGDAN in Ukraine」は、登録者数8.88万人のチャンネル

終戦か停戦か?ウクライナ戦争の未来とその後の影響について解説していきます2024年7月7日


<以下略>


<参考資料>

 

NHK:2024年6月17日 4時35分 
「平和サミット」共同声明採択し閉幕 一部の国が声明支持せず

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240616/k10014482951000.html

 

3発目の核爆弾も日本ではないようにするための日本人の必読文献

「松里 公孝 (著) ウクライナ動乱―ソ連解体から露ウ戦争まで」

 ちくま新書 1739  新書 – 2023/7/6 : (1300円+消費税)

 

元英国首相のボリス・ジョンソンは、わざわざ米国に行って、各地で共和党系の大富豪たちに、「ウクライナへの軍事援助は、莫大な利益が得られる投資」という主旨の講演して、トランプの落選を推奨していた!

 

1:20:10~

政治的保守派の伊藤氏や水島氏と我々は、多くの点で意見は異なるが、真実は誰が言っても真実!!

新日本文化チャンネル桜」は、登録者数 12.8万人のチャンネル      

【伊藤貫の真剣な雑談】第15回 伊藤貫×水島総特別対談

「米ランド研究所も止めるウクライナ戦争、世界大戦を招くネオコンの

愚行と卑しさ極まる拝米保守」[桜R5/6/24] 


2024年1月時点でのヨーロッパ12ヶ国の世論調査では、戦争を続けて領土奪還を優先する強硬な意見よりも、和平交渉を優先する世論の方が多数派!!


         領土奪還優先 和平交渉優先
12ヶ国平均   31%    41%
ハンガリー    16%    64%
イタリア     18%    52%
ドイツ      32%    41%
フランス     35%    30%
ポーランド    47%    23%


2024年7月9日の「報道1930」の「もしトラ”で和平圧力か/危機感強めるNATOのトランプ対策とは」より

 

ソ連時代から存在するウクライナの徴兵制度について解説していきます。
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2024/06/02 

 

ナチス式の敬礼で、「スラバ・ウクライーニ!」と叫ぶウクライナのサッカーファン!!
とてもナチスな観客 🙄 スラバ・ウクライー二!🇺🇦 (youtube.com)

ウクライナ人の全員がネオナチというわけではなく、大半は普通の国民だが、一部に奇妙な人もいる国がウクライナ。今時、サッカー場で大勢のサッカーファンが、わざわざナチス式の敬礼をするような国は世界でもウクライナだけだろう。ネオナチはロシアも含めて欧米各国にもいるが、ウクライナほど多く、政権への影響力も強い国はないだろう。ザルジニー元総司令官の顧問は、ネオナチ団体「右派セクター」の創始者ドミトリー・ヤロシュ。


17分45秒以降の要約とコメント


ウクライナ人ジャーナリストのボクダン氏によると、6月16日のウクライナの和平案について話し合うため、スイスで開かれた「平和サミット」では「原発の安全確保」などで具体的な措置をとるなどとした共同声明を採択して閉幕したが、これは、あくまでも表向きの話であり、その裏では、欧米側からゼレンスキー大統領に、厳しい停戦の圧力が掛けられていたという。


●●最近、ウクライナで話題となっているロシアとの停戦交渉に関する様々な情報

 

●ウクライナでは、ここ数週間に、ロシアとの停戦交渉に関して様々な情報が出てきて、これまでに無いような動きもある。まずは、①ウクライナ議会の来年2025年、2026年、2027年の3年間の防衛予算案が発表され、国民の間に大きな驚きを引き起こしている。また、②ゼレンスキー大統領が、これまでに言ったことが無い発言したこと、そして、③平和サミットでのザポリージャ原発に関する意味深な発言や、④ロシアがアメリカに提示したとされる停戦条件案が、ウクライナの有名なコメンテーター経由で公表され、その内容がウクライナでは大きな話題になっている。

●まず、①の防衛予算案の件が話題と成った理由は、2025年は2.2兆フリヴニャ、2026年1.6兆フリヴニャ、2027年には1.5兆フリヴニャと、この3年間、毎年防衛予算を減額する戦争中の国ではあり得ない案だったからだ。しかも、フリヴニャは通貨安傾向が続いているから、実質的には数字以上に防衛予算を減額する案なので、まるで、終戦を前提にしたような予算案だったからだ。


●②は、ゼレンスキー大統領が、アメリカにとってのウクライナ勝利とは、1991年の独立時の国境を守ることではなく、独立国家としての存続を意味すると言ったこと。(つまり、ウクライナの大スポンサーである)アメリカがクリミア等の奪還は諦めろと言っていると示唆し、アメリカがそのように言っている以上、従うしかないと暗示したと解釈できる発言。

 

(これが事実なら、「現状では最前線の維持が困難だから、少し休んでから再開しろ」というのが米国の真意であって、本当に終結しろという意味ではないだろう。米国は5年、10年、15年と続けさせて、ロシアを疲弊させて倒すのが狙いだから、一時的な停戦なら問題はない。あるいは、米国務省のネオコンであるヌーランドの辞任で、国務省内でのネオコンの影響力が弱まったのかもしれない。それなら、本当に終結に向かうかもしれないのだが)


●更に、ゼレンスキー大統領は、欧米は(核戦争を引き起こしかねない)ロシアの敗北や破滅を望んでいないと言っていると明かした。これは、もしロシアが敗北した場合には、ロシアは巨額の賠償金を支払わなければならなくなるために、その前にロシアが核戦争に踏み切るリスクがあるからだ。また、逆に、ウクライナも巨額の賠償金を払うことになるから負けることはできない。すると、現実的な合意内容としては、両方共に負けたわけではないというシナリオを造るための停戦交渉となるしかない。


●③のザポリージャ原発に関する意味深な発言とは、平和サミット内でザポリージャ原発を稼働させて電力の2割をロシアに、そして8割をウクライナに提供するプランが話し合われたことを示しているという。元々ザポリージャ原発は輸出用の電力を作ってた原発なので、今のウクライナの電力量の約3割ぐらいは賄えるという。


●だから、ここさえ稼働していれば基本的に今年の冬はこせるから、一部はロシアに電力を分けられる。
ウクライナにとっては、冬の停電回避案なので、元々これを意図した上で、ロシアはザポリージャ原発を占拠し、8割をウクライナに分け与えることで、ロシア側の譲歩にする。更に、最終的には、この2割もウクライナに分けることで、ロシア側の譲歩材料にすることもできる。


●●ロシアがアメリカに提示したとされる信憑性が高い停戦条件案

 

●ロシア側がアメリカに提示した和平条件の文章は、本物かどうかはわからない。しかし、(かなり、両者の現状の力関係を反映しているので)リアルで、信憑性が高いと思わざるを得ない。まず、ドネツク州とルガンスク州はロシア領とする。クリミアは、ロシアとウクライナの両方で分割するという内容。


●具体的には、ザポリージャ原発はウクライナに引き渡す。ただし、ウクライナはクリミア用の水の供給を保障する。また、NATOや他の軍事同盟への参加は禁止。憲法上で平時には35万人の軍隊の保有は認め、各種の戦闘機に関しては125機は保有して良いという内容。 侵攻初期の2022年4月、トルコで行われた交渉の時は、軍は12万人だったので、それよりは23万人も増加させている。今ウクライナは150万人~160万人以上の軍隊を保有しているから、5分の1ぐらいにされるということ。


●クリミアは、ウクライナとロシアの二重性を持つ土地とし、特別な非武装地帯として定義するというが、これでは後々、また新しい戦争を引き起こすリスクがある。アメリカはロシアへの先端技術とか、石油ガスとか、銀行システムへの制裁を全部解除する。ただし、そのようにすると、1年2年でロシアは次の戦争の準備を整えられる。


●ザポリージャ州とヘルソン州は、返還交渉の準備があるというのだが、この言い方はロシアらしい。EU加盟に関してはロシアは反対しない。停戦は、ロシアとアメリカ、中国、EU、ウクライナで集まって話し合う。他には短・中距離ミサイルに関しての条件をウクライナに署名させ、ロシアを攻撃できるようなミサイルは保有させない。


●●この停戦条件案の問題点とウクライナ分割の危機。そして、新たなエリート集団の登場

 

●新生ウクライナが、心が親ロシアのウクライナ人(ロシア民族やロシア語話者のウクライナ人で親ロシア派の人々)を抱えて再出発しても、またトラブルが起きる可能性があるから、分離した方が良いという意見もある。また、ロシア軍の侵攻の狙いはドネツクとルガンスなどに眠ってる様々な地下資源という説もある。

 

(この地下資源の件は、侵攻の副誘因となったかもしれないが、地下資源を奪うためにプーチンが自己の政治生命とロシアの主権を危うくするようなことはしないだろう。ロシアにとってのウクライナのNATO加盟とは、米国にとっては、カナダが親ロシアや親中国の国になることと同じであり、核ミサイルがモスクワに5分で届く事態となるので、有事に反撃ができなくなる。そのために、ウクライナのNATO加盟が実現すれば、ロシアは今の主権を失った日本のように、米国に言いたいことが言えなくなって米国の属国となる)


●この和平案には、家族を殺されたウクライナ人が納得するのか、という問題がある。しかし、戦争を続けたとしてもロシア軍を追い出せそうもないし、益々犠牲が増え、今後の再建にもマイナスという面もあるから、交渉する余地はある。


●停戦して和平が達成されたら大統領選挙となるが、不人気のゼレンスキーが次の政権のリーダーに選ばれないのは確実で、この和平もいつまで続くかは不明。しかし、個人的には辛いが、(半年以上も撤退戦が続いている現状を考えれば)現実的には、この和平案がベースとなって決まる公算が高い。


加盟すれば絶対安全などという軍事同盟は存在しないから、NATO加盟も万能ではない。というのは、ストルテンベルグNATO事務局長も10年後と言っているように、いつ加盟ができるのかが不明という問題もあるからだ。(大半の)ウクライナ人は、NATO加盟は、もう無理だと分かってるし、ゼレンスキー大統領自身も無理と言ってる。

●それでウクライナは、欧米陣営とロシアとの間の緩衝地帯となって、(トルコのように)両方から援助を引き出す方が良いという判断もあり得る。また、ウクライナ国民は、まだ理解していないと思うが、カルパチア山脈のハンガリー側には、元々はハンガリーだった領土もあり、そこにはウクライナ語ではなく、ハンガリー語しか話さない村もある。また、ポーランド人に言わせれば、南西部のリビュウはポーランド人が造った町だ。


それで、ロシアだけでなく、EU諸国がウクライナの領土を分割統治しようとする可能性もある。ウクライナには、ドネツクとルガングス以外の州でも、欧米の企業が利権の独占を狙うほどのレアメタルなどの貴重な地下資源が大量にある。アメリカの議員が、この地下資源のことを口を滑らせて明らかにして、国民が知った。

 

(既に、ウクライナは欧米からの借金の形、抵当として、世界でも一級品の農地である黒土の3割が欧米企業に所有されているという。また、アフガン戦争の終結で危機に陥った欧米の防衛産業は、今回のウクライナ戦争で大儲けしている。日本も本格的に武器輸出をする国になれば、戦争で儲ける欧米諸国のような国になるが、ロシアや中国のように国営の軍事企業であれば、西側の軍事企業のように、議員を莫大なワイロで操り、国民を無視して勝手に戦争を起こすような国にはならない)


●こうした事情から、結局、ウクライナは終戦後に、東部はロシア領、北西部はポーランド領、カルパチア山脈以西のハンガリーとの国境地帯はハンガリー領、そして、残りの中央部だけがウクライナとなり、4分割されてしまうかもしれない。

●(要するに、ウクライナは存亡の危機に直面しているが、)そのような危機だからこそ、ウクライナ人は、この危機から抜け出す秘策・知恵を編み出すようにと、神から課題を与えられているのかもしれない。これに関して1つ面白いと思った話がある。ウクライナ人はロシアだけでなく、今の政府にも苦しめられてきた。そこで、ウクライナの新しいエリート層が誕生しつつある。これは、インフルエンサーたちのことで、彼らが集まって、もう国には頼れない。そこで、世界中から資金を集めて、政府とは無関係に画期的な兵器の開発を行うプロジェクトがある。


●イスラエルも、公式には認めていないが核兵器を持ってる。あるいは、第1次中東戦争では、映画の撮影のために戦車が必要と言って、世界中から中古の戦車を買い集めて軍隊を建設した。こうした創意工夫で、画期的な兵器の開発を行う。どこの国も持ってないようなゲームチェンジャーになれる兵器を1つでも開発してしまえば、ロシアにもアメリカにも左右されない国に成れる。

 

(外国に資金を渡して、新しい武器の開発をしてもらうとしても、密かに研究・開発ができるのは生物兵器ぐらいだろう。しかし、ロシアや米国さえも脅せるゲームチェンジャーになるような画期的な生物兵器は、完成したとしても危険過ぎて、私的グループに渡すわけがない)


●新しい技術なのか、新しい旗印を掲げた世界的フレームワークの構築なのかは不明だが、政府に頼らずに、国民自らの努力で新しい道を切り開くという戦後のポジティブなシナリオが産み出す運動がある。ウクライナのグリップを握っている世界の闇(アメリカのネオコン・軍産複合体・金融資本)も見えてきた。ウクライナの闇も、もう死ぬほど見させられた。そうした中で、新しい国を造ろうとするクリエイティブな運動が始まっている。

 

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<休憩>

 

 

 

★★ウクライナ戦争で最も悪いのは米英

 

田中宇の国際ニュース解説:2022年4月29日     
ウクライナ戦争で最も悪いのは米英
https://tanakanews.com/220429baud.htm
田中 宇


<以下略> 

<コメント>

 

スイス軍の元情報将校で軍事専門家のボーは、ソ連崩壊直後にソ連軍・ロシア軍の改革を手伝った経験がある人物で、ロシアの軍事状況に詳しい。 また、2014年から始まったウクライナ内戦では、余りにもウクライナ政府軍が弱すぎたため、米英主導のNATOがウクライナ軍をテコ入れすることになり、ボーは訓練要員としてウクライナ軍の訓練を行った。それで、ウクライナ軍の内情にも詳しい人物。


●●ウクライナ政府は内戦の勃発で、徴兵制を敷いたが多くの若者が海外に逃げ、2017年秋でも7割が出頭しなかった

 

米英は、2014年にウクライナの政治運動を扇動して当時の親ロシア政権を「クーデター」で転覆し、ロシア敵視・米英傀儡の極右政権を作って、ドンバスの親ロシア派を攻撃させてウクライナ内戦を引き起こした。★1

 

ウクライナ軍は腐敗していたため国民に不人気。2014年の「クーデター」後の内戦で徴兵制を敷いたが、多くの若者が徴兵を嫌って海外に逃げ出して徴兵に応じないため、2017年秋でも7割が不出頭だった。余りにも多くの若者が海外逃亡したので、国内は労働力不足となった。

 

予備役を集めて訓練しようとしても7割が出頭せず、訓練の会合を重ねるほど出席者が減り、4回目の訓練に出席したのは対象者の5%しかいなかった(2014年3-4月の実績)。ボーらNATOの担当者たちはウクライナ国内での政府軍のイメージを改善しようとしたが短期間にできるものでなく、行き詰まった。


●●一方、反キエフ政府側の親露派民兵団には、兵器など装備を持った大量の脱走兵が合流した加勢した

 

一方、ウクライナで政権が極右側に転覆されて内戦が始まると、政府軍からの脱走兵が急増した。ロシア語が母語のロシア系住民と、ロシア系でないが極右政権がとても嫌いな人々を合計すると、国民の4割ほど?とか、かなりの割合になる。

 

軍内にいたその手の人々が集団で脱走し、兵器など装備を持って親ロシア派民兵部隊に合流した兵士も多かった。部隊ごと親ロシア派側に寝返るケースも多発し、彼らがもたらす兵器や装備で、親ロシア派民兵は政府軍と十分に戦えた。

 

ロシア軍はドンバスに兵器を支援しなかったことがOSCEの監視で確認されているが、その理由は寝返りによる政府軍からドンバスへの兵器流入だった。

 

●●ウクライナ軍は士気が低い弱い軍。それでも、今回、健闘しているのはネオナチの傭兵部隊の健闘

 

ウクライナ政府軍は2014年当時、士気がとても低く、ウクライナ東部ドンバス2州のロシア系住民の親ロシア派部隊と戦っている時期、脱走者が多く、戦死者よりも、病死や交通事故、自殺、アル中などの死者の方が多かった。これは今も変わっていない。

 

それでも今回、比較的ウクライナ軍が健闘している理由は、ウクライナ国内と国外19ヶ国から極右・ネオナチを傭兵として集め、NATO軍が訓練を施し、政府軍を補佐する民兵の育成をしているからだ。極右集団の幹部たちは、英国の士官学校などで訓練を受けさせている。この民兵部隊は国防省でなく、内務省の国家警備隊の一部として作られた。

 

ボーによると、2020年時点でこの民兵団は10万2千人もの大部隊となり、政府軍と合わせたウクライナの軍事勢力の4割もの兵力となっている。このウクライナ内務省系極右民兵は複数あるが、最も有名なのがマリウポリなどで住民を「人間の盾」にして立てこもって抵抗した「アゾフ大隊」。

NATOの米英仏加は、2020年から民兵団の幹部たちを自国に招待して軍の学校で訓練をほどこす「センチュリア・プロジェクト」を行っていたので、ユダヤ差別反対運動やイスラエルから批判された。しかし米英仏加は、ウクライナのネオナチ幹部に対する軍事訓練を続けた。

 

●●かつて、ウクライナには世界最大のユダヤ人コミュニティがあり、共産党幹部にユダヤ人が多いことから、ウクライナでは共産党イコールユダヤ人の政党として憎む文化的素地があった


●ウクライナ周辺はもともと中世にユダヤ教を国教の一つにしたハザール王国があったので、ユダヤ人の多数派である「アシュケナジ(ドイツ系)」のユダヤ教徒が多数いた。現在でも5万~40万人と推定されているが、同時にウクライナは反ユダヤの風潮が強い国だ。(この点はロシアも同じ)

 

これは、ロシアの共産党幹部にユダヤ人が多かったことや、1930年代の飢餓(ホロドモール)で、ウクライナ人が大量に餓死したが、この飢餓は共産党がウクライナ人を皆殺しにしようとして、意図的にたからだという「ホロドモール」説が広まったからだ。★2


●アゾフ大隊など極右ネオナチ部隊は、米英とは無関係に形成されたと欧米のマスゴミは報道しているが、実は間違い。この集団は米英などNATO諸国がウクライナ軍を強化するために、現地の極右派と欧米諸国の極右ネオナチ勢力を傭兵として雇い、NATO諸国が訓練を施して養成した集団。つまり、極右ネオナチ民兵の黒幕は米英だった。

●●ロシア人を虐殺し続けたネオナチを解体するというロシアが掲げたウクライナの「非ナチ化」は正当

 

●米英は、ギャングだったウクライナの極右ネオナチ派を集めて訓練し武装させた。また、ウクライナ人だけでは人員が足りないので欧米諸国からも募集した。極右やネオナチに対して極悪とレッテルを貼っている米英自身が、極右やネオナチを集めてカネを出して民兵団を作り、8年間もロシア系住民を虐待・虐殺させた。

 

米英こそが極悪な戦争犯罪者。米英が育成した極右ネオナチ民兵部隊を潰すのが、今回のロシアの目標の一つで、このウクライナの「非ナチ化」は正当な目標。ロシアの「侵攻」でなく「正当防衛」だと言っているプーチンは正しい。

 

●●ロシアにウクライナを侵攻させて泥沼の戦争に引き込み、経済制裁でロシアや中国を弱体化するのがアメリカ・ネオコン派の目的

 

●ウクライナの親ロシア派はウクライナ国内での自治の復活を求めていただけで、米英にとって何ら脅威でなかった。それでも、米英がウクライナを傀儡化し、親ロシア派を殺す内戦をやらせた理由は、ロシアを怒らせ、親ロシア派を守らなければならないという気にさせて、ロシア軍をウクライナに侵攻させるため。

 

ロシア軍がウクライナに侵攻したら、米英はロシアを経済制裁する口実ができる。米欧とロシア(+中国)が鋭く対立し続け、ロシアや中国を弱体化する新冷戦体制を作れる。米英は今回の戦争をロシアに起こさせるために、8年前にウクライナの政権を転覆したことになる。

 

米英はウクライナに傀儡政権を作って親ロシア派が2012年から持っていた自治を剥奪し、親ロシア派が怒って分離独立を宣言すると極右民兵団を作って親ロシア派を殺す内戦を起こした。ボーも、米国がウクライナに介入するのはウクライナを守るためでなく、ウクライナを傀儡化して国内親ロシア派を攻撃し、ロシアを怒らせてウクライナ侵攻させることが目的だった、と指摘している。

 

●●2014年9月の「ミンスク合意1」は、2015年2月に仏独の仲介で「ミンスク合意2」に再編されたが、ドンバスに自治を再付与せず内戦が続いた

 

●ウクライナが親ロシア派を攻撃しても、ロシアはウクライナに侵攻せず、ウクライナ政府とドンバスの親ロシア派民兵部隊が交渉して自治を再生することを目標にし続けた。ロシアは当初、ウクライナ内戦を停戦させる交渉にも参加しなかったが、独仏の仲介で参加するようになり、「ミンスク合意2」で、ウクライナ政府がドンバスの親ロシア派から剥奪した自治権を戻すことで一旦合意した。

 

ロシアは、ウクライナに侵攻すると米欧とロシアの関係が決定的に悪化し、今起きているような新冷戦体制になってしまうのを望まなかった。プーチンは米露関係が何とか維持され、ロシアが米国の覇権を尊重する見返りに、ロシア経済が米経済覇権体制下で発展していく道を諦めていなかった。

 

●プーチンの希望と裏腹に、米英は過激なロシア敵視をやめず、ウクライナ内戦を扇動し続けた。ロシアは、ドンバスが自治を再獲得してウクライナ領内に留まることを望んでいた。

 

しかし、米英傀儡のウクライナ政府は合意を履行せず、ドンバスの内戦は続いた。2015年に仏独がロシアを誘ってミンスク合意の交渉に参加し、仏独露が参加したことで「ミンスク合意1」は「ミンスク合意2」に再編されたが、それでもウクライナ政府はドンバスに自治を再付与せず、内戦が続いた。 

 

●●今年2月16日、ウクライナ軍が30倍の激しさでドンバスを攻撃し始めたので、プーチンは、ついに侵攻を決意した。しかし、普通の戦争とは異なり、社会インフラは極力維持

 

●ウクライナ政府に内戦を終わらせて親ロシア派に自治を再付与させるというロシア側の希望が潰えたのは昨年(2021年)3月、ゼレンスキー大統領が、ロシアに奪われたクリミアを軍事的に再征服する法律に署名し、その法律を根拠として、ウクライナ軍が南部のドンバスとの境界の近くに兵器を蓄積する動きを始めた時だった。

 

このウクライナの新戦略は、米国のランド研究所が2019年に作った、ウクライナに兵器を支援してロシアと泥沼の戦争をさせる戦略に沿った動きだった。昨年秋になると米国側が「いつロシア軍がウクライナに侵攻してもおかしくない」と言い出すようになった。

 

そして、今年2月16日、ウクライナ軍が蓄積した兵器を使って、それまでの30倍の激しさでドンバスを攻撃し始めた。米バイデン大統領は2月11日から侵攻を予告するようになったので、2月16日からのドンバスへの猛攻撃は、ロシア軍の侵攻を誘発したい米国の指示で行われた可能性が高い。

 

●ロシア側も、この動きは知っていたようで、2月14日にロシア議会が分離独立をロシアが承認することを決議し、あとはプーチン大統領の署名だけにした。2月22日(8年前のクーデターの日)にプーチンが署名し、ロシアとドンバスが安保条約を締結。ドンバスが2月23日にロシアに軍事支援を依頼し、新条約に沿って2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻(特殊作戦)を開始した。

ロシア軍はドンバス周辺だけでなく、キエフなど他の地域にも侵攻し、ウクライナ全体の制空権を奪取した。ドンバスを守るならもっと小規模に、ドンバスだけに侵攻するのでも良かったはずだが、ロシア軍は大胆に、ウクライナ全体を作戦の対象にした。★3

 

その理由についてボーは、ロシア軍がドンバスだけ攻撃しても、アメリカは全面的な経済制裁をしたはずで、そうであればウクライナ側の軍事施設を全て破壊した方が良いと考え、キエフも攻撃したという趣旨の分析をしている。

●●米軍が侵攻した場合、国全体のインフラを破壊したが、ロシア軍はインフラを極力破壊せず、機能させている

 

●実際のロシア軍の攻撃はウクライナの諸都市の市街をできるだけ壊さないように進められたのに、欧米の諜報機関はロシア軍がウクライナ諸都市を無差別に破壊していると間違った分析をしている、と諜報界の人であるボーは嘆いている。

 

米軍は侵攻したイラクでもリビアでも国全体のインフラを破壊したが、ロシア軍はウクライナのインフラをできるだけ破壊せず、交通網も電力、ガス、インターネットも一部地域を除き、機能し続けている。この相違を無視したのは政治家と言っている。

 

 

★1:ウクライナは独立したが財政難で、ロシアから輸入していたガス代が払えず、ロシアの国営ガスプロムに莫大な借金をしていたが、いよいよ、その借金を返さなければガスを止めると通告されてしまった。そこで、ウクライナは、お金を借りる交渉を欧米側(EUやIMF)と、ロシア政府との間でしていたが、結局、欧米側が提示した額では全く足りず、必要な額の貸し手はロシア政府だけだった。

 

そこで、ヤヌコーヴィッチ政権は2013年11月、ロシアから借りると公表した。しかし、ロシアから借りるということはEUではなく、ロシアが主宰する「ユーラシア経済共同体」に加入することになるので、EUへの加盟を期待していた人が多い野党の支持者も参加して、11月の末から、キエフのマイダン広場を占拠する違法なデモが起きた。そこで、この占拠勢力を排除しようとする治安部隊とデモ隊との攻防戦が起きた。

 

特に、2014年1月から、ポーランドで米軍から軍事訓練を受けていた「右派セクター」のメンバーが、デモ隊に参加するようになると、マイダン広場の攻防戦が激化した。そこで、2014年2月21日、与野党が協議して、大統領選挙を予定よりも早めて実施する、つまり、ヤヌコーヴィッチ大統領の任期を短くするということで妥協が成立し、マイダン広場の攻防戦も終わる見込みとなった。

 

ところが、ウクライナの独立以来、約50億ドルもの巨費をウクライナの各方面に流して、ウクライナの政治に干渉してきたアメリカ国務省のヌーランドは、この与野党間の妥協の成立を怒り、この妥協を潰すことにした。なぜなら、12月に大統領選挙をすれば結局、ウクライナが必要な援助金を貸すと約束したのは、ロシアだけなので、ロシアの提案を拒否すればウクライナはデホルトとなり、更に、経済は悪化する。それで、再びヤヌコーヴィッチが大統領に当選する可能性が高いからだ。

 

そこで、ヌーランドは翌日の2月22日に、既にウクライナに潜入して様々な工作をしていたジョージア人傭兵に、マイダン広場で対峙していたデモ隊と治安部隊の双方を、高層ホテルから銃撃させ、デモ隊50名と治安部隊10~20名を射殺させた。すると、仲間が次々に撃たれたので、双方が相手側が発砲したと勘違いし、双方の銃撃戦にエスカレートした。


そこで、アメリカは欧米派のテレビ局に、治安部隊が50名もの素手で戦っていたデモ隊員を射殺したというニュースを報道させた。すると、激怒した大勢のキエフ市民が政府の庁舎を襲ったために、ヤヌコービッチは止む無く、キエフから逃げ出すしかなかった。つまり、力で無理やり追い出されたので「クーデター」だった。

 

ヤヌコービッチ大統領は、欧米が派遣した選挙監視団も認めた合法の大統領なので、ヌーランドの謀略で組織された暫定政権は「クーデター政権」だ。しかし、ウクライナは日本のような国民国家ではなく、モザイク国家であり、ウクライナの多数派であるウクライナ民族の多くはEUへの加入を期待していた。それで、ウクライナ民族はヌーランドの謀略で騙されていたのだが、暫定政権に反対し、抵抗したのは人口が20%程度のロシア民族だけだった。

 

日本のような国民国家の場合なら、暫定政権は紛れもない「クーデター政権」だが、大多数のウクライナ国民は暫定政権を受け入れたので、一種の「革命政権」という面もある。つまり、ウクライナ民族にとっては「革命政権」だが、ロシア民族にとっては「クーデター政権」という他ない政権が暫定政権だった。

 

しかし、ヌーランドの傭兵を使った謀略は、ウクライナ民族とロシア民族との対立を煽って内戦まで起こした。そして今は、核戦争まで引き起こしかねない事態となっている。アメリカはウクライナ民族とロシア民族との対立は、そもそも、アメリカが捏造した2014年2月22日の「治安部隊がデモ隊50名を射殺した」というウソが原因であることを明らかにして謝罪し、双方に即時停戦を呼び掛けるべきだ。

 

★2:帝政ロシア時代から、ウクライナ民族とロシア民族は対等ではなく、ウクライナ民族は、ロシア民族に従属させられていたのは確かだ。また、スターリン時代に大規模な飢餓が起き、餓死者が出たのも確かだが、餓死者はウクライナだけでなく、ロシアやカザフスタンでも発生したので、特に、意図的にウクライナ人を狙ったものではないというのが定説。

 

そもそも、ロシア革命は反戦だけでなく、帝政ロシアを批判して起きた革命。それで、レーニンらは、政権の正当性として、帝政ロシア時代の悪政を正す理念として、「民族自決の理念」を掲げていたので、ソ連は帝政ロシア時代の帝国主義的な中央集権体制ではなく、連邦制の国になった。ただし、レーニンの死後のスターリン時代には、実態としては、再び中央集権体制に戻ってしまったのだが、それでも、憲法が連邦制だったので、ウクライナは、平和裏に独立出来た。

 

また、ロシア革命後に実施された国勢調査で、国民の民族性を調査する時に、革命政府は、当時主流だった言語による分類をしなかった。というのは、帝政ロシア時代の悪政により、ウクライナ民族には母語がロシア語になってしまった人々が多かったからだ。もし、ロシア革命が起きなかったり、あるいは、この時に言語による分類をしていたら、今頃はウクライナではロシア民族が20%弱の少数派ではなく、半数近くまで増えていたかもしれず、今もウクライナはロシアの一部だったかもしれない。

 

また、フィンランドが独立国家となれたのも、レーニンらの革命政府が掲げた「民族自決の理念」の御蔭だ。と言うのは、フィンランドは一度も国家らしい国家を樹立したことはなかった。革命ロシアが、初めてフィンランド人を独立する力がある民族と認め、短命だったが、オットー・クーシネンが率いる「フィンランド社会主義労働者共和国」を独立国家と初めて認めてソ連邦から切り離したからだ。

★3:キエフを攻撃していた部隊の撤退が、極めて速かったので、最初から陽動作戦だった可能性がある。