備忘録
2014年以降、ウクライナ国内のロシア人1万数千人を無差別に虐殺したウクライナも悪いが、ウクライナも含めた周辺国のロシアへの恐怖を解消しなかったロシアも悪い。しかし、最も悪いのは2014年に「クーデター」でロシア人大統領を失脚させた米国のネオコンと軍産複合体。即時停戦を!!
神ならぬ人間の言説は全て暫定的なもの従って、随時更新しなければならないので永遠に工事中!
(2023年10月23日) 

 

 

★★これからしばらくの間、地球温暖化と世界情勢の不安定化で、日本は飢餓の危機に直面する可能性がある


 

家畜の飼料も輸入しているので、日本の真の食料自給率は約10%。そこで、日本人は新しい様々な農業を学ぶ必要がある。ということで、柴咲コウさんの「菌ちゃんふぁーむに遊びにいってきたよ♪」


「柴咲コウ レトロワch.」は、登録者数 33.1万人のチャンネル

菌ちゃんふぁーむに遊びにいってきたよ♪|柴咲コウ  2023/09/13  


長崎にある菌ちゃんふぁーむへ遊びに行きました♪北海道で学んだことを復習しながら4ヘクタールという広大な畑の一部を案内していただきました。自然農法で循環している畑は丸太や麻の布、肌着までもが菌ちゃんのエサに…!?最後には活き活きとしたお野菜で、疲れた体を癒すあるものもつくります✨是非ご覧ください♪


吉田俊道 - Wikipedia

 

 

★★イスラエルは日本人が想像するような普通の国ではない。現代の最悪の反ユダヤ主義者は、イスラエルのシオニスト自身!!

 

★イスラエルは、380万人ものパレスチナ人を、まるで家畜のように砂漠に壁で囲って拉致・監禁し、好き勝手に殺害している近代史上、稀に見る殺人・人種差別国家=レイシスト国家。

 

★25分30秒~イスラエルは、世界に冠たる人種差別国家!!イスラエルは、パレスチナ人を殺しまくっている!!

★35分30秒~ウクライナでは、既にアメリカ軍兵士もロシア軍と戦い、戦死者も出ている!・・・既に、第三次世界大戦は始まっているのか?!

 

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【伊藤貫の真剣な雑談】第15回 伊藤貫×水島総特別対談「米ランド研究所も止めるウクライナ戦争、世界大戦を招くネオコンの愚行と卑しさ極まる拝米保守」[桜R5/6/24]
2023/06/24

 

●日本のテレビ知識人たちは宗主国のアメリカを忖度し、イスラエルが事実上のファシスト国家、アパルトヘイト国家であることから目を背け、イスラエルを普通の国家という前提で、この問題を論じている。ところが、イスラエル初代首相のベン=グリオン自身が、ユダヤ人が大量虐殺された「ホロコースト」とは無関係のパレスチナ人から奪い取った土地だと認めている。

 

イスラエルの初代首相自身が認めているのに、日本や欧米諸国は、この点を認めないから、何回も戦争が繰り返される。今の「ハマス」の戦闘員は、1987年12月に始まった「第一次インティファーダ」の頃に生まれ、2000年9月末から始まった「第二次インティファーダ」の頃に、多感な少年期を過ごしたパレスチナ人。

イスラエルがパレスチナ人を殺せば殺すほど、イスラエルの敵は増え、強大化してゆく。

 

近い内に、イスラム教徒の人口はキリスト教徒の人口を抜いて30億人前後に達するとされている。アメリカが命じるままに、アメリカによるイラクやアフガン侵略に加担した日本も将来、この30億人ものイスラム教徒から、アメリカの手下として殲滅対象民族と指定されるかもしれない。

 

●イスラエルのキブツ村の社会主義的な共生的システムは素晴らしいのは確かだ。しかし、ある日本人の若い旅行者が、イスラエルのキブツ村を見学した時、若者は、そのキブツ村の裏に、元のパレスチナ人の村の痕跡を見つけたので気分が悪くなり、早々に退散したという。

 

今回、ハマスに襲われたガザ近郊のキブツ村は、元はパレスチナ人の村だった。75年前、パレスチナ人の村民は、第一次中東戦争に勝ったイスラエル軍に追い立てられて村を放棄し、ガザの砂漠に造られた難民村に、75年間も閉じ込められてきた。

 

●ハマスをテロ組織と呼んでいる日本のテレビ知識人は無知なのか、アメリカを忖度して惚けているのかのどちらかだ。というのは、ハマスは、イスラエルが二重の意味で生み出した組織だからだ。第一は、イスラエルの建国が、パレスチナ人の抵抗組織であるハマスを産み出した。

 

第二は、実際に、イスラエルがパレスチナ人を分裂させるために、パレスチナ人を代表する抵抗組織「PLO」の対抗組織として、ハマスを育成したからだ。現在、イスラエルは自分が生み出した武装政党「ハマス」と戦っている。

 

●このように、現在のイスラエル人が住んでいる大地のほとんどは、75年前までパレスチナ人が2000年以上も住んでいた大地。また、あるイスラエルの学者の研究では、今のパレスチナ人こそがかって、この地に住んでいたユダヤ人たちの子孫の可能性が高いという。

 

それで、1948年のイスラエル建国の前後に、パレスチナ人から土地を奪って移住したイスラエル人は、パレスチナ人から奪った土地を元のパレスチナ人に返し、ユダヤ人は砂漠地帯にあるパレスチナ人難民キャンプか、西岸地区の砂漠地帯に村や街を建設して引っ越す。つまり、ユダヤ人はパレスチナ人と住居や農地を入れ替えるしか、恒久的な解決方法は無いのではないか?

 

ホロコーストは、ヨーロッパ人に根強いユダヤ人差別が原因。この人種差別問題を解決できないヨーロッパ人はユダヤ人への贖罪の意識だけでなく、ヨーロッパに住むユダヤ人をパレスチナの地に移住させてヨーロッパのユダヤ人人口を減らすという安易な解決方法を選択したから、この戦争が起きた。

 

しかも、11世紀末から、13世紀まで続いた十字軍との戦争では、パレスチナのイスラム教徒は残存していた極少数のユダヤ人と共闘して十字軍と戦った戦友同士なので、その後、約100年前にユダヤ人の大量移住が始まるまで、何百年もの間、パレスチナの地では両民族は共存していた。

 

更に、そもそもアダムの子孫は全員がイスラム教徒と定義しているイスラム教では、ユダヤ人も潜在的にはイスラム教徒なので、イスラム教徒のアラブ人やパレスチナ人は、ユダヤ人差別とは無関係だった。そのため、パレスチナ人やアラブ人は、イスラエルの建国に強硬に反対したが、イスラム教徒を軽視していたヨーロッパ人は、このアラブ人やパレスチナ人の反対の声を無視して、イスラエル建国を承認した。


●これは、日本で言えば、国連が勝手に、九州や四国を別の民族の国と決定し、数千年もの間、九州や四国に住んでいた日本人を、ある日突然追い出したのと同じ。そのため、アラブ人やパレスチナ人は、国連が「パレスチナ分割決議」でイスラエル建国を承認すると、その翌日から、第一次中東戦争を始めた。つまり、この戦争は国連が冒した誤りで起きた戦争でもあり、イスラエル建国を推進した欧米諸国とシオニストに、最も重い責任があるのは自明だ。


また、第二次大戦後も、戦前と同じような帝国主義国として振る舞っていたイギリスの責任も重い。イギリスは第二次大戦後も、中東では覇権国であるかのような振る舞いをして、この戦争の火種となった三枚舌外交をしたり、イラクやシリア、トルコなどの国境をフランスと共に勝手に決め、今日の災いを招いた。そのイギリスは、1956年12月に始まった「スエズ戦争」(第二次中東戦争)で、アメリカに覇権を奪われたことが明らかになると、イギリスは、アメリカの緊密な同盟国として生きる選択をした。

 

一方、アメリカは戦後、ヨーロッパと東アジア、中東の3方面をアメリカが押さえれば、世界覇権を維持できるという世界戦略を採用した。それで、イスラエルをアメリカの中東における出城として維持するために、長年、アメリカは対外軍事援助予算の半分を、アパルトヘイト国家、ファシスト国家であるイスラエル(ネタニヤフ政権はナチと同じ極右政権)に与えて軍事的に支援してきたので、アメリカの責任が最も重い。

 

 

★★12歳のパレスチナ人少年の無残な殉教から23年が経過

 

★今の世では「悪人」ほど「善人」ぶる。従って、パレスチナ人をテロリスト(悪人)と呼び、正義派を装っている日本人や欧米人の方が、本物の「悪人」!!

 

「Middle East Eye」は、登録者数 63.1万人のイギリスのチャンネル

Muhammad al-Durrah: the image that shocked the world

2020/10/01

 

parstoday:9月 30, 2023
12歳のパレスチナ人少年の無残な殉教から23年が経過
https://parstoday.ir/ja/news/middle_east-i119232

 

●12年前の今日、非武装のパレスチナ人親子がイスラエル兵の銃撃によって殺され、その映像が世界中に放送されたので、この親子の射殺映像は第二次インティファーダ(2000年9月から2005年2月)の決定的なイメージとなった。

 

今年に入ってからも、イスラエルは西岸地区で、イスラエルの入植に抵抗するパレスチナ人を家畜のように殺している。ハマスに襲われたキブツも、元はパレスチナ人の村だった可能性が高い。今、イスラエル人が住んでいる街や村のほとんどは、100年から75年前まで、パレスチナ人が住んでいたからだ。

 

それで、両者を入れ替えるしかない。つまり、イスラエルの街や村を元のパレスチナ人に返還し、パレスチナ人ではなく、イスラエル人が砂漠の難民施設に住むようにしないと、この対立は終わらない。他人から盗んだ物は返さなければならないのが、資本主義的民主主義の原理・原則だ。

 

イスラエルは、かつて「アパルトヘイト」をしていた南アフリカと同等か、それ以上の世界最悪の人種差別・殺人国家。この殺人国家を支援してきた欧米諸国には、そもそも人権とか民主主義を語る資格が無い。この問題は、ユダヤ人差別を解決できない欧米が国連を利用して、ユダヤ人差別問題とは無関係なパレスチナ人から土地を奪ってイスラエルを建国したから起きた。

 

日本の公安調査庁やテレビに出て来る学者たちは、「ハマス」(1987年~)をテロ組織と規定している。しかし、そもそも国連が1947年に、ヨーロッパで起きた「ホロコースト」とは無関係なパレスチナの地に、アラブ側の反対の声を無視して、勝手にイスラエルの建国を承認したこと自体が著しい不正義。「ハマス」は西側やイスラエルの蛮行が創り出した武装政党。イスラエルはアメリカと同様に、自分が創り出したものと戦っている。★1
 

●そもそも、パレスチナにイスラエルが建国されなければ今頃、パレスチナ人はイスラエル建国前からパレスチナに住んでいた少数のユダヤ人と共に、平和に暮らしていたはずだ。そして、イスラエルが建国されなければガザを統治し、イスラエルと戦っているイスラム武装政党「ハマス」自体が結成されなかった。★2

 

イスラエルを「世界に冠たる人種差別国家」と断言している伊藤貫氏の実の姉は、自民党安倍派の山谷えり子参議院議員であり、本人も反中国の保守系政治アナリスト。しかし、伊藤貫氏は在米30年なので、アメリカの政界や官界に多くの人脈を持ち、日本のテレビや新聞が隠蔽しているアメリカと世界の実態を暴露している。「商売保守」や「売国保守」が多い日本の保守派にしては、極めて珍しい気骨のある日本人。伊藤貫氏は、シリア政府軍と戦った「イスラム国」も、アメリカ製だった暴露した。これらは命懸けの暴露だろう。★3

 

★1:この1947年の国連による「イスラエル建国」の承認を主導したのは西側諸国、今のNATO諸国だったが、スターリンのソ連も賛成したので、ソ連にも責任がある。スターリンは承認するか迷った末に、イスラエル建国運動をしてきたユダヤ人には、元社会主義者の「シオニスト」が多かったことで、イスラエルが親ソ連国家に成ることを期待して賛成したようだ。

 

しかし、スターリンの読みは外れ、イスラエルは親米国家化したので、その後に4回起きた中東戦争では、ソ連はアラブ人側を軍事支援したので、ロシア人と中東のアラブ人の間に太いパイプが出来た。グルジョア人であるスターリンも、ロシア人に悪いことばかりしていたのではなく、アラブ人やアフリカ人、南米の人々など、親ロシア派の友人も残した。

 

★2:実は、イスラム教スンニ派の同胞団系武装政党「ハマス」の結成(1987年)を容認し、育成してきたのはイスラエル自身だった。というのは、当時のパレスチナ人を代表し、イスラエルと武装闘争をしていたのは「パレスチナ解放機構」(PLO:ファタハ)だったので、欧米諸国はイスラエル側に、「PLO」との和平協議をするように圧力を掛けていた。

 

ところが、イスラエルは、イスラエル初代首相で、正真正銘のテロリストであるベン=グリオンのパレスチナ人との和平拒否=パレスチナ人の「ジェノサイト政策」を採用している。これは、パレスチナ人を全員追放するか、あるいは絶滅させて、イスラエルをユダヤ人の単一国家にする構想で、ウクライナからロシア人などを追放し、ウクライナをウクライナ人だけから成る単一民族国家にしようとしているウクライナのネオナチ派と同じ国家構想。イスラエルは、この単一国家の実現を最終目標にしているので、当時も(今も)、パレスチナ人と和平協議などするつもりは全く無い。


そこで、イスラエルはパレスチナ人を分裂させ、パレスチナ人同士に殺し合いさせて、パレスチナ人の人口を減らすためにも、「PLO」の対抗馬として、「ハマス」の結成を容認して育成した。その結果、ガザでは「ハマス」が選挙で勝ち、その後の戦闘で「PLO」派を、ガザから追放して実権を奪うことに成功した。

 

その結果、パレスチナ人は人口160万人の西岸地区で多数派の「PLO」派と、人口230万人のガザの「ハマス」派と分裂したために、国連等で公式にパレスチナ人を代表している西岸地区の「PLO」派と和平協議をしても実効性が無くなったので、イスラエルの目論見通りに、欧米諸国からの圧力は減った。しかし、その結果、イスラエルは自らが生みだした武装政党「ハマス」と戦う羽目に陥った。


★3:ロシアの侵攻後、イギリスは秘密裏にウクライナのネオナチ派をイギリスに招待して軍事訓練を施し、最新型の武器もネオナチ派に渡していた。しかし、この訓練に参加していたネオナチ派が、これを自慢したためにバレてしまった。このように、現在の世界は「敵の敵は味方」の論理で動いているため、アメリカはシリア東部では民族主義的左派のクルド人勢力と連携し、シリア西部では、アルカイダ系武装組織を民主派と宣伝して、アサド政権を倒すために連携してきた。

 

更に、アメリカは、シリアの反アサド派を民主派と偽って軍事訓練をしてきたが、訓練が終わると、武器を持ったまま「イスラム国」に参加してしまった者もいた。また、世界各地で、アメリカ政府の事実上の代表として活動していた共和党右派の故マケイン議員が、シリアの反アサド派の幹部たちと会談している写真が流出したことがあったが、その中にはアルカイダ系の人物や、後に「イスラム国」のリーダーと成る人物もいた。


アメリカは、一方では「イスラム国」の兵士を育成して「イスラム国」の勢力を強化しながら、その一方で、「イスラム国」退治を大義に、シリア東部の砂漠地帯に勝手に軍事基地を建設するという国際法違反を、今でもしている。アメリカの政治や情報活動に詳しい伊藤貫氏は、「IS」(イスラム国)はアメリカ製だと言っている。

 

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備忘録(2023年10月23日)

 

★★伊藤貫の真剣な雑談】第16回「プーチンの知恵袋、セルゲイ・カラガノフ!!」[桜R5/9/30] 1

★当ブログは、「新日本文化チャンネル桜」や伊藤貫氏の核武装論は支持できないが、在米30年で、アメリカの政治家や官僚と人脈がある伊藤貫氏は、反中国の保守派でありながら、アメリカの真の姿を暴いている極めて珍しい人物。

 

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伊藤貫の真剣な雑談】第16回「プーチンの知恵袋、セルゲイ・カラガノフ!!」[桜R5/9/30]

 

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切り抜き 真剣な雑談】第16回「プーチンの知恵袋、セルゲイ・カラガノフ!!」[桜R5/9/30]
 

この番組は、米ワシントンに30年以上在住で、外交・国際関係・金融問題に定評のある国際政治アナリストの伊藤貫氏が、月並みな時事解説とは一線を画す真剣な雑談を、毎月1回のペースでお送りいたします。


今回は、ウクライナ戦争を遂行するプーチン大統領の懐刀と言われている、セルゲイ・カラガノフという人物について解説していきます!

出演:伊藤貫(国際政治アナリスト)

 

<以下略>


<コメント>

 

①ロシア文明は、欧米の自己中心主義的文化とは真逆の、自己が帰属する共同体への貢献を生き甲斐としている集団主義的な文化なので、ロシア人は、戦前の日本人と良く似ている

 

●ロシアの歴代大統領の政治顧問で、プーチンの懐刀セルゲイ・カルガノフ氏は、ロシアで一番影響力のある政治経済学者兼、軍事学者だが、文明論に関しても論文を書いている。と言うのは、彼に言わせると、国際政治経済学と文明のあり方は切り離せないからだ。それで、彼はロシアが目指している国家の理想はどういうものかとか、ロシア人とは一体どういう人たちなのかを解明することが重要だと言う。

なぜ、彼がこのように考えるようになったかと言うと、1990年代のエリツィン政権の時代の酷い経験があるからだ。ソ連の崩壊後、アメリカはロシアの経済エリートと組んで、ジャーナリストのナオミ・クラインが著書で『ショック・ドクトリン』と呼んだ急激な経済改革をさせて、ロシアを崩壊寸前にしたからだ。


この時、ロシアの資源は市価の2~3%の価格でアメリカのゴールドマン・サックスやジョージソロスなどの金融業者に売られ、彼らは40兆円~80兆円もの利益を得るという略奪を行った。また、これらの金融業者と組み、大儲けしたロシア人エリートの8割は、ロシアとイスラエルの二重国籍者のユダヤ系で、彼らの中には1人で数千億円から数兆円も稼いだ者もいたという。

 

★:ロシアもユダヤ人差別の国。ロシアのユダヤ人には、ロシアを憎む者がいても不思議ではない。
 

その結果、ロシアのGDPや個人所得も5、6年で半分になり、最後には年金や福祉予算も廃止となって、何百万人ものロシア人が貧困やアルコール中毒で死亡した。その結果、男性の平均寿命は、ソ連崩壊後の10年間で67歳から57歳と10歳も短くなった。これは17世紀の「30年戦争」並みの歴史的大惨事だった。

 

★:この頃、プーチンも副業で夜にはタクシー運転手をしていたという。当時モスクワに赴任していたCIAや国務省の担当官が、このような犯罪行為をしたら、将来必ず正常な米露関係を破壊すると危惧して、ワシントンの上司に報告したが全て握り潰された。また、欧米のBBCやニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストのような一流マスメディアも、ロシアの惨状を報道せず、後に彼らも、この分け前を得て潤った。

マスメディアが真実を報道しないため、選挙や世論調査は、マスメディアによるウソ報道の効果を確かめるテストでしかなくなった。ジャニーズの件さえ報道しなかった日本のマスメディアはもちろんだが、欧米の民主主義は半身不随状態だ。


●ナショナリストのプーチンは、これらの腐敗したエリートを一掃したので、今でも絶大な人気がある。こうした事態が起きたので、カルガノフ教授はロシア人とはどうのような民族なのかと深く自省し、彼はロシア文明と欧米の文明の相違点について、以下のように説明している。

 

欧米の文明は、「今だけ、カネだけ、自分だけ」という自己中心主義の個人主義的文化と断定する。一方、ロシア文明は家族、社会、国家、神、つまり自己が帰属する共同体と神への貢献に意義・価値を見出す集団主義的な価値観の文明とし、カルガノフ教授は、欧米のような(極端な)個人主義文明は、やがて滅びると主張している。

 

★なぜ、滅びるかと言えば、そもそも、自分だけの利得に生きる欧米の資本主義文化では、社会を維持出来なくなるからだ。たとえば、株式市場では誰もが、自己の経済的利得を目指して活動している。しかし、スポーツ競技には審判が必要なように、株式市場にも、「インサイダー取引」などの不正を許さないという道徳重視の人たちが担うべき「証券取引等監視委員会」が必要だ。このような審判的な機関の統制無しには、株式市場は成り立たない。

 

ところが、資本主義社会は経済的利得を原理・原則とする社会。この社会では毎日、メディアで貨幣を万能の神とする「貨幣教」の「お得ですキャンペーン」が流される。つまり、資本主義社会では現実の社会も貨幣が神化しているから、誰もが、「経済的な損得を判断基準に生きよ、さもないと痛い目に遭う」と日々洗脳されている。すると、道徳的活動に意義を見出す人材で構成すべき「証券取引等監視委員会」の職員も、徐々に「貨幣教」に洗脳されてしまうので、やがて、まともには機能しなくなる。

 

これは、共同体への献身を生き甲斐とする人材が担うべき政治家や官僚などの公務員も同じなので、社会は徐々に腐敗・堕落し、今のアメリカのように崩壊寸前となる。学校で、いくら道徳を教えても、家に帰れば家計のやり繰りに日々悩む親を見るので、子どもは道徳規範を守るよりも、お金を稼ぐ方が大事だと確信するに違いない。

 

●伊藤貫氏によると、今のアメリカのワシントン・ポストや、ニューヨークタイムズなどの「一流紙」も、政府のウソを隠蔽して、1990年代にはロシアから搾取した莫大な利益の一部を受け取り、大儲けをしたという。

 

また、伊藤貫氏によると、アメリカではNPOを通して議員に政治献金した場合、一切公表されないため、超富裕層は自前のNPOを設立して巨額の献金をしている。何億円、何十億円もの巨額の資金を、NPOを通して特定の政治家に献金し、超富裕層が必要とする法案を成立させているから、アメリカ民主主義など既に崩壊している。民主主義の条件は選挙だけではない。

 

★資本主義国家では、経済的利得が価値基準となり、人は幼児期から凄まじい<競争>圧力に晒される。ストレス国家日本では、毎年、500人前後の未成年が自殺するほど「ウツ病」が国民病となって蔓延する。それで、やがて日本も内部から崩壊するかもしれない。

 

資本主義国家では、海外への工場移転や、富裕層の海外移住サービスでさえも、正当なビジネスとなるほど国家は軽視されるので、やがて、国民や民族の紐帯も弱体化して国民の世界市民化が進むという良い面もある。もちろん、それでも豊かな社会なら、直ぐには腐敗社会にはならないが、腐敗も間違いなく進む。

 

17世紀末に即位したピョートル大帝以降、ロシアは欧米の文化を取り入れて近代化してきたので、ロシアにも、欧化した人が大勢いる。しかし、確かに、ロシア文学には、これをテーマにしたと思われるドストエフスキー「白痴」、ノーベル文学賞を受賞したソルジェニーツィン「イワン・デニソビッチの一日」という作品がある。

 

「白痴」の主人公ムイシュキン侯爵は、ドストエフスキーが、この世で最も美しい人物を描こうとして造形した人物。結局、この世で最も美しい人物は称賛されるどころか、欧化した普通の人から見れば、世間知らずの「白痴」と見なされてしまうことで、当時の欧米の価値観・文化に汚染されたロシア社会を、ドストエフスキーは鋭く批判した。

 

当初、その余りに「無私」なムイシュキン侯爵を馬鹿だと罵っていた美人悪女ナスターシャも、最後にはムイシュキン侯爵が、この世で最も美しい人物だと認める感動的ストーリー。つまり、ナスターシャも、元々はムイシュキン侯爵と同じ価値観の持ち主だった。しかし、彼女の過酷な人生が、それを心の奥底に追いやっていた。

 

ところが、ムイシュキン侯爵の登場がナスターシャに、「赤いキリスト」ゲバラやアフガン人に献身した中村哲氏のような人こそが、真に美しい人というロシアの伝統的価値観を蘇らせた。ドストエフスキーは「カラマーゾフの兄弟」にも、ムイシュキン侯爵のような人物アリョーシャを登場させているし、「罪と罰」のソーニャ、「地下生活者」のリーザなどもロシアの民族文化の神髄を体現した人物ではないか。

 

★ソルジェニーツィンの「イワン・デニソビッチの一日」の主人公イワンは、無実の罪で「ラーゲリ」に入れられたロシアの民衆の代表のような人物で、「ラーゲリ」での強制労働にも、生き甲斐を見出すような人物。要するに、ロシアの欧米化したインテリであれば、「ラーゲリ」での強制労働では、自分が働けば働くほど自分を有罪にしたスターリン主義体制を強化してしまうカラクリに気付く。それで、「ラーゲリ」での労働は、いわゆるマルクスの「疎外された労働」そのもののような労働であり、心が欧米化したインテリなら、そのような労働を呪詛しても、意義や生き甲斐を見出すことはあり得ない。

 

しかし、イワンの捉え方はインテリたちとは違う。イワンの強制労働の捉え方は、次のように例えられるのではないか。たとえば、イワンが「ラーゲリ」の所長から、病院の建設を命じられた場合である。この場合、イワンが病院を建設すれば、さしあたりスターリン主義体制への民衆の不満が減少し、自分を「ラーゲリ」に閉じ込めた不公正な体制は強化されてしまう、つまり、「ラーゲリ」での労働は「敵に塩を送る」行為だ。

 

しかし、病院は体制の如何を問わず、民衆には意義がある。病院の建設労働はロシア社会への貢献労働でもあるから、イワンのようなロシアの民衆は素直に、この意義を重視して強制された仕事でも、一生懸命働き、仕事の遣り甲斐も感じられる。ロシアの民衆の共生的精神が、支配者に悪用されてしまうわけだが、これはソ連以前のロシア帝国時代の「神自身の良心の命ずるところに従って統治する」皇帝(事実上の神)に奉仕していた農奴も同じ。カルガノフ教授に言わせれば、この共同体や神への貢献がロシア文明の特徴的精神性ということになるのだろう。

 

★われわれ近代人の見地からは、封建時代の農奴たちは、皇帝や法王に騙されて搾取されていた憐れむべき人々だが、実は貧しくとも、われわれ現代人よりも幸福だったかもしれない。なぜなら、キリスト教徒の彼らは日々、イワンのように労働で神への奉仕という最高の仕事をして生きていたからだ。彼らにとっては、神への奉仕ほど普遍的で、意義や価値がある仕事は他には無い。

 

一方、日本への奉仕を生き甲斐とする伊藤貫氏のような真性ナショナリストの場合は別だが、資本主義下で生きる大半の日本人の場合、せいぜい家族や地域共同体への奉仕止まりで、こじんまりとした小市民的幸福となる。それで、貧しくとも、「農民は労働で、貴族は剣で、聖職者は祈りで神に奉仕している」と思い込んでいた封建時代の農奴の主観では、日々、神という普遍的絶対者に奉仕することが可能だったからだ。もちろん、それでも飢饉や戦争で生活が破壊されれば、彼らにも「見えない関係」が見えるようになり、エネルギッシュなイワンたちは、腐敗した皇帝や聖職者を倒すロシア革命を起こした。

 

★日本人ほど、ロシア文学を好んで読む国民はいないという。やはり、両者は似ているから、日本人はロシア文学の登場人物に自己と同じ人物を見出せるからだろう。実は明治維新まで、日本の文化も集団主義のロシア文明に似ていた。しかし、明治維新後の資本主義の導入や敗戦での自信喪失と欧米文化の全面的な移入で、この精神や文化は衰弱したが、それでも1960~1970年代までは生き延びていたので、ベトナム戦争反対運動が誘発させた「世界革命」の波に、日本の学生や青年層も呼応できた。

 

しかし、この時の敗北が日本人の思想を大きく変え、それ以来、共同体への貢献に意義を見出すロシア的な文化は廃れ始め、代りに自分のためだけに生きる欧米の資本主義的文化が社会の隅々に浸透した。その結果、戦後の欧米式教育で育った村上ファンドの元代表・村上世彰氏は、「お金儲けは悪いことですか?」(つまり、金儲けは良いことだ)という衝撃的発言で日本社会を凍らせた。

 

子ども殺しは、ほぼ普遍的な「悪」だが、それ以外の善悪は「社会環境」が決定する。日本兵が毎日、大量に死んでいた先の大戦中、村上世彰氏のように「金儲けは良いことだ」(人はパンだけで生きるもの)と公言したら、守銭奴として袋叩きにされただろう。

 

しかし、戦後に平和な時代が到来して「復興」がスローガンとなると、当初は誰も口には出さなかったが、「復興」の裏側にあった、今やアメリカ人自身も信じなくなった「アメリカン・ドリーム」の「金儲けは良いこと」という文化が日本に浸透し、日本にも多数の村上世彰氏が現れた。

 

個人投資ブームの現在では、誰もが悪びれもせずに「金儲けは良いこと」と口にするし、村上世彰氏は、公然と税金が安いからシンガポールに移住すると言って日本を捨てたが、ナショナリストたちは批判しなかった。

 

1980年代以降の日本では、「万国の労働者よ、団結せよ!」という「国際主義」(インターナショナリズム:自国民だけでなく、全人類に基本的人権を認める思想)の理念で、全世界の労働者階級、つまり人類への貢献に意義を見出すマルクス派だけでなく、天皇を生き神とする真正右翼や保守派も壊滅した。

 

そのため、元首相の安倍晋三のような「売国右翼」や、著書を売って儲けることが目的の「商売右翼」の全盛時代が始まり、伊藤貫氏のような日本への献身に意義を見出す真正の保守派も極少数派となった。

 

(ただし、意外だが村上世彰氏本人はボランティア活動にも熱心だそうなので、単なる守銭奴ではないかもしれない)


続く

 

<参考>

 

ウクライナ動乱 ――ソ連解体から露ウ戦争まで (ちくま新書 1739) 新書 – 2023/7/6 松里 公孝 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E5%8B%95%E4%B9%B1-%E2%80%95%E2%80%95%E3%82%BD%E9%80%A3%E8%A7%A3%E4%BD%93%E3%81%8B%E3%82%89%E9%9C%B2%E3%82%A6%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%BE%E3%81%A7-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%EF%BC%91%EF%BC%97%EF%BC%93%EF%BC%99-%E6%9D%BE%E9%87%8C-%E5%85%AC%E5%AD%9D/dp/4480075704


isfweb:2023.06.25
ロシアによる核兵器使用はありうるのか:「カラガノフ論文」の重要性
https://isfweb.org/post-22974/
塩原俊彦


日本経済新聞:会員限定記事:2022年11月16日
米ロ対立、妥協望めず長期化必至 ドミトリー・トレーニン氏ロシア国立高等経済学院教授
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD106AJ0Q2A111C2000000/

 

isfweb:2022.04.04
第1回 ウクライナ戦争報道の犯罪
https://isfweb.org/post-902/
浅野健一

 

★日本はなぜ世界の国際政治のリアリズムを理解できないのか①|伊藤貫×室伏謙一

 

「ChGrandStrategy」は、登録者数 41.9万人のチャンネル

日本はなぜ世界の国際政治のリアリズムを理解できないのか①|伊藤貫×室伏謙一
2023/10/22

 

★日本はなぜ世界の国際政治のリアリズムを理解できないのか②|伊藤貫×室伏謙一

 

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日本はなぜ世界の国際政治のリアリズムを理解できないのか②|伊藤貫×室伏謙一
2023/10/22

 

(注)万一、中国やロシア、北朝鮮が日本を核兵器で脅したら、「どうぞ、お好きなように」と返答すれば良い。そして、「日本が本当に核兵器で攻撃されたら、日本は終わるから、日本にある全原発と青森の六ケ所再処理工場を爆破し、貴国も道連れにする」と付け加えれば良い。

 

日本には、約1万8000トンもの使用済み核燃料があるから、これが地上にばら撒かれたら人類滅亡し、日本を核攻撃した国も終了するので、実際には日本を核攻撃できる国は無い。(これ以外に、日本はプルトニウム46トンを保有し、国内には約10トンのプルトニウムもある)

 

更に、

 

★日本はなぜ世界の国際政治のリアリズムを理解できないのか③|伊藤貫×室伏謙一

 

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日本はなぜ世界の国際政治のリアリズムを理解できないのか③|伊藤貫×室伏謙一
2023/10/22

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

<休憩>

 

Armin van Buuren vs Shapov - Our Origin [Live at Tomorrowland 2018]

 

 

<再録>

 

 

★★息を吐くようにウソをつくアメリカ。世界で最も邪悪な国家

 

【世界史】 帝国主義の時代5 アメリカの動向 (19分)

90,114 回視聴2016/04/14


好戦の共和国アメリカ―戦争の記憶をたどる (岩波新書) 新書 – 2008/9/19
油井 大三郎  (著)
https://www.amazon.co.jp/%E5%A5%BD%E6%88%A6%E3%81%AE%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E2%80%95%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%AE%E8%A8%98%E6%86%B6%E3%82%92%E3%81%9F%E3%81%A9%E3%82%8B-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%B2%B9%E4%BA%95-%E5%A4%A7%E4%B8%89%E9%83%8E/dp/4004311489

1898年4月25日~8月12日まで、アメリカ合衆国とスペイン帝国が戦った米西戦争(スペイン・アメリカ・キューバ戦争:米西キューバ戦争)の発端は、266名が死亡したアメリカ海軍のメイン号の爆発だった。この爆発は、今日では、事故説が有力だが、当時のアメリカ軍の調査委員会が原因不明で有るにも拘らず、外部からの機雷による爆破だと発表し、このような状況をつくりだした責任は全てスペインにあると断定したために、アメリカのマスゴミは、スペイン人による卑劣なサボタージュ(破壊活動)が原因と断定し、「メインを思い出せ!くたばれスペイン!」という好戦的なスローガンを唱えて、米国民の報復感情を刺激した。


更に、既に読者の獲得競争を始めていた各新聞は、「アメリカ婦人を裸にするスペイン警察」という捏造記事を掲載したり、スペインのキューバ人に対する残虐行為を誇大に報道して、スペインへの憎悪を煽ったので、世論も開戦への圧力を増大させた。


【これは、今、アメリカが中国にしている「ジェノサイド」キャンペーンとそっくりだ。本当に、中国共産党がウイグル族を「ジェノサイド」(民族浄化・絶滅)しようとしているなら、絶滅させようとしているウイグル族にPCR検査をして陽性者を保護・隔離したり、免疫を高める薬を配ったりしないはず。そもそもウイグル族は、同じイスラム教徒の回族のように新疆だけでなく、中国各地の都市に定住し、ウイグル料理を提供するレストランなどを経営し、そこには大勢のウイグル族も働いている。上海にも1000人以上もいるが、新疆に残している彼らの家族が殺害されようとしているなら、各地に住むウイグル族はデモや暴動を起こしているはずだ。むしろ、実際にジェノサイドしているのはアメリカ。先住民のインディアンは現実には黒人よりも貧しく黒人よりも差別されている。彼らが押し込められている居留地は荒れ地が多いために、政府に依存せざるを得なくさせ、彼らからプライドを奪い、若者は絶望の余り、酒や麻薬に溺れて現実逃避する者が多い。インデアンの独立運動が2つあるが、政府は独立を認めない。また、白人に殺されても、警察は真剣に捜査せず、無罪や微罪となる例が多く、アメリカでは、明らかにインディアンは人として扱われていない】

 

BBC:2020年10月26日
中国当局、ウイグルの470万人を一斉検査 1人の感染確認で
https://www.bbc.com/japanese/54688595


キューバでは既に、1868年から1878年までの第一次キューバ独立戦争が起きていた。それで、1886年に奴隷は解放されたので裕福層は財産を失い、彼らの砂糖プランテーションはアメリカ資本に買い取られ、キューバは政治的にはスペインの植民地だったが、既に、経済はキューバに巨額の投資を行い経済の実権を握っていたアメリカの財界人に支配されていた。

 

こうしたことから、アメリカの財界人には、キューバはアメリカのものという意識が醸成されていたので、財界人も開戦を要求し、政治家も対スペイン戦が、アメリカ経済を拡大させると宣伝していた。アメリカ海軍は、開戦の1年以上前にスペイン軍との戦争計画を作成していたので、メイン号の爆発はアメリカによる謀略の可能性もある。


1892年、ホセ・マルティはキューバ革命党を創立し、1895年から平等な世界を実現するとして第二次独立戦争を始めていたが、マルティは待ち伏せ攻撃で戦死し、他の部隊も戦線膠着状態に突入していた。こうした状況下で、1898年2月にメイン号の爆発事故が起こると4月に、マッキンリー大統領は連邦議会に対し、キューバ独立軍を支援する立場での開戦を連邦議会に問い、議会は承認してスペインに宣戦布告した。

 

当時のアメリカ軍司令部は海底ケーブルで各部隊との通信を行って有利に戦いを進めたが、スペイン軍には海底ケーブルが無かったことや、既に国力も衰退していたために敗北し、キューバは1902年5月に400年近くに及んだスペインによる植民地支配から解放され、独立を達成したが、この独立は形式的な独立となり、以後、キューバ以外の諸国も含めて、カリブ海全体がアメリカの裏庭とみなされ、保護国化(植民地化)が進行した。

 

1952年、キューバでは軍事クーデターによりバティスタが政権を奪取し、アメリカからの援助をうけつつ独裁体制の強化を図ったが、左派の学生組織や左翼組織による反バティスタ運動が高揚した。1953年7月26日には、カストロ兄弟ら123人の若者がモンカダ兵営を攻撃したが失敗し、 リーダー格の弁護士フィデル・カストロと弟ラウル・カストロも捕らえられた。裁判でフィデル・カストロは「歴史が私に無罪を宣告するであろう」と演説し、15年の刑期となったが1955年に恩赦で出獄し、カストロ兄弟はメキシコに亡命した。


カストロ兄弟はメキシコで、再度バティスタを倒す準備を行い、医師チェ・ゲバラらも加わり、1956年11月、「グランマ号」に合計82名で乗り込み、キューバに戻った。しかし、が待ち伏せしていたバティスタ軍に包囲され、生き残った12名はマエストラ山脈に逃げ込んで拠点とし、革命軍を組織して再起したが、他のメンバーは戦闘や裁判で殺害された。


1958年、国内の仲間を集めて革命軍を組織したカストロらが首都ハバナへ進軍を始めると、民衆の圧倒的な支持を得て連戦連勝で進軍したので、1959年、ついにバティスタはドミニカ共和国へ亡命して革命軍が勝利し、カストロ政権が樹立された。実は、この頃のカストロは社会主義者ではなかったこともあり、カストロはアメリカに、スペインにバナナや砂糖などのモノカルチャー経済化され、自給自足が不可能にされたキューバへの援助を期待していた。


しかし、米国の巨大資本の手先であるアイゼンハワーやケネディ大統領は、民主主義の理念よりも、「米国企業の権益」保護を重視していた。つまり、彼らは「帝国主義者」=「植民地主義者」という正体を現し、米国企業の権益を害さずに、アメリカからの「援助」(施し)を得る、つまりアメリカの「保護国」のままで我慢しろと、カストロに妥協を迫ったのである。

 

それで、米国式民主主義は「羊頭狗肉」であったことを思い知らされたカストロは、ソ連に助けを求めるしか選択肢がなくなると共に社会主義者に変身し、1961年に社会主義宣言を行い、キューバ革命を社会主義革命として位置づけた。それで、ケネディ大統領はカストロ政権を打倒すべく、ピッグス湾事件を起こしたが失敗した。しかし、ソ連に助けを求めたキューバも、「一国社会主義」(スターリン主義)の道へと迷い込むことになった。


メキシコ時代から既に、社会主義者となっていたゲバラは、革命政権の工業相だったが、1965年2月27日に、アルジェリアで開催されていた「第二回アジア・アフリカ経済会議」で、当時、キューバの最大援助国だったソ連を「帝国主義的搾取の共犯者」と非難し、工業相の職を辞してキューバを離れた。

 

キューバを救うには、世界革命を実現し、スターリンの「一国社会主義」というマルクスが否定していた無理な路線から離脱するしかなかったからだ。それでゲバラは大臣の職を捨てて、仲間と共に再びジャングルに戻ることにしたのだが、1967年10月8日、CIAとグリーンベレーの軍事顧問団に指導されていたボリビア軍のレンジャー部隊との戦闘で捕虜となり、ゲバラは射殺されてしまった。

 

400年もの間、スペインに植民地されていたキューバは、アメリカの強烈な植民地化の圧力に晒されていたために、逆に植民地にされるよりはマシとして、貧しいままでも分裂を起こさずに、基本的には「一国社会主義」を堅持して来られた。

 

しかし、革命の先達であるレーニンやトロツキーは、農業国ロシアが、当時のドイツやイギリスなどのような先進国の援助なしで、社会主義制度を導入しても、数々の問題に直面して実現不可能であることは知っていた。だから、彼らはドイツ革命の失敗が明らかになると、革命からわずか4年後の1921年には、現在の中国やベトナムのような市場経済を導入する政策であるNEP体制に移行した。

 

しかし、スターリンが「一国社会主義」を導入したために、ソ連を閉鎖国家にしてしまい、結局は破綻してしまった。それで、キューバもソ連や東欧のように限界点に直面するので、AIが市場の機能を代行し、計画経済を可能にするまでの間、格差社会化を極力抑えながらも、やがて中国のような「国家資本主義」に移行するしかない。土地の公有制を認める政党であれば合法化して、共産党の独裁体制を離脱した方が、「国家資本主義」体制は安定するだろう。


【米西戦争の犠牲者】

アメリカ軍側は、キューバ軍戦死者1万665人、アメリカ陸軍戦死者345人、負傷者1577人、病死2,565人、アメリカ海軍戦死者16人、負傷者68人。スペイン軍側は、スペイン陸軍戦傷者3,000人、捕虜6700人、病死1万3000人、スペイン海軍戦死者560人、負傷者3~400人と、アメリカ軍の損害は軽微で死者の多くは病死。戦死した兵士のほとんどがキューバ独立軍の兵士だった。


★★イタリアにいじめが存在しない理由 差別的教師に反抗する子どもたち 

 

WEZZY:2018.12.19 
イタリアにいじめが存在しない理由 差別的教師に反抗する子どもたち 
https://wezz-y.com/archives/62200
宮崎隆司(イタリア国立ジャーナリスト協会会員)


<以下略>

 

【コメント】

 

読売新聞:2021/11/03
昨年の小中高生の自殺、過去最多499人…学校行事の中止などで心身に疲労か
https://www.yomiuri.co.jp/national/20211102-OYT1T50171/

 

●大学のシステムでは、何年もの間一緒に授業を受け続けるのは語学のクラスだけで、他はバラバラになり、学生が自分で選んだ授業を受けるタイプが多いが、ヨーロッパには、これと同じシステムで小中学校が運営されている国もあり、そのような国では、イジメ自殺などほとんど起きないという。


おそらく、一度でも激しくイジメられた生徒は、その自分をイジメた生徒がいる教室での授業は極力避け、別の教室を選んで授業を受けることで、いじめっ子との接触を極小化できる。それで、イジメが深刻な事態にまで発展しないので、イジメ自殺など、起きないのではないだろうか。

 

●著者はイタリア在住の日本人で、15歳の息子と9歳の娘はイタリアの学校に通ってきたが、この2人はイジメというものが理解できないという。なぜなら彼らは、だれかにイジメられたことも、イジメを見たこともないから、イジメの意味さえも理解できないという。


イタリアの学童は、誰かが差別など不当なことをしていると、相手が教師であれ、「おかしい」と声を上げるので、イタリアの学校ではイジメも、イジメ自殺などもほとんど起きないらしい。もちろん、イジメがゼロとは言い切れないが、イタリアにはほとんどないという。

 

日本人は、マスクを嫌う欧米人を理解できないが、このイタリアの子供の話を聞くと、余りにも大人しく従順で、世間に反抗しない日本人の方がおかしいのかもしれないと思うようになる。

ちなみに、WIKIによると、ノルウェーではテストは家庭内で実施され親や家族と結果を共有する。成績通知表はなく、教員による助言が記されるという。

 

●太古の昔から、子供の仕事は「食べることと遊ぶこと」。この食べて、遊ぶことで、人類は生後的に社会的動物に成れるのであって、人類のDNAに社会的動物であることが、刻み込まれているのではない。

 

欧米諸国では、過度の競争の脅威に晒されている多くの子供が「うつ病」に罹っているから、タリバンの教育観を頭ごなしに否定するほど、われわれの教育システムが優れているわけではない。

 

約200年前から、この人類が長年に渡って培ってきた子供観は、武士や大商人のような特権階級だけでなく、庶民まで否定するようになってしまい、多くの子供から、楽しい子供時代が失われるという大惨事が起きた。

 

●途上国には、学校に行きたかったという貧しい家の子供がいるのは確かだが、他の子供と同じ体験ができないという孤立感・置き去り感が言わせるのであり、純粋な知識欲で学校に行きたかったという子供はゼロではないが、やはり少数だろう。

 

近代に、子供は「小さな大人」から、学童として「再発見」される羽目になり、多くの子供の苦難が始まった。その結果、英米では多くの子供が「うつ病」に罹っているし、日本では、「うつ病」だけでなく、イジメやイジメの恐怖も加わり、日本の子供から、大切な「子供時代」が奪われつつある。

 

●この根本原因は、古代から始まった貨幣経済が資本主義により、社会の隅々まで浸透した結果、人間まで商品と化して売り買いされる全員奴隷時代が到来したからだ。それで、奴隷だらけの社会になり、奴隷が余るようになったので、元の奴隷らしい奴隷は必要がなくなり、奴隷解放が実現した。

 

近代の個人間や企業間、国家間の競争を勝ち抜くことを前提にした教育を極限まで進めた中国では、近代教育の弊害面が自覚され始めたようで、試行錯誤が始まった。しかし、日本では独裁者の身勝手な弊害のように宣伝され、子供まで「うつ病」にする教育システムが見直される機運は起きていないようだ。

 

しかし、根本には、労働者同士を競争させることで敵対させ、孤独にして、組合の結成で団結して対抗されると困る経営者側の統治術がある。これは、分割して支配する支配者の統治術だ。

 

資本主義的な個人間や企業間、国家間の競争には経済的な利得が結びつき、生活・生存と直結している。この競争システムが修正されなければ、幼児から教育を強いる親は無くならず、子供の自殺という悲劇は終わらないだろう。


スポーツやゲームでの競争には弊害は余り無いので、競争はスポーツやゲームだけにすべきだ。