米軍は、21世紀のアメリカ海軍戦略「シー・パワー21」の基本構想の
一つとして10年前からシーベーシング構想というものを研究しています。

これは、アジアでいえば、日本や台湾、フィリッピンなどの沿岸に空母、
潜水艦、輸送艦、補給艦などの軍艦から、タンカー、貨物船などの民間の
船舶も組み合わせ、これを海洋基地として使い、そこから大陸に攻撃を
仕掛けるという構想です。

この構想では、グアムが米軍のアジアでのハブ基地となり、グアムが艦船
でつくる海上基地に補給・支援をします。

ですから、この構想の米軍のアジアでの「戦闘序列?」は、前線の海上基地
ーグアムーハワイ(アメリカの太平洋軍の総司令部がハワイにある)という
構成になります。

固定的なために攻撃されやすい危険な地上基地は使わず、艦船の海上基地
なら、自由に移動できますので、ミサイル攻撃を受けにくいということら
しいです。

陸上の有事用の米軍基地は、危険がなくなったら使用するということでしょう。

米国は、四年毎に全世界的規模での米軍の展開を見直し(QDR)もしています。
2006年のブッシュ政権のQDRで、初めて日本からの地上軍の撤退を打ち出
しました。

そして、オバマも今年の2月に地上軍撤退を追認。理由として、2006年の
ブッシュ政権のQDRにはなかった中国軍の巡航ミサイル、弾道ミサイルの脅威
をあげています。危ないから撤退ということです。

日本には地上軍は事実上、沖縄の海兵隊(実戦部隊は約1000人ぐらいであり、
有事での米国人の急出用。ですから抑止力はゼロ。あとは基地防衛用として少数
のグリーン・ベレー部隊)しかいませんので、米国も海兵隊はグアムに撤退させる
つもりです。

横須賀の第7艦隊は、有事にはサッサと海上に逃げ出せるので、残しておいて良い
ということでしょう。民主党小沢幹事長の第7艦隊だけいれば良いという発言は、
この米軍構想を踏まえた発言、追認した発言で、非難したマスゴミ・評論家連中の
方が軍事オンチでした(笑)。

自公の旧勢力はこれを知っていながら、アメリカが怒っているという幻想をふり
まいて、新政権を攻撃しています。

確かに怒っている奴らがいますが、彼らは辺野古移転を決めた日米の軍事・外交
官僚と利権政治家や建設業者などの辺野古の利権集団で、現在の米国政府の中枢
ではないようです。まぁ、10年間の仕事がゼロになるので、官僚が怒るのは
仕方ないかも(笑)。

米国は有時に使える基地が欲しくて、日本に基地を造らせるために辺野古
に一時的に移転してから、グアムに撤退するつもりでしょう。

右翼・保守派は、日本はアメリカから見捨てられたと焦っているでしょう。
それで、TVや新聞などのマスゴミを総動員して、新政権が米国を怒らせた
から、全面撤退になったと宣伝し、同時に自主防衛のための改憲策動を強め、
民主党右派が呼応するかもしれません。