カンボジア格闘技留学生:大崎 章弘のブログ


日本人初の国際インストラクター誕生と最大手新聞プノンペンポストの取材を受け、朝刊の一面に掲載されました。
カンボジア国内の格闘技イベントのアレンジ、集客、海外選手の日本への招致も行っております。
お気軽にa.osaki@bokatorjapan.comまで問い合わせください。
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前回は世界から自国を離れて、Bokatorという格闘技に魅せられて、世界からカンボジアに集まった男たちについて書きましたが、今回も続きを紹介します。

カンボジアはアンコールワットという世界遺産があるので、多くの観光客が集まってくるので、他の西欧の人たちと触れ合うことも多いのですが、彼らとご飯を食べたり、遊んでいて感じたのは、Bokator留学生は全員陽気なやつです。

もちろん同じ格闘技に魅せられて、カンボジアに来たもの同士なので、気が合わないはずはないのですが、日本でも体育会系という言葉がある通り、やはり彼らの性格は明るい気がします。

そして体育会系の言葉の通りよく食べます。笑

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そして能天気です。笑

日本から友人が遊びにきたことがあり、僕たちの会話を聞いて、驚いていたことがあります。

『どうしてみんなI don’t know.しか言わないの?』

ある時みんなで中国暦の旧正月を過ごすことがありました。

『よし、明日はみんなでお祝いしようぜ』ということになりました。

『何をする?』という話になったのですが、もちろん全員『 I don’t know』

(まー明日には決まるんだろ)と思って、翌朝ご飯を食べながら『どうする?』って話になっても全員『俺は分からねえよ』みたいなお茶目な表情でかわします。

イタリア人は『I don’t know』と言いながらウインクをして、クールに決めていました。

そして結局当日の夜の6時まで何も決まらないまま旧正月を迎えました。

(日本でこんなことってありますか?)

『とりあえず俺はネットカフェにスカイプしに行く』

『俺はカフェでゆっくりする』

『俺はシャンプー買いに街に行く』『あっじゃ俺も行くぜ』

(待てよ、お前携帯持ってないのにどうやって連絡取るんだよ。。。)

と内心思っていると、何も決まっていないのに、『じゃまた後で~』みたいに解散しかけたので、

『おい、待て待て!!どうやって集まるんだよ?』

と僕が一石を投じると、『確かに』みたいな感じでみんなの動きが止まりました。

『お前携帯持ってないよな?』みたいな感じで、みんなダラダラと困っていました。

余りに誰もがリーダーシップを取らないので、

『シャンプー買いに行く組は携帯持ってるからいいとして、お前は持ってないだろ?お前は用事が終わったらカフェに来てくれ。最悪会えなかった場合は8時にデパート集合な?』と言うと、

『Perfect!!』とか『Aki,good job!!』と言いながら、自転車にまたがり解散し、その後何とかみんなでお祝いすることが出来ました。
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日本人が外国人と待ち合わせをした時に、時間通りに相手が来ないという話もよく聞きます。

私が今まで会った人でも『考えられない』と怒っていたり、2時間も待ったのに来なかったと中には半泣きになっているような女性もいました。

日本の交通機関の時間の正確さはクレイジーだと外国から称される程に、おそらく世界で最も時間に厳格な国です。

では外国人同士の待ち合わせでは同じことは起きないのでしょうか?

スウェーデン人と2人でマッサージに行こうという話になりました。

するとカンボジア人の友達が『待ってくれ、俺も一緒に行きたい。今から買い物に行くから1時間半だけ待ってくれ』と言ってきました。

家を出ようとしていたものの、渋々承諾して、待つこと2時間、、、

余りに遅いので、こちらから電話すると、

『ゴメン、今から買い物するからあと1時間で帰る。先に行っててくれ、後で合流する』との答えに、

『今まで待っていたのに、なんで連絡もないんだ?』と僕は少し怒ってしまいました。

スウェーデン人ももちろん『Fuck!!』と怒っていたのですが、次の瞬間、謝るカンボジア人に

『No worry, This is Cambodian way,(気にするな、これがカンボジア人のやり方だろ)haha』と電話越しに伝えていました。

それを聞いた時に、『あっこういう考え方をするんだ』と自分の中で強烈なマインドセットが起きるのを感じました。

周りを海に囲まれていて、外国=海外になってしまうために自分と違う習慣、文化で育った人と触れ合うことが圧倒的に少ない日本。

かたや簡単に外国の人間が行き来しているヨーロッパ諸国、そして多民族で成り立っているアメリカ。

必然的に『これが◯◯’s way』(こいつのやり方なんだ)と考えて、理解することが必要になっているのかもしれません。

それ以来、自分も同じように『◯◯’s way』で物事を考えて、人と接するようにすると、外国で多民族の人たちと生活する時に感じるストレスも少なくなりました。

同時に気持ちに余裕も出来て、何らかの理由があったんだろうと考えられるようになりました。

この経験は多様性があまり認められない日本という国で育った自分には強烈で、『人の数だけ色々な考え方がある』という陳腐に聞こえる程に当たり前のことを思い知らされました。

と同時に感じたことは、彼らは『これがあいつのやり方だ』『これが俺のやり方だ』の個人主義の考えが日本人よりはるかに強いです。

そのために、旧正月の待ち合わせで時間を決めることがなかなか出来なかった例のように、彼らは全体との関係性を整合しながら物事を進めるということが苦手なように感じました。

KY(空気を読まない)なんていう言葉は、いかに日本人が周りとの関係性を整合することに重きを置いている文化かを顕著に表していると思います。

実際に海外で住まれた経験のある日本人の方からも、大人数で何かをしようとしても、みんなダラダラしていて日本人が仕切ることが多いということをよく聞きます。

これは西欧では、一神教を前提とした神との関係で個人が成り立っているのに対して、周りとの関係性で個人が成り立っている日本人とのバックグラウンドの違いから来ているものでもあると思いますが、(自分のことをお父さんはね、お母さんはね、と話す文化は日本くらいだそうです)

ここにこれからのグローバル社会で日本人が活躍していくポイントを見出せたようにも感じました。

『日本人は自分の意見を主張しなさすぎる』だから『日本人は世界で役に立たない』というような論調を耳にすることが多くあります。

しかし、これからさらに違う価値観、文化を抱えた多民族が集まるグローバルな世の中へと進んでいく中では、

『和を以て貴しとなす』という文化を持つ日本人による、周りとの関係性を整合しながら物事を進めるという能力が必然的に注目されてくるのではないのでしょうか。

現在『まとめサイト』なるものが重宝されているように、物事の数が増えれば必ずそれらをまとめることが必要になってきます。

その『ハブ』的なポジションになりうる能力を高く備えているのが、他でもない日本人ではないかと感じます。

その中で、もちろん困難を感じることも多いと思いますが、その時には『This is ◯◯’s way』と余裕を持って、対処してみてはいかがでしょうか。

これは僕の実体験からですが、感じるストレスが全然違い、心に余裕を持って対応出来るようになりました。

次回も世界中からBOKATORに魅せられて集まってきた男たちと生活している上で自分なりに感じたことを紹介していきたいと思います。

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やっぱり何よりみんな陽気です。笑 この写真は道場のマットを掃除中ですが、すぐに水のかけ合いが始まり、なかなか進みませんでした。

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