エチオピア11日
前日の魔法の水で体調を崩した私はTimketの最終日は10分ほど参加してカフェへと逃げ込んだ。
そして、そのカフェでハンバーガーを食べている私にBeyuが付け合わせのポテトの横にあるケチャップを
指さして「この名前知ってる？」と、おちょくって来た。
※最終日も盛り上がりまくりのTimketの様子。まるで何かのデモのような騒ぎっぷり（笑）
≪ココからはチョットばかし昨年の話≫
昨年、私がエチオピアのとあるカフェでケチャップを頼んだ時。
ウエイターもBeyuも「何ソレ？ケチャップなんて聞いたことも食べたこともない！それって英語？」と
聞き返されたことがあった。
だから私は「ケチャップは英語だよ」と返したのだけれども‥‥
「ナギは英語じゃない言葉を英語だと勘違いしている」と言われ、私は彼らに相手にしてもらえなかった。
若干、彼らの言い方が気に食わなかったのだが‥‥
「きっとエチオピアにはケチャップが無いんだな」と、私は思うことにした。
だけど、違うエリアのカフェに行った時。
ハンバーガーの付け合わせのポテトの横にケチャップがついていたので、私はすかさずウエイターを呼んで
Beyuの前で「これって何て名前？」と、聞くとウエイターは「ケチャップ！」と無愛想に答えた。
（ ほーら、ケチャップは英語じゃん！ ）と思いながら、私がBeyuを見るとBeyuは頭を抱え込んでいた。
そして、次の瞬間‥‥腹を抱えて、笑いながらこう言ったのだ。
「 ナ ギ ー ！！ 僕 、 名 前 を 知 ら ず に 3 0 年 間 ケ チ ャ ッ プ 食 べ て た ー ！！ 」
（ Beyuにはイツモ英語を教えて貰ってばかりなので、そんな彼に私がケチャップを教えてあげることが出来てよかった！笑 ）
Beyu曰く、エチオピア人の大半の人がケチャップという名前を知らないと言う。
だからと言ってケチャップのエチオピア名があるわけでもないので "名無しの赤いモノ" なんだとか。
※皆で歌って踊って、Timket最終日を迎えているエチオピア人の様子。
とまぁ、そんな感じで2人で笑いながら去年のケッチャップ話をしていると‥‥
タイミング良く同じカフェにAsmeとGebre（ゲブル）が入って来たので、彼らも一緒に食べることになった。
そして、Beyuが私の耳元で「コイツらも絶対ケチャップ知らないから聞いてみ！」と、私に振って来たので、
試しに2人に「 この名前知ってる？ 」と尋ねると‥‥案の定、彼らも名前を知らなかった。
私が答えを教えようとすると、彼らは「言わないで！」と、一生懸命考え始めたのだ。
だけど「知らないものを幾ら考えたって分からないよ」と、私が言うと、彼らは携帯を取り出して‥‥
あ り と あ ら ゆ る 友 人 に 片 っ 端 か ら 電 話 を か け 始 め た の だ ！
たかがケチャップ！されどケチャップ！
彼らは真剣な顔して「ポテトの横についてる赤いヤツの名前教えて！」と、ひたすら電話をかけていた。
だけど、ケチャップという名前がマイナーなエチオピア。誰一人即答出来る者はいなかった。
そして、その電話を受けた者は口を揃えて「○○に聞いてみる！分かったらかけ直す！」と答えていた。
でも○○さんも分からず、○○さんは△△さんに聞き、△△さんは□□さんに聞く‥‥
そんな感じで、あっという間に、ケチャップの輪が生まれた。
※個人的には、こーいう生きたままハイエースのままに山積みされてる動物の光景の方がスキ。
こうやって自然に生まれたケチャップの輪！
だけど、何時間経っても誰一人彼らに電話をかけ直して来る者はいない‥‥。
でも、これは電話をかけ直すことを忘れているわけじゃない。
誰一人ケチャップという名前に辿り着けず、かけたくてもかけ直すことが出来ないのだ（笑）
私が思うに、あの日、ケチャップという名前に頭を悩ませた者が最も多かった国はエチオピアじゃなかろーか。
“24時間以内に最もケチャップについて多く携帯で話された回数”も、あの日のエチオピアがTOPだと思う。
こんなくだらないことだけど、彼らはすっごく楽しそうだった（電話をもらった方も）
どの人種も共通して知らないことを知ると言うことはとても楽しいことなのだろう。
だけど、エチオピア人に限らず、アフリカ人はどんなに些細なことでも本当に楽しんでいる気がする。
遊ぶ物が無くても彼らは、こんなに些細なことから楽しむ才能を持っている。
しかも、それを見ているコッチまで楽しい気持ちにさせてくれる。
そんな彼らだからこそ、私はアフリカ・アフリカ人が好きなんだなって、改めて思った。
そんな彼らをあそこまで熱くしたケチャップも凄いなって思ったけどね。
あっ、そうそう。
最後にBeyuからケチャップという名前を教えてもらったAsmeとGebreはシッカリと自分の掌にketchupって
メモして「明日から自慢出来る～！」って、すっごい嬉しそうな顔して帰って行きましたとさ
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