

バスの故障で、何も無い大地に放り出された私たち―――――――
「こっからは通りかかった車を停めて、Hararまで行くよ!」と、Beyuは言った。
と、言っても車なんて中々通りそうにもない。
やっと車が1台通ったとしても、バスに乗っていた乗客50人全員が乗れるわけでもなく‥‥
運よく通り掛かった車に1人、2人、3人と目的地へ急ぐ者から順に乗り込んで行く。
彼此、車を8台ほど見送った後にはもう私とBeyuと1人のオジちゃんしか残っていなかった。
「日が暮れる前に車来たらいいね」なんて言いながら、車が通り掛かるのを3人でひたすら待ち‥‥
や~っと通り掛かった車をBeyuが止め、事情を話して、乗せてもらえることになった。
「さぁ、ナギ!これに乗って!」と、車のドアを開けた。
(えっ、これに乗るの?ってか‥‥乗れないんじゃない?)そう思った私の体は動かなかった。

「全然乗れるから早く乗って!ほら、早く!」と、私のケツを叩くBeyuに急かされ‥‥
(座る場所も何にも無いのにどこに乗れって言うんだろーか!?)と、思いながら中を覗いた時、
先に乗っていたオバちゃんが「ココ座んな」と言わんばかりに自分のヒザを叩いていた。
まさか、24歳にもなって人様のお膝の上に座らせてもらうなんて思ってもいなかったぜー。
もちろん、Beyuもオジちゃんも先に乗っていた人たちの膝に座り‥‥
計26人を乗せたハイエースはゆっくりHararへと向けて走り出した。
でも、流石に大人26人を乗せたハイエースは速度が遅いのなんのって!
だけど、陽気なエチオピア人は「日本の車って26人も乗れちゃうんだからヤッパすげーよな!」と
窮屈な車内でもケラケラ笑って楽しんでいた。
そして私は―――――――
これからHararまでの約2時間半の道のりをエチオピア人特有の汗とは違うツンとしたスパイシーなニオイと
熱に揉まれながらホボ無言で乗り切るのでした

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