何故、キリスト教徒でもない日本人がクリスマスに浮かれるのでしょうか。

私はクリスマスシーズンと呼ばれるこの季節が大嫌いでございます。
イルミネーションにも全く興味が無い私にとっては、そのイルミネーションを見に来た人たちで
ごった返す町がもう嫌で嫌で仕方ありませぬっ!

光ってる木をや建物を見て何が楽しいのでしょうか。ヨシダには分かりません。
Bohemian Days... - 自由奔放な女の写真放浪記 --イタリアで出会った女性

私がこうもクリスマスを嫌いになったのは、母親のせいでございます。

あれは私が小学2年生の時の12月。
お母さんに「今年はサンタさんに何をプレゼントして貰うの?」と、尋ねられた私はこう答えました。

「今年はプレゼント要らないの。戦争が一生起こりませんようにってお願いするの!」と。
当時の私は学童保育で"火垂るの墓"を観て以来、近いうちにまた日本でも戦争が起きるんじゃないかと
ズット怯えていたので、神頼みならぬ、サンタ頼みでございました。

そして、クリスマスの25日の朝。
私は自分が今年頼んだものは平和と言う願いであったので、プレゼントは何も無いと思っていました。

だけど、朝起きたら自分の枕元にプレゼントがあったのです。
「何でだろう?私が頼んだのは平和なのに。平和って"物"なの?」そう思いながらプレゼントを開けた私。

もう、プレゼントを開けてビックリ!そのサンタからのプレゼントはなんと
Bohemian Days... - 自由奔放な女の写真放浪記 --赤い防災頭巾

「平和をお願いしたのに防災頭巾が届くってことは、近々戦争が起きるってことでしょ!?」
「これをかぶって逃げなさいってことでしょ!?」

もう当時の私は朝から号泣ですよ。

そして、その翌年のクリスマス。
去年の悲劇を忘れた無邪気な私が「今年はサンタさんに何お願いしようかな」と母に話し掛けると
母は怖い顔をしてこう言い放ちました。

「吉田家は貧乏だからもうサンタは来ないから!」
子供の私にはサッパリ分からない言葉でした。吉田家の経済状況とサンタは関係ないんじゃないかと。

「サンタさん来るもん!渚、信じてるもん!」そんな私に母親は止めの一言。
「サンタはパパとママなの!信じて待ちたいなら待ちなさい!絶対サンタなんて来ないから」と。

案の定、母の言った通り、その年から吉田家にサンタが来ることは無くなりました。

だから私がサンタから最後に貰ったクリスマスプレゼントは赤い防災頭巾。
この世界中にクリスマスプレゼントに防災頭巾を貰った子供が私以外にいるのだろうか?

「戦争がおこりませんように」と願う子供に対して、防災頭巾をプレゼントするだろうか?
(今思えば笑える話だけれど、なんとも地味で悲しいクリスマスプレゼントだった)

こんなことがあって以来、クリスマスが好きになれない私ではありますが
どうか皆さんはステキなクリスマスをお過ごしくださいませっ

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