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地獄のヒッチハイク3000Kmを走破し
ついた街は
天国メンドーサ。



なぜ天国かって。
メンドーサと言えば
もうこれしかないでしょ。
ワイン。
中でも“黒ワイン”と呼ばれた
色調の濃さで有名なマルベック。
渋みしっかり、コクばっちり。
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ヒッチハイクを頑張った
ご褒美なのだろうか。
泊まったホステル、一泊約1000円の宿は
なんと夜7時から9時までワイン飲み放題。


おいおい。
日本で2時間ワイン飲み放題なんていったら
安くて3000円は超える。
これは酒屋の息子として
飲むしかないでしょ。


しかも安いワインとは違い
本場のワイン、美味い。
もう浴びるほどワインいただきました。





幸せ。



そんな中
ヒッチハイクという目標を達成した
僕らが次に考えていたのは
メンドーサの農園でのボランティア。
ワイナリーで働いたら、
いやワイナリーじゃなくとも
メンドーサなら毎晩ワイン飲めるだろう。




またアンポン思考で
受け入れ先を探していた。




まずはパソコンで
有名どころのボランティアサイトをあさるも
登録料だけで40ドル。
なんでボランティアするのに
お金を払わないといけないんだ。
あ・り・え・な・い



ってことで現地交渉。
ホステルにいるスタッフやバックパッカー
ほぼ全員に

「俺ら、ボランティアしたくてさ。
   なんでもするよ。」

と言いふらしていた。





ホテルの飲み放題で
毎晩仲間達と飲み明かす毎日。

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きっとこのワイン好きは
ソムリエである母親ゆずり。笑
お母さん、心の底からありがとう。笑







そんなある日。
ホテルスタッフのマーベルから
声がかかる。


「ゆーすけ。一緒に飲もうよ。」


飲もうよなんて言われなくとも
すでにグラスを持って離さなかった僕は
さらにグラスにマルベックを注ぎ足し
マーベルのもとへ。


いろいろ話すうちに
マーベルが僕に言った。


「私のアミーゴで、日本語勉強している子
   がいるんだけど、ボイスメッセージ
   日本語で送ってあげてくれない。」


旅をしているとたまにある
このシュチュエーション。

いつも通り、ゆっくりと日本語で
自己紹介をする。

マーベルが僕のボイスメッセージを
送った先はヤミー。





これがすべてのはじりだった。
また物語が生まれていく。



ヤミーはメンドーサ市内の大学で
日本語を第一言語として専攻し
教師を目指す大学生。
僕のボイスメッセージを聞くなり
内容を理解したらしく
そこからFacebook経由で友達になった。


ホテルのマーベルもヤミーと同じ大学の
学生でとても良い人だったので
安心して友達になれた。


すると次の日
そのヤミーから連絡が入った。


「マーベルからあなた達がメンドーサで
   ボランティアを探してるって聞いたけど
   よかったらうちの実家にこない。」


ヤミーの家はメンドーサの市内から
約1時間半離れたトゥップゥンガット
という小さな街で
ヤミーは
アルゼンチンのゴールデンウィークに
あたるこの時期にちょうど
5日ほど帰省するという。


さらに
メンドーサ市内にある
ヤミーの下宿先のアパートが
僕らが泊まるホステルから
ワンブロック離れたところだったため
まず会って話しをすることに。



初めての顔合わせ。笑
その場にはヤミーの他に
彼女を迎えに来ていた
お父さんのチャモ
お母さんのルースがいた。

(上左手から
    チャモ、ヤミー、ルース)
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拙いスペイン語と日本語まじりの
自己紹介を済ませると
ヤミーの家族は2つ返事で


「うちにとりあえずおいで。
    ボランティア先は近所の人に聞いてみる。」



予期せぬホームステイのはじまりだ。



今の時代
Couchsurfing をはじめとする
ホームステイマッチングサイトは
たくさんあるが
やっぱこう、なんか自然な流れで
人を伝って紹介してもらうのが
たまらなくスパークだ。






トゥップゥンガットはかなりの田舎だった。
周りをワイナリーに囲まれ
まさにワインを愛する街。



1時間半のドライブを終え
ヤミー家に招待された僕らは
驚いた。



まず、その広さ。
どうやって表現すればいいだろう。
まぁでかい。笑
プールあり、庭あり。
部屋は数えただけで
軽く20は超える。


なんだか高そうな本棚や
壁には有名な剣士がつかったとかいう
剣や盾まで飾ってある。


家というか
ちょっとした博物館。


さらに
家族は先程の3人プラス
ヤミーの弟ゴンサロとパブロを
合わせた5人なのだか
車が8台ある。
家族それぞれ一台ずつ。
パパの趣味の車一台。
ファミリーカー一台だとか。笑
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遠い彼方からアホな日本人が
来たということで
親戚の方や友達がたくさん集まってくれたり。
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パパの男料理をいただいたり。

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パパの友達のワイナリーに
招待してもらったり。

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ヤミーと日本語を専攻する
みんなと日本語を勉強したり。

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弟のパプロとその彼女に
一家の親戚が経営する
バーに連れて行ってもらったり。

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いつのまにか
ボランティアのことなんて忘れていた。

    






おもてなし。
されまくった。



わけのわからぬ日本人のために
どうしてここまでしてくれるのだろう。
食事、宿代、飲み代に関しても
僕らは一銭も払ってない。



せっかく来たんだから
気なんて使うな。
アルゼンチンを楽しんで。


とみんなが言ってくれた。





そしてなにより嬉しかったのは
ヤミーが一週間共にして
別れる前日の夜に

「ゆうすけ。ありがとね。」

「きっと、
   あなたはどこにいっても愛される人。
   初めて会ったあの日に
   あなたの目を見て感じて
   一週間共にして分かったの。」

「今後の人生もあなたらしく生きてね。
   そしたらきっと上手くいくわ。」

と言ってくれたこと。



たった一週間だけど
なににも変えられない一週間だった。






優しい笑顔のママ。
ユーモア溢れるパパ。
お酒大好きゴンサル。
アンポンたんパプロ。
なにより感謝すべきヤミー。



素敵なアルゼンチンの家族に囲まれながら
たくさんの愛情をいただいた。





こんなブログじゃ書ききれない。
たくさんのことがありすぎて
すべてが思い出だ。






そして僕らの周りには不思議と
いつもワインがあった。



コルクをポンと
ワインを開ければ
国籍、年齢、性別なんて関係なかった。



ワインって不思議な飲み物だ。
なにもせずとも
人と人とを繋いでくれる。
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ヤミー一家に繋がったのも
よく考えれば
マーベルと僕がワインを一緒に飲んで
楽しい時を過ごしたから。




アルゼンチンの家族と言える程に
彼らが僕らを愛してくれて
また僕らもその愛を
しっかりと受けとめることができたのも
ワインという不思議な飲み物の
おかげなのかもしれない。





ワインから生まれた、
僕のアルゼンチンの家族。
いつかまた会えるといいな。
そしたらまたみんなで
サルーって言いながら
ワインで乾杯しよう。






ありがとう。みんな。
少し寂しいけれど、
別れはまた新たな出会いに続くと信じて
旅を続けよう。

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