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ヒッチハイク泥沼戦に
捕まってしまった僕ら。
なかなか街から出られない。


前回のブログを読んでくださった方は
お分りのように
たった100㎞がものすごく遠かった。



軽く話をすると
今いる赤のマークから
メインロードである青のラインまでの
道にほとんど車がいない。

幼稚園児でも分かる、
車がいなければ
ヒッチハイクはできない。

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なんにもない道で
約2日間車を待ち続けた。
日の出の7時から日暮れの6時まで。

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みなさんは
丸2日間、来るか来ないかもわからない
車を道で待ったことはありますか。
僕は22年間生きてきましたが、
初めての経験でした。





丸2日、なにもしないまま
同じ場所でひたすら未知の車をまっていると
本当に頭がおかしくなる。







まず
喜怒哀楽がわけわからなくなる。

全然面白くないことで
笑ったり。
普段は怒らないことで
理不尽に腹を立てたり。
高橋優の「福笑い」を聞くだけで
ウルウルしたり。





そして
喜怒哀楽が狂った後に出るのは
妥協発言の数々。
単純にこの状況から逃げたくなるのだ。




「この道は車が来ない。」
「Lowシーズンだし。」
「100㎞だけでもバス使おう。」
「ここにいるだけじゃ食料代がかさむ。」
「バス代はだったの1000円ちょい。」



いろいろな言い訳や
こじつけを考えはじめる。


暇つぶしなどと言って
期待半分で
バスの時刻表や料金だって
確認しに行ったりもした。









そんな中
常にあるのは葛藤。



ヒッチハイクで3000㎞って
言ったしなぁ。


バスを使ってしまっては、、、






2人で励ましあった。
励ますなどという言葉が
もっとも似合わない2人だか
この時ばかりは
言葉をかけあった。




そんな
2人の合言葉は


「成功するまでやり続ければ
   必ず成功する。」


だった。


たしか、いつか見たドキュメンタリーで
中田英寿が言っていた言葉だ。

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文字にすればたった二日だが
僕らには
二日もだった。



いつかすべて
ネタになる。


あの時は。
って笑える日が来る。


それまでやり続けよう。






ひたすら待った。
待つのが嫌いでディズニーランドにさえ
行きたくない僕らが
ただただひたすら待った。
ただじっと。



二時間、車が一台も来ないこともあった。



そして周りを見ると
いつのまにか
ヒッチハイクをしているのは
僕らだけになっていた。



横見ると諦めて
バス停に向かう
ヒッチハイカー達。




いつの間に
感情なんて
なくなっていた。


ひたすら
道路を眺める。





そして
もう二人共疲れ果てて
道路で寝だした夕暮れ間近。





一台のキャンピングカーが
僕らの前に止まる。



目の前に車が停まったのは
約1日ぶり。



その時ばかりは
その車が神様に見えた。




そして神様は僕に言う。

「Hey!! Yusuke 」

本当に神様なのか。
そんなはずはない。
なぜ、僕の名前を知っている。
いや、神様か。



わけのわからない事を考えているや否や
車から見たことのある顔が降りてきた。


ユーダ&エミリー
ジロン&サラ
カップルだった。


彼らが誰かというと
同じゲストハウスに泊まっていた
仲間だった。



宿の共同スペースで
僕達が
「サンティアゴまでヒッチハイクさ。」
って大声で言いながら
わけの分からぬヒッチハイクアイテムを
作っているのを笑いながら見て
励ましてくれてた仲間だ。


1日目
空振りで帰った日も、
「だめだったか。
   まぁこれでも飲んで忘れろ。
ってワインをくれて
一緒に飲んだ仲間だ。








「お前らまだ諦めてなかったのか。」
「ほんといかれた日本人だ。」






って言いながら
彼らは笑顔で
「ほら。いくぞ。」
「お前らの番だ。」
と僕らを乗せてくれた。

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ただただ
涙が出た。


やっとここから出られる。





現実は小説より奇なりとは
よく言ったものだ。




 
「成功するまでやり続ければ  
   必ず成功する。」






僕らの成功なんて
たかが二日待って
ヒッチハイクできた事かもしれない。
きっと中田英寿の言う成功と比べたら
鼻くそレベル。






でもこのことを
己の身体をもって実感できたことは
ほんとうに幸せなこと。




旅は時に
もしかしたら
学校や会社より
人生にとって大切なことを僕に教えて
くれるのかもしれない。





この日、彼らは
300㎞僕らを乗せてくれた。

さらに
僕らはこの夜、宿に泊まっていない。
テントも寝袋も持ってないのにどうしたか。
ジロン&サラカップルが
自分達は車で寝ればいいからと
彼らのテントを貸してくれた。
ってことで
夜はガソリンスタンドの横でテント泊。

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僕は
お礼として
『夢』
の日本語を車に残した。

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旅の規模は違えど
旅はみんなの
『夢』
だから。







最後、本当に心残りだったのが
ジロン&サラカップルが
翌日の朝、歯を痛めたジロンの治療のため
病院に行っている間
僕らは食料の買い出しに行っていたのだが
宿泊地のガソリンスタンドに残っていた
ユーダ&エミリーカップルが
スペイン語ができない僕らのために
北へ向かう大型トラックを
交渉して手配してくれていて
そのトラックの運転手の出発時刻の関係で
ジロン&サラカップルに
きちんとお礼を言えなかったことだ。




ありがとう。二人とも。
また何処かで会えたらいいなぁ。








さてやっと抜け出した。
ここからはがんがん北上してやる。
恥なんてとっくの昔に日本に置いてきた。
なんとしてでも
あと2000km。