同期がびしっとスーツをきて
かっこよく社会人を迎えた日に、
僕はアルゼンチンは南の果て
エルチャルテンの道路で
スーツとは真逆のこの格好で
雨、時々晴れ、時々暴風の中
9時間車を待ち続けた。
そう。
今は南米で3000㎞のヒッチハイクに
挑戦中。
いっこうに車はこない。
冷たい風と壮大な風景。
少し古いが、僕らはまるで猿岩石だった。
道路に9時間。
明日が見えぬ旅。
結局
9時間待った末
僕らの前に車は現れず
とぼとぼと、一度さよならを告げた
宿にまた戻る。
エルカラファテから現在地エルチャルテン
まではじめてヒッチハイクに挑戦した日。
開始そうそう一時間で車を見つけ
200㎞の移動に成功した僕らは
ヒッチハイクを完全に舐めていた。
なぜこんなにも難航を強いられて
いるかと言うと原因はこの地の立地にある。
赤でマーキングしたのが
僕らが今いるエルチャルテン。
そして青でマーキングしたのが
南北を繋ぐメインロード、ルート40。
(日本で言うところの国道)
エルチャルテンからルート40まで
およそ100㎞ある。
エルチャルテンはかなり奥地で
一方通行である。
つまりエルチャルテンのその先に街はなく、
ヒッチハイクできる車は
エルチャルテンから出て行く車しかない。
それに拍車をかけるように
今はLowシーズン。
面白いくらいに車が少ない。
さらにさらに、
ヒッチハイクを試みているのは
僕らだけではない。
ヒッチハイカー達が列をなす。
ヒッチハイクには一応ルールがあり
新しく来た人は先にいた人の後ろで
少なくとも5〜10mほどあけて
待たなければいけない。
もちろん先頭の人のほうが車にひろって
もらいやすく、場所とりに
ヒッチハイカー同士でもちょっとした
小競り合いがある。
やってみないとわからないことが
本当にたくさんあるなぁと感じる。
きっとあと60年ほど生きる中で
アルゼンチンの南の果てで車を9時間も
待つことはもうないだろう。
明日は見えない。
明日どこにいるかはわからない。
全てはドライバー次第。
意味があるかはわからないけど
ワクワクしたからやったみた。
理想と現実はかなり違ったけど
明日が見えぬ。ってのもたまには
ありかなって思えてきた。
明日は車捕まるかなぁ。
また作り笑顔で待ってみよう。
きっといいことあるさ。
社会人になられた同期のみなさんは
本当におめでとうございます。
このブログが
地球の裏側でバカやって奴もいる
って少しでも息抜きになればって思います。