本気でそう思ったのはこの旅はじまって
初めてのことだった。
このブログには良いことも悪いことも
ありのままに、等身大の自分をみなさんに
見てもらいたいので、今の気持ちを
正直にぶつけてみようと思います。
いつもとは少し異なる内容ですが
これも僕の旅です。
読んでみてください。
旅なんかやめたい。
人が嫌いになるなら。
旅なんかやめてしまいたい。
理由は
自分がこの旅で最も大切にしている
“人”
に目の前で裏切られたからだ。
人が好きだ。
それなのに、“人”を信じたが故に
起こったことだけに
ものすごく怖くなった。
旅も人も。なにもかも。
僕は今
ミャンマーにいる。
アジア最後の地として
今日到着した。
アジア最後と決めていたので
アジアでの色々なことを振り返りながら
最後の地を一歩一歩、1人で歩いていた。
すると
と通りがかりのある男の人が
笑顔で僕に声をかけた。
今、振り返ってみると
これがすべての始まりだった。
彼の名前は
サンシャン。24歳のミャンマー人。
雰囲気・身なりもしっかりしており
また英語もできたので
彼と共にしばらく歩くことにした。
すると
彼は僕に一言
「向こう岸にある僕の地元案内するよ。」
船で5分程度の距離だったし
周りに人もたくさんいたので
僕は行くことにした。
すると
その船に彼の友達であるという人がいて
僕も挨拶を済ませて
3人でその村を回ることにした。
友人のバイクに3人でまたがり
オススメの寺院につれていってもらった。
その時だった。
3人の話は国の違いの話になり
お互いのお金を見せる流れになった。
僕は
手元に10000円札が3枚あったので
それを見せると
サンシャンが両親に見せたいから
写真をとりたいと言い
彼の手の平に3枚の10000円札を並べた。
すると横にいた彼の友達が
僕になにやら話かけようとしたので
僕が彼の友達を見ようとした瞬間。
サンシャンの手が明らかに奇妙な動きをし
次の瞬間、
手の平の10000円札が2枚になっていた。
明らかに見えた。
サンシャンは僕のお金を盗んだ。
さっきまで
友達だった人が
僕のお金を盗んだ。
意味がわからなかった。
なにが起きたのか理解できなかった。
その後
僕はその場で彼を追求したが
自分はしてないの一点張り。
そして彼の表情は先程の笑顔とは
一転し逆ギレ。
横にいた彼の友達も彼の肩を持つ展開に。
僕は彼に殴りかかりそうになった。
今にでも飛び込みそうな勢いだった。
たった10000円とは言わない。
この10000円を稼ぐためにどれだけ
働かないといけないか。
ただ、
この10000円で命にかかわる
事件に巻き込まれてはならない。
そこで僕は
怒りを押し込めて
お互いの話を警察に言って行おうと
提案した。
警察という単語が出た瞬間。
2人は
お前もバイクに乗ったんだからお金を払え。
と言われ、払わないなら逆に
警察に訴えると主張する始末に。
もういい。
このまま揉めても、自分の身が
危険になるだけだ。
その時
なにか分からない
悲しみがこみ上げてきた。
信じてしまった自分への嫌悪と
罪を犯す人への哀れさ。
僕が抵抗しなくなったのを見て
彼らはバイクでどこかに逃げるように
消えていった。
するとそこに
ミャンマー人の2人の男性がいた。
僕とサンシャンとその友人が揉めているのを
近くでみてた唯一の2人だったので
僕は彼らに助けをもとめた。
すると彼らは
僕を警察に送ってくれると言った。
幸い、サンシャンとのツーショットを
撮っていた僕は
その写真を警察に提出し
駄目元で一連のことを警察に
話してみようと思った。
心優しい2人と3人で
警察までむかっている途中
1人の男と出会う。
ミャンマー人のその男は僕に
「ゆうすけ。
そんな顔してなんかあったのか。」
と話しかけた。
彼は
サンシャンと街を歩いているときに会った
サンシャンの親友。
僕は
事件の全てを彼に話した。
彼は目に涙を浮かべ僕に言った。
「お願いだ。警察にはいかないでくれ。」
「彼は僕の幼馴染なんだ。」
「彼は、家が貧しくて、
ろくに生活もできてない。」
「僕が彼と話しをしてお金を全額返したら
全てなかったことにしてくれないか。」
僕だって警察になんて行きたくなかった。
でもお金を目の前で盗まれて
なにもなかったことにはできなかった。
するとサンシャンの親友は
彼に何度も電話し
涙ながら何かを話していた。
サンシャンの親友も
彼が盗みを犯したと信じざるをえない節が
あったのだと思う。
すると
サンシャンがお金を返すと言い出した。
でも盗んだ日本円ではなく
ミャンマーの通貨で。
おそらく僕の10000円はサンシャンの仲間の
手に渡ったのだとおもう。
サンシャンは
最後まで盗んだとは言わなかったものの
僕にお金を全額返した。
お金は実家の母に頼んで用意してもらっていた。
実際
サンシャンに再び会うのも
ものすごく怖かった。
もし、僕に憎しみを覚え
拳銃なんてもっていたらおわり。
死さえ覚悟した。
そのあと
僕は警察にはいかなかった。
証拠の写真も音声もあったけど
いかなかった。
色々な想いがあったけれども
僕にだって日本に親友がいて、、、
その親友が貧しくて罪を犯した友を
涙目でかばっているのをみたら
もういいやと思ってまった。
貧しさからの憎しみは
憎しみでは消せないし
僕はサンシャンをハグした。
その時、サンシャンは泣いていた。
そして
全てなかったことになった。
お金は奇跡的にすべてかえってきた。
しかし
冒頭で述べたように
僕の心には大きな穴が空いた。
僕にとって信じた“人”に裏切られたことは
ものすごく大きな恐れを生んだ。
人がこわい。
これまでの人生。
周りの人にはほんとに恵まれていたから
人に裏切られることなんて
一度たりともなかった。
だからこそ僕は
“人”が大好きだ。
これも世界を見るということなのか。
これも旅なのか。
そう。
綺麗な自然や世界遺産、人の親切だけでなく
これも世界なのだ。
これも旅なのだ。
もう一度立て直したい。
もう一度楽しい旅を取り戻したい。
少しゆっくり立ち止まってみようかな。
人が好きだ。
旅が好きだ。
と再び思えるまで、ミャンマーのこの地で
一度リュックを置いてみようと思う。