北山杉からの抽出物と酢をもとに、鳥インフルエンザウイルスを不活性化させる植物由来の揮発性抗菌剤を、宇治市のベンチャー企業が開発した。安全に、広範囲に、ウイルスや細菌などを不活性化できるという。

 ■宇治の企業開発

 光触媒などを扱うバイオシールドサイエンス(宇治市木幡)が開発した。北山杉の枝葉を5ミリ程度に裁断し、純度の高い氷酢酸に24時間つけ込んでろ過し、天然塩を混ぜ合わせた。北山杉から抽出したテルペン類と酢の抗菌作用を合わせることで、H5N3亜型鳥インフルエンザウイルスをはじめ、さまざまな細菌、カビに効果があるという。

 常温で気化しやすくしたため広範囲に利用でき、イオンの作用でウイルスに付着しやすくした。また天然塩の作用で酢のにおいがしない。鳥インフルエンザウイルスへの効果は京都産業大が実験し確かめた。

 すでに香が商品化されており、ゲルやスプレーで空気を浄化させる商品も検討されている。

 問い合わせは同社TEL0774(31)2225。

【 2010年07月30日 11時57分 】

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