11
僕は15年前の記憶を頼りに、
原宿で知っている唯一の店へ連れて行く。
竹下通りを抜け、ちょっと古風な道を・・・
りょうこもこの道をよく知っているようだった。
なんとなくだが・・・
「この道知ってるの?」
「うん。私が昔バイトしていたお店があるんだ。」
「そうなんだ。何屋さん?」
「喫茶店だったかな~。何でもありって感じだったけど。」
そんな会話をして、たどりついたのが、
あのお店。
「えっ、ココ?」
「うん。昔ここに来たことがあるんだ」
「えっ、そうなの?いつ?」
「いつって、いったって。かなり昔。15年くらい前だよ。」
「そうなの!私も小学生の時にやってたの」
「えっ、小学生の時?もしかして、りょうこって・・・!」
「知ってるの?」
「もちろん。東京にはじめてきて、最初の喫茶店で、かわいい子がいるなって思ったんだ!
その時、思い切って名前を聞いたんだ。そしたら、りょうこって教えてくれたんだよ。」
「・・・そんなことがあったような」
そんな会話からお互いの接点を見つけ、
話に花が咲き始めた・・・
さらに・・・
10
その子が僕の視線に気づく。
そして・・・
僕のところへやってきた。
「お客さん、どちらから?」
その女の子が尋ねる。
「・・・北海道」
「ふ~ん」
八重歯がかわいらしい笑顔で微笑み返してくれた。
その瞬間、なぜかわからないが、僕は
「名前なんていうの?」
女の子も、友達もびっくりした表情。
しかし、その女の子は、
「りょうこ」
「りょうこ。ふ~ん。かわいい名前だね。」
僕らしくない言葉がとっさにでてくる。
カランカラン~♪
お客さんが入ってくる。
りょうこはお客さんの案内。
友達が、
「渋谷に行ってみようぜ」
なんて言いだし、店をでることに。
結局、名前を聞いて店を後に・・・。
そんな十五年前の記憶・・・・・・。
9
・・・今から15年前。
中学3年生だった自分は、修学旅行で東京に訪れていた。
最初に来て、最初に訪れた東京の土地は、
「原宿」。
なぜか最初に吉野家で牛丼を食い、
竹下通りの人の多さにビックリし・・・
そんな中で、僕と友達はとある喫茶店に入った。
牛丼を食った後なのに、なぜか喫茶店。
都会人っぽく振舞ってみようという、
田舎人ならではの発想。
竹下通りのちょっと外れたところに
ちょっと古風なお店を発見。
そこには、白ひげがダンディーな感じのマスターと
小学生くらいでみつあみがかわいらしい女の子が
せせこましく、店をきりもりしていた。
その女の子が、お水をもって注文しにきた。
「注文何します?」
高い声でしっかりと応対できていた。
僕らは、飲み物を注文。
そして東京話に花を咲かせていたが、
自分はなぜか、その子が気になり、話のしながらも
チラチラその子をことを眼で追っていた・・・
8
二人の会話は、自己紹介から始まった。
「名前はなんて言うの?」
「私? りょうこ」
「おれ、ひろき」
「ふ~ん」
という感じで。
それから
住んでいる所や休み何やっているとか
何気ない会話でゆっくり歩を進めた。
50分くらいたったのだろうか。
原宿に到着。
なぜ、原宿にしたのか自分でもわからない。
特に知っている店もなく・・・
と、その時、
ある店を思い出した!
その店は、実はりょうこと・・・
7
彼女はびっくりした様子で一緒に店を出た。
「お昼はまだだよね?
何か食べに行きませんか?」
自分はカレーを食べたばっかりだというのに、飯に誘う。
「えっ?う~ん・・・。
それもいいですね!」
っていう、軽い感じで展開していく。
まだ、昼過ぎの天気のいい午後だった。
スペイン坂にいたが、なんかあるくことになった。
向かった先は原宿。
結構歩いた。
そして会話が弾んだ。
なにか最初の出会いではないかのように・・・
