運動会の前日に、
「足の速くなるおまじない」と、

タンポポの花を、ふくらはぎに
肌が黄色くなるまでこすりつけ、

入賞してもらえる副賞のおもちゃのため
みんなが一生懸命だった。


夏の海水浴は、大の苦手で、
その頃感じた水の恐怖感でか、
泳げるようになったのは、
中学生になってからだった。

遠浅の綺麗な海岸などなく、
ごつごつの岩肌だらけの海岸は、
荒れ狂う波が、恐ろしい音と共に、
水しぶきをあげ、打ち寄せる。

茶色い昆布が怖いぐらい揺らぎながら、
水の流れの強さがわかり、

そんな海に入ろうと云う気持ちになど、
到底なれるわけなかった。

潜ってとってきた、ウニやアワビ、ナマコなど
ごつごつの岩間で石焼きにしてくれる
大人の強さを感じた。