『1/2error〜きみの棲む街〜』を観た。 | 内藤慈自主制作映画『悶殺蛇女』完成→再上映企画中!

内藤慈自主制作映画『悶殺蛇女』完成→再上映企画中!

週末妖怪映画監督・内藤慈の怪奇映画製作あれこれ。

吉岡英利子さん作・演出の舞台『1/2error〜きみの棲む街〜』Wキャスト2バージョンとも観てきました。

4年前の再演作品。

4年前は、それまで観てきた吉岡作品に比べて、実はあまりしっくりこなかったんですが、今回は、なんか全ての歯車がガッチリと噛み合って、心に響きましたね。

ああ、そういうことだったのか、と。

世代間のディスコミュニケーション的なものもモチーフのひとつとしてあるんですが、中年側の心情、「もう若者には戻れない人々」の心持ちがとても自然に入ってきた。
まあ、僕が単純に4年分、トシ食っちゃったから、という説もありますけど笑。
子供も増えたし、仕事も変わったし、ね。

中年勢は過去のある出来事に囚われています。
初演時は、その出来事がギリギリ記号的な表現から抜け出せてないかな、って印象を受けたんですが、今回は普遍的な暗喩として成立していて、色や形は違えど、お客さんの多くが「自分自身の物語」として感じることができるものになっていた気がします。

基本的なストーリーは同じなのに、公演する時代や、細かい演出が違うところで、磨きあげられる演劇の魔術。

それと同時に、若者側の若いがゆえの焦燥とか生き急ぐ感じとか、そういうのも前回より繊細に描写されていたんじゃないでしょうか。
ついつい相手を否定したり、文句言っちゃう感じも、納得できたなあ。
あれ?イワムがうまくなったのか!?笑

また、4年前には存在しなかった2つの役が入ったことで、キャラクターの行動における説得力と、作品全体のテーマがより明確になったと思います。



終演後は気の置けない人々と一杯。

なんかすげー、楽しかった。

残りは本日9/2(日)2公演と明日9/3(月)の2公演。
https://stage.corich.jp/stage/93615


毎回ね、客出しが終わって、いっしょに飲み屋に行くまでのほんの少しの間、
誰もいなくなった劇場で、待たせてくれるんだよ、吉岡さん。

あの時間と空間がとても好きなんだ。


また、会いましょう。



内藤慈映像研究室BODY HAMMER http://www.geocities.jp/bodyhammer_megu/