藤由達藏 『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』(青春出版社)
裏表紙にこんな記載がある。
「本書は、こんな人に最適です」
・いつも考えているうちにチャンスを逃がす
・「やらなきゃ」と思ってはいるのに、腰が上がらない
・面倒くさくて、つい先送りにしてしまう
・いつもギリギリにならないと動けない
・口だけでなかなか行動できない
僕に完璧に当てはまる。悲しいことに、最適と言う他はない。読むしかない。
様々なコーチングメソッドや心理学を学び、多くのビジネスの現場を見てきた著者は、「人間の行動の原則」を発見する。それは、
“チャンスや情報が手に入った際、10秒の間に動くことができる人はすべてを手に入れ、10秒以上もの時間をかけても動けない人は何も手に入れられなくなる”
というもの。
その10秒の壁を突破する「一瞬で行動に移せるようになるための方法」が紹介されている。
なぜ、行動力のない人間に陥ってしまうのか?
どうすれば行動を起こせる人間になるのか?
その謎を解くカギが、本書のメソッド、『「気分」と「視座」を変えること』である―。
以下、覚え書きとして、面白かったところ、唸ったところ、参考になったところを自分なりに箇条書き(10個)で要約しておく。
・人の行動力はモチベーション(動機)ではなく「気分」で決まる。「気分」は、主体的に選ぶことができる。
・自分、他人、全体の俯瞰、複数の視座からものごとを観る。視座を変えることで、思考停止を防ぐことができる。
・先延ばしの癖がある人は、締め切りだけでなく、作業をスタートさせる期限を決めておく。
・「心躍る未来像」は絶対に失敗しない小さな一歩から始まる。
⇒小さな一歩:「39度の熱にうなされていてもできること」くらい小さく分解した行動。
・気分をリセットする方法:「感情表現の3要素(表情、動作、言葉)」で気分を切りかえる。
・「内発的モチベーション(やる気の素)」=「(これだけは)譲れない価値観」+「心躍る未来像」
・すぐに行動しない場合でも、大事なのは「今すぐ動く意識」。
・ゴール設定は当たり前、その後のその後もどんどん追求していく。
・具体的に、「何の制約もなかったら、本当はどこで何をしていたいんだろう?」と自分に毎日問い続ける。人生の目的や目標が明確になる。
・「はじめに言葉ありき」 自分の夢を語れ。
「10秒で人生を変える」
10秒。陸上100m男子の日本記録並みの速さである。そうとう過激に煽られるのかと思いきや、著者の視線は共感に満ちた優しいものであった。おかげで、滋味豊かな文章を噛みしめるように読み進めることができた。
読了間もない今、影響を受けやすい僕は「すぐやる人」になった、つもりでいる。
“なったつもり”でいい、行動をコツコツ積み重ね、本物の「すぐやる人」になりたいと思う。