曲はいいのに歌詞は残念!? Freedom(4) | 日本語ネイティブのための実用英語

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1) 世間の噂

 

1         Every day I hear a different story

 

(直訳)毎日私は別の話を聞きます。

 

まず、この文の主語は、この歌の主人公である「彼」です。この彼自身が、「I」という一人称で、この物語をスタートします。

 

Hear は通常「聞く」という日本語訳が当てられますが、厳密には「聞こえる」が正しい訳となります。こちらから能動的に耳を傾けて聞こうとするのではなく、耳に入ってくる、というのがHearです。ProactiveではなくReactiveな知覚動詞です。ちなみに、能動的に聞く場合は Listenを使います。ここではHearが使われており、かつその後の展開から、「嫌でも耳に入ってくる」感じです。

 

Storyの訳は、「話」です。真偽は問いません。FactでもFictionでも使えます。ここで彼の耳に入ってくるのは、その後の文脈から、噂ばなしになります。

 

以上から、この文の和訳は以下のようになります。

 

「毎日別の噂ばなしを聞かされるんだ」

 

2         People saying that you're no good for me

 

(直訳)「君は僕にとってよくない」と人々が言っている(のを僕は聞かされる)

 

文頭でI hearが省略されています。前文の中でI hear と書かれており、その続きなので、繰り返す煩わしさを避けています。省略を補って完全な文にすると以下の通りです。

I hear people saying that you're no good for me

 

これは、第5文型(SVOC)の文で、Vは知覚動詞です。この場合、「Sは、OがCするのをVする」なので、「私は、人々が、あなたは私にとってよくないと言っているのを耳にする」という意味になります。

 

No goodについてですが、NoはNotよりも強い否定を表します。ここでNotを用いてYou are not good for me. とすると、「君は僕にとってよくない」という、淡々とした事実の描写となります。一方で、Noが使われるとどうなるか。このNoは、「全然ダメ」という強い否定のニュアンスが出ます。「君は僕に全然ふさわしくない」という感じです。ここで、これは彼の友達によるおせっかいな忠告の言葉なので、そのニュアンスを出すと、「あの子は絶対やめておいた方がいい」となります。

主語のPeopleは、人一般、不特定の多くの人を指しているので、「みんな」という日本語が適切です。

 

以上を総合すると、試訳は以下のようになります。

 

「あの子は絶対やめとけ」とみんな言うんだ

 

 

3         Saw your lover with another

 

(直訳)あなたの恋人が別の人と一緒にいるのを見た

 

これ、いきなり動詞の過去形で始まっていますね。文字を見ずに音だけ聞いていると、文頭に来る単語なのでSo(だから)と聞こえてしまいます。ここはSoではなくてSawであることがわかると、文頭にI が省略されていることがわかります。省略を補うと、以下の通りとなります。

I saw your lover with another

 

 

このIは一体誰でしょうか?これはPeopleの中の一人です。前の文の続きで容易に連想されます。

 

Your loverは直訳すると「あなたの恋人」となりますが、Loveは日本語では「大好き」くらいの軽い意味で使われることがほとんどです。よってここは、「お前の彼女」くらいが適切のように思います。

 

With anotherについでですが、anotherの後にboyが省略されています。これは文脈から補うことが可能です。

 

なお、この文は直接話法なので、“ ”を補って解釈する必要があります。

 

以上を整理し、省略を補うと、この文は以下のようになります。

 

“I saw your lover with another boy.”

 

これを試訳すると、以下の通りです。

 

「お前の彼女が別の男と一緒にいるのを見たよ」

 

 

4         She's making a fool of you

 

(直訳)彼女はあなたを笑いものにしている。

 

これは③の直接話法の続きです。よって、“”を補うと、“She's making a fool of you”となります。

 

Make a fool of~ は、「人が見ている前で~を笑いものにする」というイディオムです。Sheが主語、目的語がYouなので、「彼女がお前を笑いものにしている」が直訳です。

ただ、ここでは、彼女のせいで笑いものになっている彼に主眼が置かれています。彼女が別の男と一緒にいるのは、彼女が「浮気している」という証拠であり、そんな彼女を「自分の彼女だ」と言っていることで、彼はみんなに笑いものにされている、というのが、ここでの台詞の真意です。

 

よって、この文は以下のように訳してみました。

 

「お前、みんなの笑いものになってるよ」