日本語ネイティブのための実用英語

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Freedom by Wham

 

曲はいいのに歌詞は残念!?

文法解析でガッツリ深堀り

見えてくるのはびっくりな世界

曲も最高!歌詞も最高!

 

1.    はじめに

 

1) 洋楽との出会い

 

私が洋楽を聞き出したのは、1980年代の始めでした。ちょうど中学校に上がったばかりの頃だったと思います。

 

その頃私は、日本の歌謡曲はほとんど聞かず、洋楽ばかり聞くようになっていました。特にこれといったきっかけはありませんでした。たまたま耳にした洋楽のメロディーの方が、何となくカッコよく感じられたり、みんなが歌謡曲ばかり聞いているなかで自分は洋楽を聞いているということがカッコよく感じられたり、という、一種の中二病のような心理だったと思います。

 

当時、テレビはあまり見ていませんでした。かつ洋楽がテレビで放映されることは稀でした。よって、洋楽が入ってくるのは専らFMラジオからでした。洋楽のランキングをカウントダウンで紹介していく「ポップスベスト10」という番組を、ほぼ毎週欠かさず聞いていました。放送時間は土曜日の午後だったのですが、部活をしていたので、リアルタイムで聞けることはほとんどありませんでした。いつもタイマーをセットして予約録音し、帰宅後にラジカセの前にかじりついて、カセットテープから流れる洋楽に聞き入っていました。

 

でも、歌詞の意味はほとんどわかりませんでした。CDに付いている歌詞カードを見れば、和訳が載っています。でも、そもそもCDを買うお金がありませんでした。CDは当時、1枚2500円から3000円と、とても高かったのです。レンタルCDというのも当時はまだあまり普及しておらず、家の近くにはありませんでした。当然ながらインターネットという便利なものもありませんでした。よって、歌詞の和訳を知る手段がなかったのです。

 

もし英語の歌詞を手に入れることができたら、辞書片手にそれを和訳するという手もありました。しかしこれも、CDが買えない、レンタルもできない、インターネットもないという環境の中で、そもそも手に入れる手段がありませんでした。仮に手に入れられたとしても、読解力が低かったので、どのような意味なのかは多分理解できなかっただろうと思います。

 

結局、当時は英語のオリジナル歌詞もその和訳も手に入らない状態でした。そうしたなかで、日本語の曲名と、辛うじて聞き取れる英単語をヒントに、曲のリズムやメロディーから、「きっとこんな意味の曲だろう」と勝手に想像して楽しんでいました。

 

2) 驚きと失望

 

社会人になってから30年以上経ちましたが、仕事でよく使ってきたこともあり、ある程度英語がわかるようになってきました。それでも、10代の頃に気に入った洋楽は、相変わらず意味のわからないまま、中身を好き勝手に想像して口ずさんでいました。

 

そんな折、ふとネット上で公開されている歌詞を眺めてみる機会がありました。聞き取りはできなくても、文字ならほぼ追いかけられます。きっと昔想い描いたような内容だろうから、それを確認してみよう、という軽い気持ちで読み始めました。

 

しかし、読み進めていくうちに、みるみると幻想がかき消されていきました。実際の歌詞の意味が、想像していたのとは全く違うのです。そんな曲が、特にお気に入りの曲の中にいくつもあることがわかりました。

 

「ええーっ!?そんな意味だったのか!?」想い描いていたイメージと実際の歌詞の意味が、これほどまでに違うとは! ほぼ真逆と言っていい歌詞もありました。その結果、楽しさは吹き飛び、騙された感と失望に襲われることとなりました。

 

3) そんなはずはない!

 

しかし、同時に、疑問も沸々と湧いてきました。私が当時気に入っていたのは、楽しく軽やかな雰囲気の曲ばかりでした。しかし、歌詞を見ると、そんな楽しい雰囲気とは裏腹に、酷い目に遭って苦しんでいる心理が歌われているものばかり。「そんな苦しみ、悲しみ、やるせなさを、なぜ、そんなに楽しく軽快なメロディーに乗せて歌えるのか?」

 

そして、こんな仮説も思い浮かんできます。「この曲、表面的にはネガティブな心を詠っているようで、実はもっと深い何かを伝えようとしているのではないか?」「自分の読み方が浅いので、曲の真意まで達していないのではないか?もっと深堀りすれば、真意が見えてくるのではないか?」

 

4) 確かめてみよう!

 

こうした疑問や仮説で頭がいっぱいになった時、「確かめてみたい」という衝動に火が付きました。お気に入りの洋楽の歌詞は、一見簡単な英語ですが、日本語ネイティブにとってはなかなか手ごわい内容です。ざっと読んでもよくわからないので、英文法の知識を駆使して、想像力も働かせながら、少しずつ読み解いていきました。

 

5) 歌詞と曲との結び付き

 

歌詞を読み解いていくにつれて、やはり、想像していたのとは真逆の意味であることがどんどん明らかになっていきました。歌詞と曲とがどんどん離れていくのがわかるにつれて、失意と諦めが押し寄せてきます。

 

しかし、歌詞をとことん深堀りしていくと、思わぬ発見があったり、視点が変わったりして、離れていく一方だった歌詞と曲とが、逆に一気に結び付く、という不思議な体験をすることになりました。

 

「なるほど!そういうことだったのか!」苦労した長旅の終わりに、目から鱗で腹落ちする、という喜びは格別でした。

 

6) 日本語ネイティブのあなたに

 

私自身が経験した、歌詞の深堀りと発見の長旅を、是非ともみなさまと共有したいとの想いから、この本を書いてみました。文学的な楽しさをいっしょに味わってみたい、という気持ちが執筆の動機なので、その意味では、これは一種のエンターテインメントとして楽しんでいただけるのではないかと思っています。

 

一方で、日本語ネイティブのあなたにとって、この本は、以下の3つの実用的なメリットがあります。その意味で、これは英語習得のための実用書と位置付けることも可能です。

 

1         使える英文法が身に付く

日常的で平易な英文をしっかりと理解するために、いかに英文法が役立つかを実感していただけます。先に文法から学ぶのではなく、実際の英文から文法に遡って学ぶことで、生きた英文の理解のための生きた英文法が身に付きます。

 

2         使える表現が身に付く

英文法の知識を当てはめて深く理解した英語の表現は、しっかりと腹落ちします。血肉化した表現は、現実の様々な場面で応用できるようになります。

 

3         発音のコツがつかめる

歌はリズムが命です。曲のリズムに合わせて、歯切れがよく軽快な単語が洗練されて並んでいます。意味をしっかり理解した後で、楽しみながら口ずさむことにより、発音のコツがわかり、自然で滑らかな発音が身に付きます。

 

7) 娯楽と実利の旅へ

 

「楽しくてためになる」

子供向けの学習マンガの帯で見たようなセリフです。でも、大人にも、いや、大人だからこそ「楽しくてためになる」本があってもいいのではないか。多くの大人にとって関心の高い「実用英語」の世界にも、そんなエンタメ本があってもいいのではないか。そんな気持ちも相まって、この本を書いてみることにしました。

 

実用英語に関心をお持ちの、全ての日本語ネイティブのみなさまへ。娯楽と実利を兼ね備えた、洋楽の歌詞の深堀りの旅へようこそ。この本が、みなさまにとって、実用英語に接する上で「楽しくてためになる」ことを心より願ってやみません。

 

準備はよろしいでしょうか。それではいよいよ出発です。