A terrible fight between two wolves | パレ・ガルニエの怪爺のブログ

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今、読み始めている(まだ4%)Rutger Bregmanという作者の"Humankind: A hopeful History"(Kindle版電子書籍|1,037円。邦題「Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章」)という本の中に、心を捉えられる「小話」が引用されていたので、紹介したいと思います。

かなり先になると思いますが、この本を全部読み終えたら、感想をアップしたいと思います。

(ちなみに、"a hopeful history"を「希望の歴史」というのは、直訳で間違いではありませんが、hopefulという言葉のニュアンスが伝わってこないですね。でも、正確に表現しようとすると、回りくどい、冗長な、書籍のタイトルにはできない表現になってしまいそう。日本語って、曖昧・茫漠(ときには、不整合、非論理的)でも通ってしまう言語だという気がします。私には不可能ですが、私のある畏友は、難しい問題をきちんと考えるときには、英語で考えることにしているそうです。)

 

An old man says to his grandson: 'There's a fight going on inside me. 

It's a terrible fight between two wolves. One is evil -- angry, greedy, jealous, arrogant, and cowardly. 

The other is good -- peaceful, loving, modest, generous, honest, and trustworthy.

These two wolves are also fighting within you, and inside every other person, too.'

After a moment, the boy asks,'Which wolf will win?'

The old man smiles.

'The one you feed.' 

 

仮訳:

老人が孫に話した:「私の中で、闘いが進んでいるんだよ。

それは、2頭の狼の間でのすさまじい闘いだ。一頭は邪悪だ ;怒って、がめつくて、嫉妬深く、高慢で、そして卑怯だ。

もう一頭は善良だ ;平和的で、愛に満ちて、慎ましく、気前が良く、正直で、そして信用できる。

この2頭の狼は、同様に、君の中でも、他のすべての人の中でも、闘っている。」

少しして、孫は尋ねた。「どっちの狼が勝つの?」

老人は微笑んだ。

「お前が餌を与えて育てる方だよ。」

 

ついでですが、この本には、危機や苦難の中での普通の人々の勇気、忍耐力、助け合いについてのテーマの関連で、第2次大戦中にドイツ空軍の爆撃に曝されたロンドン市民のエピソードが紹介されていますので、それも。

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ドイツ空軍の爆撃によって、店を吹き飛ばされた店主は、いつもの"OPEN"の札の代わりに”MORE OPEN THAN USUAL”の札を下げた。

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(この”THAN USUAL”は、当時、ロンドン市民がヒトラーの爆撃機の連日の空爆に曝されながらも、"Business as usual"→「普段どおりに営業中」と言って、耐え抜いていたことに関連づけて味わうべき言葉だと思います。)