ブログをテーマ分けする作業で「丹田メモ&身体の使い方」のテーマでも記事を集めている。そうすると自分が書いた過去の記事を読み返すことになるので、自己の思考をまとめるのに、とても良い。
2017年の「クラウチングスタイルについて」という記事のなかで「四つ足から立つまでの行程で高這いを経由する」との記述がある。
この時期から、クラウチングスタイルと丹田に何らかの関係があるのではないか?と思い始めていた。
現代人の突っ立ち過ぎた姿勢と力が入り過ぎた状態が、生活から丹田を消失させている気がしている。
昨日、YouTubeでゴリラの映像を見ていた。
ゴリラの動きは、四つ足から高這いに近い姿勢でのナックルウォーク、時には二足歩行もしているのだが、とにかく惚れ惚れしてしまう動きである。雄のリーダーゴリラともなると、とてつもない腕の太さでマッチョなわけだが、凄~く脱力している。一瞬のスピードなど恐ろしく速い、そして柔らかい。
肩周りと背中の柔らかさを特に感じるが…考えてみれば四つ足の動物で肩周りと背中が固いものなど居ないだろうし(猫の動きを見よ)、四つ足と二足歩行を行き来するゴリラなど、猿の皆さんの動きには学ぶところが多い。
ゴリラの動きでも、下腹部でバランスを取ってる様に見える。上体の重さは斜め下前方(四つ足となる方向)にズリ落ちてる感じ。それと反対のベクトル(斜め上後方)がいわゆる四つ足から直立していく方向で、力みが入っていく方向でもあるのだろう。
(現代の日本人…特に若い子は、ただ物体が突っ立ってるだけの様な姿勢の人が多い。動きの可動性が感じられない姿勢。可動性は可能性に通ず。姿勢は姿の勢いと書き、エネルギーを内包したものだ)
脳が発達した人間は、ここ150年くらいの期間で、より“便利”な方向に社会がシフトしていく過程で、身体性を見失ってしまってるのだと思う(高度経済成長を果たした日本人に顕著)。養老孟司先生の言う“脳化社会”。脳偏重、脳加重な世の中だ。
ゴリラの動きや姿勢は、日本の武道で口うるさく言われる“上虚下実”を完璧に示している。物凄く大きな学びを、ゴリラの動画から得られた。