いま読んでる本。 | 南行徳 1Heartボクシングクラブの不思議な日常

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こちら南行徳えんぴつ公園前 格闘技研究所。プロ育成ジムではないので、ほんわかした雰囲気です。

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読書は本を何冊も並行して読むスタイル。最近で面白かったのはこの三冊。

『仏に逢うては仏を殺せ 吉福伸逸とニューエイジの魂の旅』(稲葉小太郎/工作舎)は、その死後から講義録やインタビューで再認識させられていたトランスパーソナル心理学の“伝説的セラピスト”吉福伸逸の軌跡を追うノンフィクション。

吉福氏を僕が本格的に知ったのは氏が亡くなったあとだが、この本において、自分が若い頃に読んだ様々な本の翻訳や編集に、氏が深く中心的に関わっていたことを知り、驚く。日本でニューエイジやスピリチュアル系のことを“精神世界”と名付けられたのも、その活動の中からだったらしい。

その吉福氏が日本を取り巻くニューエイジの状況から離脱し、四十代後半からハワイに移り住みサーフィンにはまっていった過程は興味深い。

『整体対話読本 ある』(川崎智子・鶴崎いづみ著/土曜社)は吉福氏も関わっていた西荻窪“ほびっと村”に併設した本屋「ナワプラサード」で買った。

吉福氏以前…ある意味でセラピストの様な活動していたのが野口整体創始者の野口晴哉さんだと思うが、この本はその野口整体を学んだ指導者である川崎氏に、編集者の鶴崎氏がインタビューしている。

女性同士の語り口のやわらかさと、何と言うか…野口整体を“現代の言葉”で説明してくれている感じ。野口晴哉さんの著作はいま読んでも相当読みやすいのだが、それでも時代の経過を感じさせる部分もあり、本書ではそれをソフトに補完してくれてる様な印象を受ける。良い本だ。

個人的に「孤独の中には本当に凄く力がある」「莫大なエネルギーを、孤独っていうものは可能性として持ってる」という箇所が、何だかすごくしっくり来た。

『山頭火随筆集』(種田山頭火/講談社文芸文庫)は心のオアシス。

年齢を重ね坊さんの活動をいくら行っていても、この人の“どうしようもなさ”は読む者を安心させてくれる。人間って所詮こんなもんだと思える。でも、そんな山頭火が生む句や随筆は、すごく良いんだよなあ。