あれは確か、4月10日。小春日和のうららかな日であった。
冬の名残がアチラコチラに残っており、北国らしさを感じさせる。
岩手大学の入学式が行われた。
その前日。
入寮日から一日として酒宴が途切れることはなかった。
早くから入寮していた者は、数週間毎日飲み会であった。
先輩達の中には、入学式当日に何人吐いたかを競っている様子の人たちも・・・。
私も例外ではなかった。明日は両親が私の晴れの姿を見に、東京からやって来る。私は持てる全ての技を駆使し、二日酔いに備えた。その技とは、
1 飲酒前に肝臓強化薬を飲む。(市販品なので効果は?)
2 飲酒前にチーズや油モノを食べて、胃の粘膜を強化
3 飲んだら、胃腸でアルコール分を吸収する前にトイレで吐く
4 飲酒後寝る前にポカリスエットを1L飲む。
今まで、この技で二日酔いになったことはなかった。
でも、なりました・・・・。
敗因は、朝まで飲んだことでした。
朝まで飲むと、飲んでいる途中から頭が痛くなり、吐き気も・・・。
それでもなんとか身支度を調え、タクシーで学校へ。
途中の酒屋でポカリスエット追加補給+ガム。
勿論、胃の中の酒は寮のトイレで、最後の一滴まで吐いておいた。
さて、入学式が始まる少し前。
両親とようやく感動の再会(大袈裟かと思えるが、あの時の感覚は今でも覚えている。まだ、生きてるよ!と声をかけそうだった。それほど寮のアルコール攻撃は凄かったのだ。)
「おまえ、酒臭い!」
母親の再会第一声がこれだった。
父親は昔の事を懐かしむように、「急性アル中だけは気をつけろよ。」「それと、寒いときは飲んでも外で寝たらダメだ!」
当たり前のように聞こえるであろうが、北国ではたまにこの種の犠牲者が出る。
入学式が始まった。
新入生の席には空席がちらほら。
中盤になり、数名の寮生が抜き足差し足で、後ろから入ってくる。
空調の加減で、風に乗って酒の匂いが漂っている。
教務から説明が始まると、先日救急車で騒ぎを起こした者がいると、入学早々問題児の一味に加えられていることが発覚。
後ろを向いて父兄席を覗き込むと、一様に顔をしかめているがどこか他人事の様子。
(父ちゃん母ちゃんゴメン。それって俺たちの事だ・・・。)
寮生連中を見てみると、皆私と同じ心持ちのようだ。
結局50名ほどの新入寮生のうち、入学式に参加できなかったのは、4名だった。全員ベッドの上で爆睡していたようだ。
寮に押しかけてきた親もいたそうだが、寮長が対応して事無きを得たようだ。(毎年の恒例行事らしいことが後に判明した。)
私達入学式参加組は、入学式後にオリエンテーションを受けるも、頭がボーっとしていて、後で誰かに聞けばいいやと、真剣に話を聞いていなかった。
これが後に私のキャンパスライフに禍根を残すことになろうとは、その時には想像すら出来なかった。(詳しくは後日)
さあ、寮に帰ってまた飲むか。(←当時は本当にそんな生活でした。)