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8月に入り、中国の太陽光発電関連企業の決算発表が相次ぎますが、足元の太陽光発電業界の経営環境は、極めて厳しいものです。

 そのような状況下で、各社の決算における注目点は次の2点です。

(1)マージンがどのくらい圧迫されるか
(2)仕掛品在庫の評価損が計上されるか


 その理由は、ソーラー・パネルの原料であるポリシリコンの価格とソーラー・モジュールの価格がそれぞれ急落しているためです。

そして、スペイン、ドイツなど最大需要国におけるソーラー・ブームの終えんは、太陽光発電装置の価格急落をもたらしました。原料のポリシリコン価格は、高値の1キロ当たり400ドルから、現在では73ドルぐらいまで下落しています。

 ところが、ポリシリコンが極端に不足していた一昨年あたりに供給拡大のための先行投資が相次いで決定されたために、ポリシリコン価格が急落しているにもかかわらず、供給能力は現在もどんどん増え続けています

 中国の四川省だけでも、2010年までに3万トンを超える供給能力の拡大が計画されています。

原料が安くなった分だけ、完成品であるソーラー・モジュールの価格も崩れています。昨年まで1ワットにつき4ドル程度だったモジュール価格は、現在では2.70ドルぐらいまで下落しています。

■長い目で見ると、価格下落は悪くないのだが…

 昨年、ポリシリコンが不足していたため、ソーラー・パネル各社は材料の確保に奔走しました。供給契約の大部分は、将来の買付数量こそ規定されているものの、価格についてはその時の「時価」という契約になっています。

 しかし、一部の在庫についてはすでに高値で仕入れてしまったため、その分の評価損が出ます。

 長い目で見ると、ソーラー・パネルの価格急落は悪いことばかりではありません。なぜなら、太陽光発電の製品価格が安くなると、それだけ需要が増える可能性があるためです。

 今のところ、太陽光発電のコストは他の発電方法に比べてまだまだ割高なので、価格下落がどのくらい需要を喚起するかについては未知数です。政府の奨励策や補助金が引き続き極めて重要だと思います。

■太陽光発電関連で、どの銘柄への投資がよいか?

 そのような中で、中国政府は最近、太陽光発電に対しての優遇策を発表しています。都市部において、ソーラー・パネル設置コストの半分を国が負担するという内容です。

 中国政府は、500メガワッツ程度のパネル設置を援助する考えです。ちなみに2008年の世界全体のソーラー・パネルの需要は5950メガワッツでした。

 ポリシリコンはケイ素が原料であり、これは地球上に多くある資源であるため、ポリシリコンの供給過剰は今後も続くと思われます。従って、LDKソーラー(ティッカー:LDK)のようなポリシリコンの業者ではなく、ソーラー・モジュールのメーカーの株を買ったほうがよいと思います。

 とりわけ、大手のインリー(ティッカー:YGE)サンテック・パワー(ティッカー:STP)の2社は、事業規模の面、財務力の面で他のメーカーより優っているので、他の企業よりも不況下での適応力があると思います。