第二回目 感謝は国境なし

                                陳 健


中国では、家族、親友以外に助けられたことは少
なく、あったとしても、何らかの形で見返りを与える必要があります。相手も
この人なら、いつか見返りを与えてくれるだろうと見極めてから助けたりします。


「功成名就」は、多くの中国人の人生における最高かつ最終の目標になってい
ます。私も例外ではありません。かつてはこのような哲学の信奉者でした。中
国では、「人それぞれの生き甲斐がある」という考え方は通じません。地位と
お金がなかったら、負け犬だと見なされる残酷な世界でした。「運が悪い、チ
ャンスに恵まれていない」という文句も時々言うくせに、うまくいった時、自
分が凄いと勘違いして、誰かに感謝しようとしていませんでした。

日本に滞在している7年間、私の最も大きな収穫は、お金や学歴ではなく、人
として社会人としてどのような姿勢をとるべきかを知ったことです。また、国
境を越えて友達を作るには、まず心の中の「××人は××だ」という「垣根」
や「警戒心」や「ステレオタイプ」を捨て、ゼロからその人を認識し直すべき
だと分かりました。