のつづきです。
沖縄本島北部は、やんばる(山原)の地。
この地域は、山や森など自然が多く残された場所です。
今帰仁城跡を後にし、次はそのやんばる国立公園にある大石林山(だいせきりんざん)へ行くことにしました。
大石林山は、沖縄の聖地と伝えられてきた安須杜(アシムイ)を散策するコースが整備されています。
安須杜(アシムイ)島建ての神、アマミキヨが降り立ち沖縄最初の聖地、安須杜を創ったという。
琉球王国時代には王家の繁栄、五穀豊穣、航海安全をこの地で祈り、今も四十箇所以上ある御願所(拝所)に神人の祈りが捧げられる。
2億5千万年前の石灰岩層が隆起し長い歳月をかけて侵食された四連の岩山。
地元の古老たちは安須杜の四峰をシノクセ、アフリ、シジャラ、イヘヤと呼ぶ。
大石林山は聖なる地、イヘヤ、シジャラの杜をめぐる自然と対話する場所。
ここでも、アマミキヨ。
アマミキヨの旅
駐車場からはシャトルバスに乗って、4つのトレッキングコースの拠点となる「精気小屋」まで行きます。
私はゆっくりじっくりと堪能したいので、バスを待つ間に係のお兄さんにコースの相談。
1時間半かけて歩くコースを行くことにしました。
私の選択したコースの入り口は、バスを降りたところから少し戻ます。
入っていくとこんな岩と木々の森。
世界最北端の熱帯カルスト地形
2億5千万年前(古生代)の石灰岩が長い歳月をかけて雨水などにより侵食されてできた地形です。
ドリーネ(すり鉢状のくぼ地)の鍋池、タワーカルスト(急速な溶食や侵食でできたタワー状の石灰岩台地)の悟空岩、ピナクル(石灰岩が溶食し、鋭く尖った岩塔)の鳥帽子岩など熱帯カルスト地形のさまざまな特徴が大石林山で見られます。
様々な形状の岩に、いくつか名称が付けられているものもあります。
これは、「縁結びの岩」
これは、「ダルマ岩」
「へぇ~」ってな感じで、スルーしちゃった岩も多し
このような中を進みます。
岩に触れてみると、ぬくもりと柔らかさを感じました。
もちろん、温度や硬度の話しではなく・・・
2億年以上前からこの地に存在して、そして今もこうしてここに在るということ。
すべての事象を受け入れ、存在し続けて培われたぬくもりと柔らかさということなのだろうか。
とするなら、鉱物に学ぶものがあるように思う。
急にひらけた場所に、この「悟空岩」がそびえ立っています。
悟空がきんと雲に乗って飛び回っていそう。
この悟空岩の右手を昇っていきます。
悟空岩の頂上には、龍の形をした「龍神岩」があります。
この悟空岩全体は、古くから神聖な場所として重要な信仰の場なのだそうです。
実は、このすぐに「石林の壁」という、山から昇る太陽の光が岩壁にあたってパワーが集まるとされる石があります。
その石は、触れられるように置いてある。
私には必要がないように思えた。
そして、写真に撮るという行為にも至らず。
少し行くと、海が見える場所があります。
海の向こうに見えるのは、与論島。
さらに進みます。
これは、「生まれ変わりの石」
この岩の間を1回通り抜けると悪い過去を捨てることになり、2回目はリセットされ、3回目に新しく生まれ変われる、とされています。
私は、ここでは3回通り抜けてみようと思いました。
3回目に通り抜けたあと、靴底が滑りました。
なんだこれ?←この出来事に
悪い過去を捨てるのも、リセットするのも、生まれ変わるのも、それが実現するのはその人の意志であるから。
こうした謂れのある岩や、神社などは、その人にその意志を持つよう切っ掛けを与えてくれているのみ。
要は、自分がそう生きるということ。
ここを通り抜けたから、参拝したから叶うものではない。
そんなことが浮かんできました。
私的には、すごく合点がいく内容。
私は、パワースポットに関心はありません。
パワースポットとされるところや神社は、今や人々のお願いや願望が山積されて、本来の役割を果たせているだろうか、と思うこともしばしば。
そのようなところは、お願いをするのではなく、生かしていただいていることにお礼の気持ちで訪れる場所なのではないかと思うのです。
そんなことを想いながら。
奇石・美ら海パノラマコースを終え、やんばる森林コースに進みます。
つづく