先週もまた、金曜午後に、ミラノ中心部でのお散歩&美術鑑賞。
平日の日中にのんびりできるって、ほんと嬉しいですよね。

ミラノでは、ちょっと調べると実に多くの展覧会等ありまして、無料のイベントも多数。その日は、二つほど無料かつ、訪問したことのないスペースでの展覧会をピックアップして、会社を出ました。

歩きだしてから、そういえば、朝の通勤時、奥の方に怪しい様子が見えたな、という場所があったので、ちょっとのぞいて見ることにしました。

毎年、フオリサローネで展示会場になっている場所で、今年も見学レポートを記事にしましたが、手前に高級ホテル、その奥にかつての修道院の回廊があり、おしゃれな飲食店などが並んでいます。
今回は、その回廊の真ん中にドカンと建物ができていました。



オーデマピゲAudemars Piguet - Le Brassus
Shaping Materials
c/o Portrait Milano

わたしには永遠に縁のない高級時計ブランドの主催する展覧会というか、展示会、まぁプロモーション活動っていうことなんでしょうね、そういう催しでした。

回廊に入ったら、二人ほどが並ぼうとしていたので、一体何があるのか不明なまま、QRコードを読み込んで、入場手続きをしたという、ただミーハー、好奇心だけの女です、笑。

平日の日中だし、おそらく始まって間もなかったと思うので、その時間は訪問者も少なく、すいすい入れました。その上、入場したら、レセプションで、お水のサービスまで。



ガチの顧客をもてなすためであろう素敵なラウンジには、コンパニオンさんがあふれていて、クロークも完備。無料で、その上、ブランド名をかすかに知っているだけで、将来的にも一切お世話になることはないことが確定している人には、若干居心地がいいような悪いような、笑。

ガイド・ツアーということで、素敵な女性コンパニオンに先導されて、入場(この時点でも、何を見せてもらえるのか、まったく不明…、笑)。



おお、いきなり美しいお部屋。
天井はプロジェクションマッピング的な映像が流れ、台の上には、作成に使用するマテリアルが並べられています。それぞれのマテリアルについての説明。この展示会のテーマみたいですね、マテリアル。要は、ガチの、本物の、素晴らしいもの使ってますぜ、素晴らしい品質ですぜ、(だからお高いんやで!)というアピールでしょうね。



大の上のマテリアルを動かすかなんかすると、天井の様子が、そのマテリアルに合わせた色合いになる仕組み。楽しい。こんなお部屋が自宅にあったら、ぼーっとするのによさそう。

 



次のお部屋では、主に使われる四種のゴールドが、どういう配分でこの色になるのか、という理科の実験的な、子供のおままごと的な見せ方をしてくれました。

 


そもそも宝飾の知識ゼロ、ましてやゴールドの種類なんて。

割と最近ね、過去に人にいただいた金のアクセサリーをね、実はそれは銀の金メッキと思って捨てるつもりで、一応刻印みたいのがあるかなって虫眼鏡で見て、お、もしや?とネットで検索して、18金だった!ってことが判明して、躊躇なく売りに行きました、笑。
実はもはや30年くらい前になるけど、ストーカー被害みたいなことがあったんですよねぇ。勝手に送り付けてくるものを、コンタクトしたくないから、返却もできず、でもある日突然返せと言われたら困るので捨てることもできず、ずっとキープしていたものが二点ほどあったんです。30年もたつんだなって感慨深い…。
そんなことも忘れていたんだけど、つい先日、引き出しをガサゴソして来たら、出てきたんです。

しかし現金なもので、金と分かったら、相場なんて調べちゃって、笑。
思っていた以上の金額で買い取りしてもらえてびっくりしました。
わたしには全くそんなことはなかったけれど、きっとバブルを経験している同世代女子などは、そういうことがいくらもあったんだろうよねぇ。

あ、どうでもいいっすね、そんな昔話。

ゴールドって、白とかピンクとか、なんだか色々あって、金、銀、銅、パラジウムだったかな、そういったマテリアルを合わせて、色を出すんだとか。



キンキラの金より、ちょっと銅が入ったような色合いの方が好みかもなぁ。
っていっても、だから~?ですけども、笑。

そして、この後は、歴史的な、ほぼミュージアムピース的な過去の時計の展示。

毎度ですが、中世美術好きの関係で、職人仕事は大好物なので、対象が超高級時計だろうが何だろうが、職人技、というところで食いつきまくりです。



盤面を囲む八角形のフォルムが、きっと代表的なスタイルなんでしょうね。
このブランドが好きな人にとっては、そんなことも知らんのか、というところなんかな。失礼…。
スケルトンは、面白いですよね。ずっと見てられるかも。

すでにアンティークと言ってよい時代のいくつかの時計は、胸キュンでした。



ペンダントに下げるタイプの時計。すっごい小さいですよ。直径3センチ程度だったと思う。1900年前後とかそういう時代の、まさに職人技。オーデマピゲが今のブランドになる前の作品とかじゃなかったかな。



これも、すでに時計というよりも宝飾品。
時計の部分は、でももちろんしっかりと時計で、この小ささにすべての機能を納める技術がすごかったらしい。そりゃそうよねぇ。



今じゃスマートウォッチ主流で、普段の生活で腕時計する人は激減してると思うから、今後生き延びるのは、きっと、超高級時計だけになるんだろうな。時計っていうのも、デジタルの影響で、かなりな短時間で立ち位置が変わってきたものだねぇ、そう考えると。

こういったブランドが、宝飾的なこともやってきたのは、先見の明があるのかも。
とはいえ、現実に腕時計が消えていくと、時計にロマンを感じる人も減っていくだろうから、今後、このようなブランド時計がどうなっていくのかは、ちょっと興味深いかもね。ロレックスなど、中古でも価値が落ちないとか、高額取引されているとか、そういうマーケットだって、きっといつまでも続くものではないかもねぇ。
今、時計にロマンを感じているのも、高齢者メインだよねぇ。若い子、スマホだけだもんな。
生き残りの方向は、やはり宝飾品、芸術品しかなさそう。
この職人技は伝わってほしいから、何とか生き延びていってほしいものではありますが。

ということで、訳も分からず入場した割には、大変面白く、色々と考えさせられる展覧会でした。
ちなみに、後付けで、いかほどするもんなのかネットで見て、お値段にたまげました、笑。

中世美術専門の別ブログになります。

 


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